黒子くんとメールするお話 3
「はぁ・・・。」
「どうしたの?」
「ううん、何でもないよ。」
お母さんはならいいけどと言って、私が食べ終わった食器を下げる。
特に嫌なことがある訳じゃないけど、気分が優れない。
(学校行きたくないなぁ・・・。)
こういうときは、ベットの中で何も考えず寝てたい。
ズキン・・・と小さく、下腹部が痛んだ。
思わず、うっと唸ってしまった。
「名前、顔色悪いわ。やっぱり、薬のむ?」
心配そうにお母さんが薬を引き出しから出そうとするけど、首を振って断った。
正直、心配なら学校を休ませてほしい。
けど、お母さんは熱を出さない限り、基本休むことを許してくれる人じゃない。
一回だけ、どうしても行きたくなくて、泣いて駄々をこねて休んだことあるけど。
(駄々をこねるのも、めんどくさい。)
「じゃあ、いってきます。」
「・・・耐えれなくなったら、保健室行くのよ。」
「うん。」
(なんで、女はめんどくさいんだろう。)
ズキン・・・とまた、下腹部が痛む。
鈍い痛みと頭痛、全身にあるだるさ・・・もう、最悪だ。
普段より猫背になりながら、駅へと向う。
歩いている途中で、ドロっと出でくる感覚が気持ち悪くて、一瞬身体に力が入った。
「・・・はぁ。」
*
「じゃあ、先生ちょっと職員室に行ってくるから、名字さんは大人しく寝ててね。」
「はい。」
結局、私は保健室に来てしまった。
カーテンから覗いた先生は、そいう言うとカーテンを閉めて、保健室から出て行った。
「・・・はぁ。」
(保健室のベットじゃ、寝れない。)
ごろんと寝がえり打つと、携帯が胸ポケットから落ちた。
テツヤくん・・・。
テツヤくんはどうしてるのかな。
今授業中かな。
(あ、メール・・・テツヤくんからだし、・・・テツヤくん。)
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こんにちは。
もうすっかり、秋ですね。
綺麗なもみじを見つけました。
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添付された写真には、文庫本を背に綺麗な赤色の紅葉をもっているテツヤくんの手。
「あれ・・・今授業中じゃない?」
まだ四時間目が終わる前なのに、メールなんて珍しい。
+
「それ、紅葉か?」
「はい。綺麗だと思いませんか?」
「真っ赤だな。・・・つーか、黒子プリント終わったか?」
「終わりましたよ。」
「写させてくれ!頼む!!」
「授業が終わる五分前になったら、貸します。それまで、自力で頑張ってください。」
「・・・ッチ。」
「火神くん、自分のためになりませんよ。」
「わーったよ。やればいいんだろ!」
「はい。」
チカチカ光る携帯が目に入って、文庫本で隠す様にしながら、携帯を開いた。
(あれ、返信早いな・・・)
そう思いながら、メールを開いた。
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こんにちは。
真っ赤で、秋らしくていいね。
まだお昼休みじゃないよね・ω・`)?
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そいうえば、こんな時間帯にメールすることなんて、ないな。
彼女もまだ授業中だろう。
僕は自習だから、問題ないけど。
+
はあ、痛い。
どんな態勢をとっても、結局痛い。
とりあえず冷やさないように、丸まって、お腹なでてるけど。
一向に、痛みが引く気配が全然ない。
(返信きた・・・。)
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違いますよ。
自習で、出された課題も終わったので、
メールしてみました。
そっちもまだですよね?
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(へぇ・・・自習なのか。
私のクラスは・・・世界史Aだったかな。
後で、綾にプリント見せてもらわないと。)
+
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うん、まだ。
保健室なう。
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いつもより、とても早い返信はいつもより文も短かった。
(保健室・・・?具合でも悪くしたのかな。
でも、今日は涼しいし、過ごしやすいと思うけど。
風邪とか・・・?)
+
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大丈夫ですか?
どこか具合でも、悪くしたんですか。
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(心配してくれてるー・・・。)
大丈夫だよ、と一回打って、消した。
大丈夫じゃない(笑)・・・これも、違う。
素直に、なってみようかな・・・。
+
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うん、大丈夫じゃない
いわゆる女の子の日です。
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(女の子の日・・・あ、ああ。そいうことか。
・・・うーん、僕は女の子じゃないから、分からない。
保健の授業の知識ぐらいでしか、知らないけど、大変なんだろうな・・・。
大丈夫じゃない・・・か。うーん、あ、そうだ。)
+
(あー・・・言われても、困るとか思われたらどうしよう。
テツヤくん男の子だし、・・・あーあー。)
後悔しても、遅いのだけれど。
たださえ普段から、沈みやすいのに、・・・もう、やだ。
チカチカと、携帯がメールが来た!と光って、知らせる。
いつも楽しみな返信が、ちょっとだけ怖いと思った。
(テツヤくんなんて、返信くれたんだろう。)
不安になりながら、メールを開く。
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それは僕には分からないけれど、
辛いんですよね。多分。
この二号でも見て、少しでも元気が
出ますように(´・ω・`)
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(あ・・・、違う。テツヤくんは違う。
優しい人だよ。・・・テツヤくんは、優しい。
私、最低だ。)
自分勝手に不安になって、疑って、相手を疑ってしまったことに対してショックを受けて、ほんと私バカだ。
テツヤくんはそんな人じゃない。
ああ、生理なんて、来なければいい。
来なかったら、こんな気持ちにならなかった。
普通に授業を受けて、お昼休みにメールを返信して、・・・こんな気持ちになるメールしなかったのに。
そう考えてたら、負の感情が一気に大きくなって、我慢が出来ず、泣いてしまった。
添付された二号はお腹を出して、ころんと転がっていて、とても可愛いらしいけれど、
その独特の、テツヤくんそっくりの目を見て、余計に恥ずかしくなった。
(ああ、もう、・・・いやだ。
返信しなきゃ。)
+
(大丈夫かな・・・。喜んでくれればいいけど。
あ、返信。)
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すごく可愛いね!!
見ていて、
元気になれそうだよ!!
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(・・・名前ちゃん。)
「おい、黒子。どこ行くんだよ。」
「ちょっと、トイレに。あ、プリント机の上ですから。」
「そんなに長く行くのか?」
「ええ、まあ。ちょっと。」
席を立って、一人になれそうな屋上へ向うことにした。
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