「…虹村くん」
「……なんだよ」
「…ううん、なんでも無いよ」

苦い顔したAAAに虹村形兆はじわっと浮かんだいやな汗を気にしないように彼の揺らぐ目と目を合わせる、怖かったのか酷く不安だったのか、あの弓と矢でさして失敗してしまえば死ぬのではないかと心配し恐怖に怯えていたのか…考えれば考えるほど出てくる答えに虹村は内心舌打ちをひとつ。一応本人からの許可は得てこの同じクラスの男を打ち抜いたはずなのに、虹村自身が罪悪感でまみれそうだったからだ。

「AAA、お前は…」
「怖かったよ、すっごい怖かった」
「そうか、」
「…でも、出てきてくれたね…。君の役には立ちそうにないけどなぁ」

出てきたスタンドとAAAは虹村の予想を裏切りながら握手を交わしにこりと笑った、虹村にとって役に立つスタンドとは言えないがAAAには役に立つスタンドなのだろう。スタンドを使う(という表現もおかしいのだが)人間の目指すところが違えばそういうものである、と虹村は考える。こんなスタンドなど必要ないと考えている自分がいるのも事実ではある。

「………虹村くん」
「…なんだ…」
「…うん、ごはん食べようか」
「…はぁ、」

能天気で変な感じのする言葉だが彼はまだ震えている、震える手をAAA自身のスタンドと繋ぎ困ったように笑ってみせたのだ。虹村にとっては只の強がりにしか見えやしないし、ごはんなど用意した覚えもないために歯ぎしりをひとつする。先程とあまり変わらない顔のままAAAは立ち上がり座っていた椅子が軋んだ。

「…今から作るよ、だって倒れてて2日もごはん食べてないんだから」
「手伝う」
「ありがとう、でも虹村くんの方が料理上手そうだね」
「上手そうじゃなくて、上手いんだよ」
「あははは、それもそうか」


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