1つ下の子なんて数か月前までランドセル背負ってた子供。そう思っていた私でも杉本さんを見たら急いで撤回するくらい安堂が惚れた子には驚いた。だからその子が安堂のカノジョになったと知って信じられなかったけど自分のことのように嬉しかった。いつになくテンションが高い安堂が報告しに来てくれて一緒に喜んだりしたら周りにもそのことが知れたりして。囲まれた人たちからお祝いの言葉を貰う安堂によかったねと思ったのはずいぶん前のように感じるけど、付き合ってまだ日が浅い彼ら。大事にし合う二人を誰もが羨んでいた。もちろん私も。
校内で会えば軽く立ち話をする私と安堂が盛り上がる話題は昨晩のドラマや今日起きたおもしろいことだったが、それが休日のデートできゅんとしたカノジョのかわいい仕草などにガラリと変わる。「ちょっ聞いて!」「わかったからちゃんと聞くから。だから話す前からにやけるのやめよう?」
繰り返すようにかわいいかわいいと聞かされて少々うんざりするけれど、どれだけ好きなのかはっきりわかって微笑ましくも思えてくる。
「それさっき聞いたー」
「あ、まじ? ははは、・・・そういや蓮にも言われたなそれ」
(!? 『蓮くん』!)
そうして見えてきた安堂という男は、好きになった相手をとことん一途に想う純情男子のようだ。ふわふわと浮かれる様子を見なければたぶん知り得ない一面だろう。
「初恋実ってよかったね!」
「! おー」
安堂が照れ笑いをして、少し経ったある日。二人が別れたと、人づてに知る。
15.0312