「ヨウコちゃーん」
「あ、AAAちゃーん!」
「ちゃんって、はははは。お酒持ってきた〜、てか、こんな品揃えで良かった?」
「うん!大満足!」
キャーキャー言いながら酒ビンがたくさん入った土産がヨウコちゃんの部屋に吸い込まれてゆく。酒、好きだよなー、相変わらず。まだ、離れて数週間かそこらやけど。
「ファ、やなかった、兄さんいる?」
「いる、と思うけど?」
「はは、合間いやなァ」
「そんなもんよ」
最近バイトはじめたから、とも付け足され珍しさに「へぇ」と声が漏れる。一応バイト終わったらヨウコちゃんの部屋に寄るようにLINEをしておいてもらう。
あの、あのわけわかんない芸人ジャッカルにしか大爆笑しなくて、完璧な殺し屋さんってやつが、バイト。世の中、なにがどうなるかなんて予想がつかないんだよなぁ。てか、ファブルがバイトしてる姿が頭に浮かばない。鉄鋼作業とかなら似合うかも、いや、微妙だなぁ。やっぱり似合うのは殺しか。
ヨウコちゃんがあ、と声を落としたために振り替える。
「あ、AAA」
「おー、様子見に遊びに来た。土産があるんだけどよぉ、ジャッカル」
「まじぃ〜?」
「まじ、まじ、大真面目よ。地方限定CMあったからやいてきてやった」
DVDをファブルに見せればすっと奪い取られた。家でゆっくり見てくれ。本当。俺にはジャッカルの面白さわからんからなぁ。
ヨウコちゃんがお茶を出してくれたため受けとれば、かわいらしいはずの顔を渋い顔にした彼女と目線が会う。「なぁに」と問えばブーブー言いながらも返事がきた。
「AAAさんはぁ、どこ行ってたの?」
「四国とか、その辺」
「それ四国じゃぁん?」
「はははは、四国四国」
「また言えない仕事なの?」
「そりゃ、そうだろうよ」
「よくおわかりで」
お茶を飲み干した。いまだにブーブー言うヨウコちゃんに仕方ないと割りきるファブルを眺めながらにっこり笑って見せる。昔から変わらないノリ、ボスも交えれば別に懐かしくないはずなのに懐かしくて笑ってしまうだろう。
「あ〜!また、笑ってる!なにか隠してる!!」
「ははは、勘弁してよヨウコちゃん」
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