君のために私は笑おう
逃げ出したい心を押さえつけて、あなたと向き合うと決めたのです。
遠くの喧騒に君の声を聞いた、気がしただけだった。
何度も何度も云えばよかった。陽が昇って沈むまで繰り返せばよかった。他の何を後回しにしたって君に伝えればよかった。
君のために私は笑おう。だから君は、私が愛した君のままで。
離れてなんかいかないで。僕はひとりじゃ笑えない。
そして全てがゼロになり、君は世界の神になる。
もういちど君に会えるなら。今度こそ伝えたいことがあるから。
胸の痛みに気付かないフリして笑う私は、さながら道化師のようだ。
震える手を握ってくれた君の温もりを求めても、もう何処にも。
優しさは時に塩となり、甘さは時に毒となり、傷口にじくじくと塗り込まれる。
空は蒼く、風は優しい。昨日と何ひとつ変わらない日。君だけが、いない。
守るべきものなんて要らない。ただひとつ譲れないものがあればそれでいい。
短い道程ではあったけれど、僕は君と共に歩んだこの輝ける道を、君が教えてくれた尊い道を忘れはしない。
僕に抱かれる君はこんなに小さいのに、その細い肩にはたくさんの業が背負われているのかと思うと、とてつもなく胸が苦しかった。
失うほどの願いもない。取り零すほどの望みもない。ただ今は進む。明日の自分と会うために。
これ以上何を欲張れと云うのだ。僕の手は自分の命を握って落とさないようにするだけで手一杯だというのに。
僕は英雄にはなれない。
いっそこのまま目が覚めなければいい。君のいない世界なんて見たくない。
ALICE+