もどかしいくちびる
──それは、本当に一瞬の出来事だった。瞬きひとつの間に過ぎたことだったし、何より仕掛けた本人は横で平素と変わらない涼しい顔をしていたから、私の勘違いだったんじゃないかと自分を疑うほど。でも今起こったことは紛れもない現実なのだと私に知らしめたのは、くちびるに残る熱い弾力。
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