あぁ〜みんな目が死んでる〜

(第1主・未視聴/第2主・制覇/アニメ開始前/言峰)


「コトミネ」

ばっと顔をあげたコトミネキレイという目が死んでるショタはこちらの顔を見て、げぇっとした顔をした。相変わらずだと思いながらもちょいちょいと呼ぶ。足が悪いと偽る私は大体がこの定位置になった椅子から動かないため、コトミネはすすっと訝しげな顔を変えないまま此方によってくる。

「なんですか」
「それ、サヤカの好物。あげたら?」

手中にあるその果実をコトミネは見て、頬を少しだけ緩ませる。知らぬ女が神父にと持ってきたその果実はコトミネにも分け与えられたようで、居候の私たちの分は当たり前だがなかったわけで。これをサヤカにあげたらあの満点の笑みで「ありがとう」と言うのが容易く想像でき、それをうけたコトミネもへにゃと笑うことも容易に想像できてしまう。流石、であってすぐ好感度がアップしまくる彼女は違う。

「食べないんでしょう?」
「…あなたに言われる筋合いはないです」
「筋合いとか、難しい言葉」
「バカにしないで下さい」

馬鹿にはしてないとは言わずにこりと笑ってみせる。馬鹿にしてるのが丸わかりだ。たのしいから別にどっちでもないんだけど。

「ほんとうにサヤカは喜びますか?」
「ああ、うん、たぶん。」
「たぶんって…」
「たっだいまー!」

不確かな、と嫌悪を表していた顔がバッと輝きを取り戻した。恋する乙女(ショタ)は違うなぁと思いながらも、かえってきて早々にショタコトミネが見れたことに彼女が悶絶しかけているのも慣れてきたなと視界からずらす。

「ただいま、綺礼。えへへ、これオマケでもらったんだけど綺礼にあげちゃう〜」
「え、あ、おかえりなさぃ」
「うふふ、似合うわぁ。かわい〜」

こねくり回されてるコトミネはお土産である花を頭に飾りながら、照れたように少しだけ笑う。サヤカも花開いたかのような笑みを浮かべている。
もうこの世界に来て、神父様とコトミネと出会って1週間以上はたつ。そう、1週間だ。出会ってすぐに好感度が半分以上にまで跳ね上がる彼女の好感度に上限がないと仮定して、これ以上一緒にいるならば危険が伴うことを前提に過ごさなければならない。コトミネの愛が「なにか」にもよるが、何かしらのリスクはあるだろう。
しかし、離れることもむずかしそうで、彼女は今堪能できるショタを離したくはないだろう。結局、何もできずに終わりってわけだ。

「ハヤトも、お土産!ね?」
「…ありがとうサヤカ、しかし、まぁ、多いお土産だな」
「みぃんなオマケなんだからね」

指定されたティシュと白菜と牛肉以外が全てオマケだなんて凄すぎやしないか、と袋ぱんぱんをに詰まった野菜や果物やなんだか高そうな肉とかを眺め、押し付けられるように受け取る。冷蔵庫にしまうために立ち上がれば、片手だけで安定しない荷物が少し揺れる。

「手伝おうか」
「いらないよ、そんな疑問形もない問いなんざ」

杖をつきながら台所へ逃げるように行く。コトミネの睨む瞳とサヤカの柔らかな瞳が背中に突き刺さりながら。
部屋を出ると、戸に背を預けながら神父様が笑みを浮かべている。たぶんサヤカがかえってきた時に来たはいいが、コトミネがかわいがられているのを見て身を引いたのだろう。

「手伝おう」
「ありがとうございます、神父様」

なんていいひと。半分の荷物を持ってくれた神父様ににこりと笑みを浮かべてみた。

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