「良平くん、柚子と檸檬にエサあげといて〜」
「わかった〜。珠希、俺もお腹空いた」
「もうちょっとで出来るから待ってて下さい!」

いつもと変わらない朝。
珠希の母親は日本小料理屋を営んでいるおかげか、珠希自身も料理の腕は確かだった。

「良平くん出来たよ!食べよっか」
「これ持っていけばいいの?」
「そう!あとお味噌汁はあとでおかわりする?」
「いや、いいかな。」

テレビをつけてニュースを流しながら今日のことや昨日あったことを話すのが二人は好きだった。
仕事の時間がなかなか合わない、珠希は家に帰ってくると執筆活動もしていることもあり時間のある時のやり取りは欠かせない日課。
会えない時はSNSやコミュニケーションアプリで連絡を頻繁に取るのも一緒に過ごす中で生まれたものだった。

「昨日珠希がTwitterにあげてたご飯美味しそうだった!」
「ほんと!?あれはね、お母さんの新作なの!もちろん美味しかった。」
「いいなー。ずるいなー。」
「じゃあ今度は一緒に行こう!」
「やった!!」

「やっぱり良平くんは可愛いな〜」
「可愛くないし!珠希の方が可愛いから。」
「マジで?やったー!今日はめいっぱいオシャレしよ!」

食べ終えた後少しダラっと過ごして、珠希はクローゼットの前で服と睨めっこをしていた。アパレル店員とだけあって選ぶ服のセンスや着こなし方も上手く、良平も一緒に買い物に行くのが好きだし、選んでもらった服を着ていくと同業者なんかにも評判が良かった。

「良平くんは今日どんな服着るの?」
「そうだな…。これ着たいから下はシンプルにしよっかな?」
「それだったらこのパンツが似合うよ。でも帽子を被るなら、これとこれの方が良いと思うんだけど、どうかな?」

良平も珠希に劣らずの衣装持ちだが、珠希の見立ては素早く決まっていく。良平にはないセンスで選んでもらったものに決めると、珠希は何かいいことを思いついたかのよに自分の服もすぐに決めていった。

「みてみて!良平くんと似た感じにしてみた!」
「可愛いじゃん!しかも帽子も似てる!」

こうしてみるとバカップルぽいが二人は嫌ではなかった。

「良平くん、今日は遅いんだっけ?」
「そうだね。今日は仕事多め…」
「そっか…。まぁ私も今日は最後まで入ってるから遅いんだけどね」

マンションを出るまでは一緒に歩く。それも必然的だった。

「じゃあ行ってきます」
「私も行ってきます」



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