ひんやりとした肌寒さで意識が覚める。もぞり、と体を動かして暖かい方へと体を動かす。……ふ、と目を開くと視界には赤い服、ああそうだ。レッドも居たんだった。ていうかレッド寒くないんだ……。

「……んん」

しばらくしてから体を起こす、レッドとピカチュウはまだ夢の中らしくキュウコンの尻尾に包まれていた。
キュウコンの火……は使えないし……ときょろきょろしていると寝ていたと思っていたリザードンが首を起こしてふっ、とひのこ。消えていたキャンプ跡に再び火が灯る。

「ありがとうね、リザードン」

主人を起こさない様に、という配慮か鳴かずグルル、と微かに喉を鳴らして返事をしてくれた。
朝は簡単にパンとこのつけてくれた火で簡単なスープを作る。鞄の容量がすごくあって旅には助かっている、まあ不思議な力ということで。
エドマの実とか、いろいろぽいぽいと投げ入れる。まあまあ美味しくて食べれれば良いのだ、キャンプなんて。
匂いにつられて起きたのか、いつの間にかカメックスも器を用意してくれていたりリザードンも火加減を見てくれていた。

「ピカチュウ、そろそろレッド起こしてあげて」
「ピ!」

レッドに背を向けているからよくわからないが、パチン!と音がなる。結構ピカチュウさん激しく起こしますね。

「……おはよう」
「おはよう、ピカチュウって以外と激しく起こすね」
「うん……いつも……」
「カメックスー、えーとこの皿でいいか。お水お願い!……レッド、濡れタオルで顔拭いて」
「……ん」

言われたままにタオルを水に浸して顔を拭くレッド。私もレッドもグリーンも10歳……もうすぐ1年経つけど……にしては成長してる、と思いたい。

「スープのむ?」
「……のむ」

その前に、とレッドは鞄をがさがさ、と漁りポケモンフードを手持ち分取り分けていた。カビゴンもいるからすごい量である。

「……うまい」
「食べれればいいレベルだけど」
「俺なんて面倒だから買うか、適当なきのみ食べるよ」
「……なんかレッドらしい」

ずず、と最後迄飲み干して「ごちそうさま」とひとこと。片付けは一緒にやってくれた。

「リサはすぐ向かうの」
「うーん、そうするしかないかなって。あとロード抜けるだけだし」
「じゃあ一緒に行こう」
「いいの?」
「うん、目的一緒でしょ」

片付けを済ませよいしょ、と立ち上がる。そのままパンパンと服、鞄の砂を落として回りを一瞥。うん、忘れ物は無い。
手持ちを出しておく訳にもいかないので私はキュウコンの火を照らしてもらいながら、レッドはピカチュウに照らしてもらっていた。
道中バトルを仕掛けられる事も多々あり、ダブルバトルだったりをしながらロードを抜けた。


***


「グリーンは……」
「いないね」
「やっぱり先に行ってるんだね」
「うん」

レッドと一緒にポケモンセンターのお姉さんに手持ちを預ける。
レッドの方が先に回復が終わる様だ、それまでおしゃべりタイム。

「なんか、3人でここまできちゃったね」
「なにそれ。全員来る事は分かってたでしょ」
「うん、遅れるとしたら私かなって思ってたけど」

自販機で買ったサイコソーダを飲みながら開けたプルタブをカリカリと弄る。レッドはオレンジジュースをほぼ一気に飲んでいた。

「でも」
「なに」
「グリーンが勝ってもレッドが勝っても私が勝つもんね」
「……そういえばまだリサとバトルしてなかったよね、まぁ俺が勝つけど」

オレンジジュースの缶を投げ、ゴミ箱にカコン。と音を立ててイン。
そのあとのレッドのどや顔たるや、足で軽く蹴っといた。

「レッドさーん、回復終わりましたよー」
「あ、はい」

お姉さんから声をかけられて窓口へボールを取りに行くレッドの背中をじっと見る。

「じゃ、先にいくから。途中で負けないでよ」
「勿論」
「リサさん、回復終わりましたよー」

帽子のつばをクイ、と若干下に下げて笑うレッドを軽く見送ると丁度お姉さんから声がかかる。
腰のボールホルダーにセット、出入り口のランプを見ると対戦中にまだ光がついている。

「…四天王のカンナさんは、氷だけど水タイプも使って来るからキュウコンはお休みで、ゲンガーとフーディンメインでいくからね」

軽くボールを撫でながら言えば仄かに透けているボールから各々の覚悟を決めた目と目が合った。
フォン、と音がした。顔を上げれば対戦中からランプが消えている。

よし、行こう。



TOP