「何事ですか!?」

姉であるAAAがドレス姿で驚いたように上の部屋から出てくる、ちょっと俺が石仮面を使い人間をやめてすぐに、大きな物音で目をさましたのであろう彼女は目を見開きながら辺りを見回し状況を理解しようと必死だ。何日かぶりにパチリと視線が絡んだのに、姉は何事もなかったかのように階段を駆け下りた。

「…お、とう…さま?」
「姉さん………父さんは僕をかばって…」
「あ…ぁ、うそよ、お父様っ結婚式を見てくださるってお約束しましたのにっ…」
「…姉さん、」

姉の目から水が流れる、あれは人間の涙とはいえまい、あんな汚い涙があるものか!あれはただの汚水ではないか!と大きな声で叫んでやりたい気持ちを押さえつけて彼女を見つめる。震えている割に姉からは恐怖心などは微塵も感じられやしない、ジョジョのいらないであろう慰めに彼女は首を振りよける。

「ディオ…あなた、は…どうして……」
「…AAA姉さん…」
「ディオ…」

また視線が絡んだ。いつものような何もかもをうつさない虚無の瞳にゴクリと息をのんだ、やはりジョージ・ジョースターが死に警官が死のうと彼女の目には入りやしないのだ、俺を見る目もいつしかそう変わるのだろう。確信めいた気持ちをおさえながら今だけは俺をうつし色を灯している瞳に頬をゆるめる、ゆっくりではあるが姉は此方に近づいてきているようだ。

「姉さん!だめだ、行ってはいけない!」
「、ジョナサン…」
「危ないよ姉さん、今ディオは何をするかわからないんだから!」
「……でも、」
「行かない方が身のためだ、お嬢さん」
「……」

ジョジョとスピ…なんとかいう男に止められて彼女は足を止めた、もちろん苦い顔をしたままだけれど。キラリと彼女の手元が光る、いつだったか拳銃を持っていたのを思い出しうすら笑みを浮かべる、あれで俺に近づいてどうにかしようと、この混乱にまじえてジョジョやあの男やこのディオさえもどうにかしようと考えていたのだろう。もう一度彼女の名を呼べばいいのだろうか、いつだって交わらないのが俺たち「きょうだい」なのだからちょっとは策に嵌まってみることにしよう。


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