早寝したにも関わらず、起きたのは9時だった。もぞもぞゆっくり起き上がり身なりを整える。ヒノアラシは起きていた様だがずっと寝転がっていたみたいだ。
食堂には人も少なく、サンドイッチをもぐもぐと頬張っているとご飯を食べ終えたヒノアラシがくんくんと嗅いで来た。少しだけハムをあげれば美味しかったようでヒノ!と鳴き声を上げた。
「おはようございます」
「おはようございます、良く眠れましたか?」
「はい、ありがとうございました」
ジョーイさんに部屋の鍵を返しポケモンセンターを出た。ぐぐぐ、と体を伸ばせばとても眩しい太陽が体に降り注いだ。
「ヒノアラシ、いこうかー」
「ヒノ!」
途中何人かトレーナーにバトルを挑まれヒノアラシがふんふんと倒してくれていた。一方たまごはヒノアラシが寝ているとき体温で温めてくれたこともあり、カタリと動く頻度は高くなっていた。
***
「あ、ヒノアラシ。あそこに洞窟あるよ」
「ヒノ?」
「うーん、でももう日が落ちるね……。今日はここで過ごすかぁ」
洞窟より少し先に歩くと小さな湖、その湖畔にはいくつか簡易テントが張られていた。
リュックから1人用テントを取り出して慣れた手つきで組み立てて行く。カントーの時も使ったなぁ、でも大半はキュウコンに包まれて寝ていたから使わない時もあったなって思い出しながら手を動かせばテントの完成。
「ヒノアラシ、ひのこお願い出来る?」
「ヒノ!」
ボッ、とかき集めた木と葉にむけてヒノアラシがひのこを放つ。いつものごった煮スープを作っている間にヒノアラシへとご飯をあげる。
「ヒノー」
はふう、とご飯を食べ終わったヒノアラシがひっくりかえる。膨らんだお腹を撫でてやれば鳴き声を上げていた。
出来上がった具沢山スープとパンを千切り食べているとばさりと羽音が近くで聞こえた。
「ん?」
後ろ、上をみても何も居ない。なんだぁ?とパンを口に放り込んで前を向いて咽せた。ズバットが物欲しげな顔でこちらをジッ……と見ていた。
「……食べる?」
「ズバ!」
パンを千切って鍋のふたをひっくり返した簡易皿に置けばはぐはぐと頬張っていた。スープの具材も入れてあげると嬉しそうに食べていた。誰かの手持ち、という訳でもなさそうだが野生にしては人に慣れているなぁと私も食事を進めた。
ご飯を食べそろそろ寝るかなぁといった頃、たき火を消していつのまにか寝ていたヒノアラシとこれまた何故と言う感じだがいつのまにかヒノアラシと共に寝ていたズバットを抱き上げてテントの中へと入れた。たまごはヒノアラシの側に安定。
「おやすみ」
***
「うーんんんん……」
朝起きて外に出る、体を伸ばせば起きたらしいヒノアラシももそもそと起きてきていた。いまだ寝ているズバットに思い立ち、ボールをえいと投げる。
カチリ
ボールの音が響く、不本意な形で捕まえてしまった……。ボールを手に取り投げると寝ぼけ眼のズバットが出てきた。
「ごめんね……不意打ちみたいな感じで捕まえてしまって」
「ズバ?」
何も気にしてませんよ、と言ったようなズバットの鳴き声に笑ってしまった。
「今日はもうちょっとしたらキキョウに着くから頑張ろうね」
「ヒノ!」
「ズバ!」
朝ごはんをもりもりと食べる2匹を見ながらタウンマップを見つめながらカントーの時もこんなことあったなぁと笑った。
***
トレーナーとバトルをしながらキキョウについたものの時間は昼下がり、ポケモンセンターで部屋を確保しポケモンを回復させている間にジムへと足を運んだ。
「すみません」
「挑戦者かな?今日は予約でいっぱいなんだ、ごめんね」
「あー、そうなんですね。明日って空いてる時間ありますか?」
「うーんと、朝一番でよければ空いているよ、8時半くらいだけれど」
「じゃあその時間でお願いします、梨沙と言います」
確かここのジムはひこうタイプだった、飛行に有効な子いないしなぁ……とヒノアラシとズバットを受け取りにポケモンセンターへ戻った。
「ちょっとお散歩してみようか」
「ズバ?」
ヒノアラシを抱っこしながらキキョウを回る、カントーには無かった塔といったものがあって物珍しい。
タウンマップを開くとどうやらあれはマダツボミの塔というらしい、どうしてそんな名前になったのか。