嗚呼、なんて、馬鹿な友人……馬鹿な女。
好きだと言ったこの友人、頭を殴られ血だらけで生きるのすら危うかった友人。殺してやろうとすら思った友人。
本人は気づいていないが、この友人の記憶は全て戻らなかった。無くなった記憶はぼろぼろの穴あきで不完全なまま友人に戻ってきた。
両親のことは思い出したが、仲の良い親戚は覚えていない。クラスメイトのことは思い出したが、修学旅行は思い出せなかった。オレのことは粗方思い出したけれど、オレとの数日間の記憶は全て無くなっていた。
医者曰く、強く覚えていたかったことや考えていたことを忘れてしまった、らしい。
親戚と遊ぶ約束を取付けて、次会う日を待ち望んでいた友人。修学旅行が楽しくて仕方がなく何度も何度も写真を見返していた友人。そして、そして…オレが好きだと言った日を、丸々忘れた友人。
そういうことだ。なんて馬鹿な奴。
こちからから好きだと伝えた日、奴は話を誤魔化して数日待ってほしいと宣った。色々と考えて周りから埋めていって、やっと機は熟したと1年待って言った言葉だったから、数日ぐらい別に待ってやるつもりだったのだ。
理科のテストを終わらせたらね!と真っ赤になって返事なんてわかりきった顔で言うのだから、たまらなくて見送った。明日起きたらオレのものになる女の後ろ姿が頭にこびりついて、無意識に口角があがった。
それなのに、これだ。
こんなことになって、ああ、なんて[[rb:可哀想に > 愛おしいんだ]]。
だって、それだけオレの伝えたことを思っていてくれて、考えていてくれたってことだろう?頭を悩ませて、考えすぎて忘れてしまうほどに。
理科のテストなんて目じゃ無いほどに、自分に危害を加え死に絶えるかもしれない傷を負わせた男のことなんて見向きもしないままに、結果的に助けたことになったバイク屋の主人のことを知る気もないままに。
あぁ、なんて馬鹿な女。
オレがずっと一緒にいてやるからな。
東りべ夢リクエスト「設定が渋滞してる女主と重めの幼い三途」でした。
救済もできたら、と書いてあったのでふんわりと救済しておきます。
改めてリクエストありがとうございました。
頭をかち割られた女主:あるバイク屋の主人を救済した女の子。頭のネジが元からゆるめ。記憶障害以外にも体に若干麻痺が残っているが本人気づいてない。サンズくんが好き、と思っているが恋愛的4親友的6ぐらい、これにも気づいてない。いわば忘れたもの(サンズからの告白)が染み付いてしまっただけ。これから特に不自由なくサンズとらぶらぶになるし、結婚前提に付き合っていく。
サンズハルチヨ(幼い姿):女の子を好きになって外堀を埋めていたが焦ったさに耐えきれず告白。なのにその日のうちに告白を忘れられてしまった男の子。しかし運が味方して向こうから告白してもらえた。ずっとはなさないつもりでいるし、数年たったら両親に結婚の許可とって指輪も買う。
バイク屋にいた3人:女の子の両親に強めに追い返されてしまったためその後女の子と会うことは無い。
アジアンティック・ハイブリット(黄色い場合の百合)の花言葉は「偽り」「陽気」
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