捏造過多
五条×オリジナル女キャラ表現あり。
夏油傑はなんだか気持ちを持て余していた。
ある男にあうとぐっと息がつまるような、動悸がはやまり、首筋がソワソワするような、もしやこれは恋では?と思わせるような感情を。
もちろん夏油はいやいや、ない。ないだろう。はははありえん。と否定しているが、その否定が逆に肯定に見えてきて気持ちが無限ループに陥る。負の連鎖コンボでもやってるのか?
もちろん恋ぐらいはしたことあるし、なんなら結構な恋愛の場数を踏んできた。しかし夏油がそうなる。なにかの笑い話だろうか、と本人は苦くくるしく笑うしかできなくなってきていた。
…自身が想い焦がれる相手が女でないことに驚きはしたが、そういう世界もあるのは知っていたため否定はしない。それに他の男(例えば親友だとか後輩だとか、その辺ですれ違ったなにも知らぬ人とか)に対してはそういう思考をしようとしてもあまりにも酷い嫌悪しか湧かなかったため、人間として好きになってしまったのだろう。
いや、まだ決めたわけじゃないけれど、と心中で言い訳を繰り返す。コンボまだつづくの?という天の声がどこかに落ちたが彼には当たらなかった。呪霊撲殺()任務ぶっ通し三徹目をしていた五条にあたったらしく「今12コンボだよ!」と返事が来た。
閑話休題。
気持ちを誤魔化しつづけていた夏油はいつもと違うような胸の高鳴りに奥歯を強く噛むことが増えた。苦痛に歪むような、耐えるような心理になる理由は、相手が学生、それも自分が受け持つ生徒だったからだ。
AAA、今年から高専に入学し虎杖伏黒釘崎と共にメキメキ力を伸ばす男子生徒だ。
幼少期に事故に遭い、その場にいた事故をひきおこしていた一級から特級呪霊を「生きたい」という欲が強すぎて自分に引き摺り込み従え取込み欠損してしまった体を補わせるというヤバイ生命力を発揮して生存。元は上層部のお抱えおもちゃ(この場合のおもちゃとは自分たちの都合の良いサンドバッグである)だったが、五条がひょんなことで見つけ救い出され、今やっと人並みの生活をなれない常識に四苦八苦しながらも手にしている。
向上心があり良い子である彼は術式相似である夏油を師匠として力をつけ、いまのところ二級呪術師である。実力的には準一級、もしくは一級ぐらい軽々超えるが実績がないので足踏みをしている状態。
そんな彼に恋。それも、確実に普段の恋愛よりもどろっとして重そうな恋。まず恋なのか?重すぎてやばいものに転換していないか?
それを、まだ若い未来ある子供にぶつける?
夏油は頭をかきむしる。むり、そんなわけない、いや、どうしたらいい、いやいやいや、落ち着け自分………、恋愛として甘酸っぱいはずの早まる鼓動なのに自分への嫌悪が満ちて仕方がない。
ぐるぐるする思考に意識がいっていたため、同任務にあたっていた久才が粗方呪霊を祓ってしまっていた。良さげな呪霊もいたが降伏することも忘れるほどだった夏油のおかしさに首を傾げ、呪具を片付けながら久才は
「夏油くん最近調子悪そうだね、なにか悩んでるなら話を聞くけど?」
と声をかけた。
さて、ここで、夏油傑の同期「久才スミ」について話をしよう。
こちら、呪術廻戦に転生トリップをしたさしす組同期で意図せず夏油傑だけを救済してしまった女である。
術式はサポート系。速度を下げる効果がある。それだけ。同期の能力顔面最強2人に反転術式美人の足元にまったく及ばない三下も三下術式だが、心がオリハルコンでできて尚且つ毛も生えているガチガチのゴリラメンタルの持ち主。ついでに言うと呪具使いの筋肉女でもある。
夏油を救うのはなんだかうまくいってしまった。
というか夏油の同期が、それもサポート系故に後隣にいることが多かった女の子(力は平均だが、メンタルをダイヤで削ろうと熱でとかそうとしてもいっさい形を変えない芯の強いメスゴリラ)が強いと夏油はひっぱられるように原作よりメンタルがちょっと強くなった。
同期のまだ弱かった女の子が吐瀉物を頭からかぶっても「今日暑いからシャワー浴びれちゃうよ〜!ちょうど良かったね!」などとかえされ、崖を転がり落ちた先で「夏油くん!猪いる!鍋!鍋にしよう!」と呑気と暴力を繰り出しているのを見て、強くならなきゃなと感じたなど誰にも言えないので夏油は心にしっかり仕舞い込んだ。
他を救えなかった理由は、彼女が前世として呪術廻戦を思い出したのが夏油が原作で五条に殺されるあの百鬼夜行の夜だったのだから、まぁ、仕方ないといえば仕方ない。
彼女はメンタル以外は強くないので…。
もちろんその日、夏油は離反もしていないのでなにもおこらずただひたすらに久才の脳をパニックにさせただけで終わった。
話を戻そう。
夏油からみたら頼りになる同期、生徒で同性なセンシティブととらえられなくもないことを聞いてくれるなら誰だと考えたうえで、脳内で選び出された結果でもある。
あと女性の方がいいかな、とかいうふんわりした理由も。
モンモンしながら、しどろもどろ、時間軸さえぐちゃぐちゃになりながら久才に夏油は話した。恋愛初心者でさえそうはならないだろうという慌てっぷりと、感情的になって後半それはそれは熱く語ってしまったため、長年の付き合いであった久才も驚きつつも真剣に聞いて考えていてくれる。
「それは、恋でしょ?えっ大恋愛か??」
「やっぱり?」
……さて、しかし、この女、メンタルがゴリラだからなのか、恋愛についてがまっっっったくわからない。
恋愛不向き人間殿堂入りおめでとうございます。メダルと花束もらってくれと天の声は頭をたれたいぐらいだ。
例としてあげるなら、高専卒業前から五条の猛アタックをくらっているがまったくわかっていない。なんなら直接的な告白すらスルーしてみせる強者だ。
周りが囲われているが結局本丸が落とせてない五条のもだもだをみるととても面白い、とは高専2年の双子の片割れの発言である。全面的に同意の肯定が周りからはよせられている。
夏油は今ほぼパニックが1ヶ月近くつづいている精神状態なので、彼女のそんなことはすっぽり忘れている。だれもツッコミがいないのが恐怖案件。早く誰かツッコミ役生成して。しかし今はそんなの無いのです。
「というか、なんでそんなに自分をせめるの?」
「いや、だから、相手は生徒で…」
「もちろん先生と生徒、それに未成年との交際には色々言うことはあるけど…夏油くんが想いを持ち続けることは悪じゃ無いよ?」
さっきから想っていることすら悪で嫌悪しかないと嘯く夏油に久才はため息をつきながら彼の肩を強く掴む。ミヂッと骨が軋むような音がしてゴリラの握力やばいなと痛みに顔を歪めるが、目の前の彼女の顔がいつもより凛々しくて真剣で優しさが滲んでいたから抗議の声はあげなかった。肩はみちみち音を立ててるが…。
「好きだなって思ったんでしょ?いつもと違ったおもそうな好きだったんでしょ?でも、それだけじゃない?」
「それだけって……」
「ふーん?今までが本気の好きに巡り会えてなかっただけ、とかは思わないの?」
もちろん思わなかったわけじゃない。
でも負のループに陥っていた夏油にはそんなことなんの効果もなかった。
「夏油くんはいっつも自分を律して正しくあろうとしてるけど、もちろんそれは素晴らしいことだけど、今その恋愛にその感情必要なの?他を頑張りすぎるぐらい頑張ってるのに、もしかしたら本気の恋愛かもしれないそれには向き合う気すらないの?」
やはり恋愛不向きメンタルゴリラ筋肉女は考えることが違い、確実に夏油より上手の思考を持つもの。
ほぼパニックな夏油もなんだかそんな気がしてくるし、客観的に見たら刷り込み洗脳みたいなものなのだがここには当事者2人のみだ。もしやおかしな方にエンジンきってませんか?野薔薇がいたらそう言ってくれていた。
「夏油くんのその想いを否定しないでほしい。」
「うん…」
「恋じゃなくても、もしかしたら生徒に対する愛かもしれないし、違うかもしれないけど。……でも、今はしっかり向き合える心があるんだから消すんじゃなくて考えてみようよ。ね?」
「あぁ…そうだね……」
「私だけじゃ心配なら硝子にも相談しよ?たぶんそっちの方がいい気がする」
「それは恥ずかしくないかな」
「そう?じゃあ、私から粗方はなしとこうか、それならそのあと話しやすくない?」
「そうだね、それなら、まぁ、ちょっとは話しやすいかな?…いや、硝子にバレるのは結局恥ずかしいんだけど……確実に笑われる」
「それは否定できない」
恋と断定する前に相談できていたらちょっとは違っていたかもしれぬが、後の祭だ。
照れ臭そうに、自分の想いに向き合うとグッと力を込めた夏油に久才は嬉しそうに、にこっと笑った。
あの、あの女ったらしのクズゲス(硝子談)が恋をしているのだ。それも本気の、自分じゃおさえつけられないほどの想い。もしかしたら生徒や守るものに向ける愛の延長だったのかもしれぬが、今は恋と言っていいだろう。同期の恋は全力で応援したい。久才はそう判断した。恋愛不向き殿堂入りがなにいってるんですか?ツッコミが七海から飛ばないかな、と天の声はため息をつくしかない。
さて、ここから補足を綴ろう。
夏油本人も夏油の主観で語られたため久才も気付いていないが、夏油のそれは本当は「恐怖」である。
恋ではない。恐怖だ。
恐怖または恐れ。動物や人間のもつ感情の一つで、こわいと思うことやその気持ち(Wik/ipedia参照)
息があがって、心臓が高鳴り、首筋に寒気がはしり、指先に血が通っていないかのように震える。汗がじわりとあふれ、思考がはっきりせず、なのに視界はクリアになる。震える足に鈍る感覚。身を守るために対象から視線は外せなくなり、気にしていないのに思考はそのことばかり考える。動きの鈍い体、濁る瞳、見える範囲がぐんと狭まる。
なにも間違っていない。見方が変われば紙一重、恋に見えなくもないが、間違いなくそれは恐怖だ。
夏油が正気であってまだ客観的に自分を見れていたのなら気づけたかもしれないが、そんなものわかっていたらこんなことにはなっていない。あれ?コンボまだ続いてるんですか??もしや止まらない系ですか?そうです。勘違いは加速します。
いわば、エンジンはずっとフルスロットルだ。ガソリンは夏油の混沌としてしまった止まらない恋の思考だからとどまることをしらないし、追加のエネルギーはAAAを目で追ってしまい見つけてしまった些細な変化や夏油の心をキュンとさせてしまうAAAのものでポイポイと追加されていく。無意識に目で追ってしまうとはこういう弊害もある。普通に高専を起点として生活しているだけでこうも加速するものがあったろうか、いや、ない。
夏油ストッパー五条(逆も然り)(伏黒命名)は高専に入学することになった虎杖が両面宿儺の指を取り込んだことにより嫌がらせみたいなお仕事が沢山増えて今は働いていない。これもまた運命なのだろうか。
上記を読んだら、追記をもう一つ。
この世界とは違う呪術廻戦には、おおまかな話の流れは同じでも「AAA」というキャラクターが存在する。
腐ったみかんたちに身内を人質をとられ、いいように手足にされ、おもちゃにもされ、学校にすらいけていない不遇な、主人公と同い年の男キャラとして登場する彼。
初登場では不遇さは見えなかったため読者からは名前のあるモブあつかいをうけていた。
彼は腐ったみかんたちの尻拭い任務の帰りにあのハロウィンの夜に遭遇し最強五条と共闘、優勢だったが隙をつかれ最強は封印されてしまう。
一対多数になりボロボロになって戦えなくなりながら、不遇さをメロンパンや呪霊たちに笑われ既に身内が全て殺されていたことをばらされ、こちらに仲間になるように勧誘を受ける。能力的に欲しがられていたらしかった。
さて、ここまでは「かわいそう」「闇落ち待ったなし」「虎杖と対になる悪役になるのでは?」と話題にあがって読者の心をかきたてた。普通なら闇落ちしている案件である。
が、この男のヤバさは次の話から爆発した。
絶体絶命、命乞いからの闇落ちしか救いがないはずの彼は、笑いながら煽りながら自らの事故による欠損身体を補わせていた特級呪霊を腹を裂き出し暴れさせた。
いや、もう、1ページ丸々使った腹裂きシーンのグロさよ…。
内臓全般を補わせていた列車よりデカイ特級呪霊は夏油の力をもっても降伏できず、本体が生きている限り呪霊は殺せず壊せず祓えず、なにもできずに恐怖と困惑と不安を増幅させるだけの暴力がふりつづく最低の時間。自分の血に濡れながらも攻め続けてくる人間。もしや自分は呪力も術式もないのではと思わせるほどの圧倒的さ。
さっきまで優位だったメロンパンチームはバラバラにならざるを得なかったし、なんなら一番煽ってしまったメロンパンを執着に追いかけまわすからみんながメロンパンから離れた。かわいそうですね。
この話が淡々とかかれた2話分は絵面がやばすぎてほぼトラウマ回となったのは笑い話です。
渋谷事変後、人質という足枷がなくなった彼はもう止まらない勢いでメロンパンを潰しに北から南、どこにでもあらわれどこからでも殺しに来た。
殺し屋でもそこまでしないぞという執着と殺意だ。いや、怖すぎないか?AAAと元から関わりのあった禪院家の面子がドン引きしていた。
上層部的には死刑確定の夏油を殺すことに力を入れてくれている実力者なのでなにからなにまで支援もめちゃくちゃした。なので機動力がブチ抜き高くなりどこにいようが追いかけまわした。
怖。
メロンパンは最後の方泣きながら対立していた。
もうむりこわすぎなんであのときあんなにあおってけなしちゃったんだろ、かこにいけるならあそこでじぶんをとめにいくのに、と。
読者から「メロンパンぜったいころすマン」「どっちが悪役かわかんねぇな」「もうお前ひとりでいいんじゃないか」「メロンパンキラー」「元から発狂してたボーイ」と呼ばれたが間違ってない。
これを読んだら
「あれ?メロンパンが恐怖を抱くのはわかるけど、夏油はべつに関係なくない?側だけだし?」
と思うだろう。
残念なことに読者からの質問というファンブック企画にあった「夏油傑もメロンパン同様にAAAに対し恐怖を抱きますか?」というなんでもない質問に「抱きます。なんならメロンパンより怖がります。」と回答が入ってしまったためである。残念だが公式でした。
これは全て別次元のはなしなので、この次元の夏油は知らんし、久才はもっと知らん。AAAも知らん。
けど根本は同じです。そういうことです。
はい。
追記読了おつかれさまでした。
さて、始まります。
勘違い歳の差ラブコメ〜恐怖を恋愛と間違っているけど気づかないという酷いラブコメにはまっていく夏油とお相手のAAAとゆかいな高専の仲間達〜
ラブコメにした戦犯、久才スミ
さしす組同期の転生女性呪術師。転生したのを知ったのは最近。
メンタルゴリラで恋愛に疎く、五条の一世一代のわかりやすいプロポーズにすら気づかなかった強者。五条は泣いた、家入は笑った、七海は見なかったことにした、伏黒は悲しみに濡れた目で五条を慰めた。今でも気づいてない。五条くんは気遣いのできる優しい人だね!絶対すぐに恋人できちゃって彼女も大切にするんだろうなぁ〜!え?私が五条くんと?無い無い!私なんかないって!たぶんお嬢様みたいなふわふわのきらきらした素敵な人と出会っちゃうんだろうな〜!(曇りなき眼
夏油パニック傑
恐怖を恋と勘違いしたまま突っ走ってしまい大恋愛がこれからはじまる特級呪術師。
もうすでに恋だと思ってるので胸きゅん()が止まらない。師匠として先生としてAAAと一緒にいることが多いので、ないはずの乙女心がぎゅんぎゅん音を立てている。「ングッッッ(心臓をおさえるポーズ)」
がんばれAAAくん
巻き込まれ方が映画のよう
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