「馬鹿ー!AAAの馬鹿ー!早くやめるクマー!」
「ねぇ〜、クマ〜、上手くなったよね〜?」
「上手い!上手いけど…危ないから降りてクマ〜!センセイが来るからAAAは隠れなきゃいけないクマよ〜!」
「え〜!せっかく上手く乗れるようになったのにィ」
ギャララララッと音をたてて勢いよくスケートボートを止めると、息をきらしたクマが私の手をゆっくり掴んできた。クマの人形みたいな手が私の手を引っ張る、足はそれに会わせるように動く、またセンセイって人が来るから私は隠れなきゃいけないらしい。小脇に抱えたスケートボートを持ち直してクマの横に並ぶようにして歩く。
「ねぇ、センセイ、って人、何で会えないの?」
「AAAは駄目クマ!」
「もー!いっつもそれ!私、クマ以外の人とも会ってみたいなぁ」
「駄〜目っ!」
もう、と反発しながらも仕方ないかぁとも思ってしまう。クマは困った顔しながら霧の奥に入っていく、本当は怖いクセに私の隠れなきゃいけない場所がそこだからって我慢してくれる。いい人…クマだ、と手を強めに握ってにっと笑ってやる。
「クマ、心配ありがとう」
「…どういたしましてクマ!」
クマもにっと笑ってくれた。キィと音をたてて開いたドアの中にはいつもの私の隠れなきゃいけない場所が相変わらずある、椅子にぽすんと腰掛けて、足元に置いたスケートボートに足をのせてコロコロしながら遊ばせる。
「ねぇ、バレないかな?」
「バレたら困るクマ〜」
「でも、センセイってとぉっても凄い人なんでしょ?私みたいな弱いシャドウ見つけちゃったらァ一発だよ〜」
「センセイには適わないけど、けどぉ……クマが絶対にAAAを守るクマよ!」
「ホント!クマってばチョー頼もしい〜」
きゃーと抱きしめ合いながら壁にかけられた時計を見ると、カチリと12時をさしていた。あ、と声をもらすとクマも時計を見て小さな声をもらす、お昼からクマはセンセイと約束してたらしいし、時間だ。
「バイバーイ、行ってらっしゃい」
「行ってくるクマよ〜」
とてとてクマが歩いていくとまたキィバダンと戸の閉まる音が鳴ると、辺りにあった霧がまた増した。床に倒れた私の本体のノイズが増してクスクス笑った。
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