「ぽけもんわーるどとーなめんとぉ?」
「すごい気の抜けた言い方をするな、君は!」

バトルタワーのオーナーらしい服に身を包んだダンデ、普通にバトルタワーに遊びにきたらダンデに捕まってしまった。
ポケモンワールドトーナメント、通称PWTが開催されるとの話を普通に話してきたけど、そういうのって関係者以外には言ってはいけないのでは?

「いろんな地方の人が集まるとか?」
「その通りだ、様々な地方のジムリーダー、四天王やチャンピオンが集まる。そして博士が招待しているトレーナーも数人居るようだぜ」
「へー、それを何故私に」
「君は行かないのか?」
「そもそも私ただのトレーナーだからね?」
「む、それもそうか。確かカントー地方出身だったな?著名な博士が確かいるだろう?」
「オーキド博士?旅の始まりはオーキド博士だったなぁ、懐かしい……。まぁカントーには帰ってるけどさぁ、実家と研究所にしか顔出してないからなんて言うやら」

ぼんやりと思い出す、年1くらいで実家に戻り、研究所に顔を出してまた旅にでる。の繰り返しをしているのだった。

「正直君は強い、そして戦っていて楽しい。そんなトレーナーともっと戦いたいんだ」
「ぐえーっ圧倒的光を浴びてる!……まぁ、私は多分参加する人達と知り合いだし、また会いたいなーと思うけど参加出来なかったらまぁ、いいかな程度だねえ……。こればかりはどうしようもできないでしょ?」
「む……そうだな……。この地方からはホップ、マサル、ユウリが招待されているんだぜ」
「えー!その3人居るなら行きたい……一緒に見てたい……」
「参加する側じゃないのか」

確かにホップ、マサル、ユウリは強い。成長速度もすごい、多分私たちも最初はそうだったんだろうなぁとしみじみと歳をとったな、と感じてしまった。

「部外者だからさ、あんまり深く聞けないけど……他の地方の人の参加者とかもう決まってるの?」
「ああ、資料を持ってこよう。部屋で待っているといい」
「うわーナチュラルに顔パスしてしまう私が辛い」

そういえば立ち話していたこの場はバトルフィールドだった、バトルタワーのスタッフさんにぺこぺことお辞儀をしながら数回踏み入れたオーナー室へ向かった。

「待ったか?」
「迷ったでしょ」
「リザードンが迎えに来てくれたお陰で助かったぜ!」

オーナー室に行ったらリザードンが居たのでわしゃわしゃ遊んでいたが、20分経っても来ないダンデにまたかとため息を吐いた。リザードンが仕方ねえな、という顔をしてお迎えに行った5分後無事にダンデを連れて帰ってきた。

「出場者だったか?カントー、ジョウトの人はこの紙だな」
「まぁ私は口外しないけどさぁ……」
「参加者じゃなくても俺が招待するんだぜ、気にするな」
「男前ー!」

ぺら、と渡された紙を見る。並ぶ名前に懐かしさを覚える。うわー、もう何年会ってないけどリーダーしてくれていることに嬉しさを感じる。

「嬉しそうな顔をしているんだぜ」
「えっ!顔に出てた?!」
「ああ、そういえばカントーだけ博士招待枠が埋まっていないみたいなんだぜ」
「……ちょっと心当たりあるかも」
「そうなのか?」
「私の幼なじみ2人いるんだけど、ああ1人はこのジムリーダーしてるグリーンなんだけどさ……1人が山にいるんだよね」
「山、か?」
「そうだなぁガラルで言うワイルドエリアの奥地でずっとキャンプして生活してるみたいなもん。ずっと吹雪のところで」
「それは、猛者だな」
「レッドって言うんだけどレッドがさー、連絡繋がりにくいのよそれもあるのかなって思う」
「聞いたことあるぜ、最年少で殿堂入り、チャンピオンまで上り詰めたレッドとグリーン、その幼なじみだったのか梨沙は」
「言うて10年会ってないけどね」

ダンデのリザードンを撫で、レッドのリザードンを思い出す、レッドのリザードンもしっかりもので種族的な性格があるのかなぁとすこしざらついた肌を触った。

ピピピピピピ……

「電話ロト!」
「私のロトムが鳴るの珍しい、誰?」
「グリーンロト!」
「話をすればじゃないか」

カバンからロトムが飛び出してくる、ちょくちょく連絡が来るが電話は取れないことがほぼだった。

『おわっ?!出た!』
「なんでかけといてびびるのよ」
『お前掛けても出ること少ないじゃねーか、って!元気か?』
「元気元気ーなんならビデオにしようか?人いるけど」

ロトムにビデオにして、と指示を出すとビデオにした。あ、リザードンとあそんだままった。グリーンもビデオにしてくれたようだが完全に移動中の背景だった、急に電話をかけるな。

『お前リザードン手持ちにしたのか?』
「いや?これダンデの」
『ダンデ?ガラルのチャンピオンか?』
「元、だぜ!初めましてだな!俺は……っと、今はバトルマスターオーナーのダンデだ!」

にゅっ、と後ろから現れたダンデにちょっとびっくりした。いつの間にか対面から後ろに移動してきたらしい。

『俺はカントー地方トキワシティのジムリーダー、グリーンだ。っと悪いな、今移動中でじいさんのところ向かってるんだ』
「博士の?……グリーンのおじいさんがオーキド博士なんだよ」
「そうなのか」

こそっとダンデに伝える、私は当たり前に知ってるけどじいさんのところ、と言われてもわからないだろう。

『ああ、そういえば梨沙お前PWT出る気ないか?』
「……ハハッ!タイムリー!今ダンデとその話してたんだ」
『へえそりゃ好都合!レッドも今山から引きづり下ろしたからよ、俺はジムリーダー枠で参加だけどレッドと梨沙はじいさん推薦枠でどうかって話だったんだ』
「な!言っただろう、梨沙」
「嬉し恥ずかしですわ」

研究所についたらしくロトムの向こう側から「来たぜじいさん!」と声が聞こえる。

『じいさん、そういえば梨沙も参加するってよ』
「ちょっと結論言ってないよ」
『参加すんだろ』
『なんじゃ電話しとるんか!元気か梨沙!』
「お久しぶりでーす!わ!フーディンも元気だね!」
『ディン!』

オーキド博士が画面に映ったかと思えばフーディンが顔を覗かせる、私が最初のカントーで一緒に旅をした子だ。私の手持ちたちはいつもお手伝いをしてくれている。

「よく鍛えられているフーディンだ」
「ありがとう、うちの子なんだ」
「君は、ポケモンが多いな!」
「みんな仲間だからねいろんな思い出があるの」

画面越しに見たフーディンを見てうなづくダンデ、当たり前だ。私と旅をした子だぞしっかりものじゃなければ生きていけないぞ 私が。

『グリーン、誰と話してるの』
『レッド遅えよ!梨沙だよ、ようやく連絡つながったんだっつの』

グリーンの方の画面がブレる、スマホがぶつかってしまったようだ。そして画面に映るはリザードン、レッドのリザードンだ。

『梨沙?』
「レッドごめんリザードンしか写ってない、久しぶりだねリザードン!相変わらずかっこいいねえ!」
『リザ!』
「……いいリザードンだ!ぜひバトルがしたい、なぁリザードン!」

横からも画面からも鳴き声が聞こえる、ふっと画面が動いたと思えば画面を見ているレッドが写っていた。

『……梨沙、大人になったね』
「お互いにね!?何年会ってないと思ってんの」
『何年顔出してねえと思ってんだ!』
「ごめんなさーい」
『梨沙、近々カントーに戻ってくる予定はあるか?』

グリーンに怒られ耳を塞いでいるとオーキド博士から言葉を投げかけられた。カントーに戻る予定、はなかったが……。

「なかったけど戻ろうかな、早くて3日もあれば戻れるかと」
『そうか!いやなに、PWTへ参加するんじゃったらレッドと合わせて説明をだなと思っとってな、戻らんのだったらこうして電話でもと思ったが……無理はするんじゃないぞ』
「大丈夫です!うーんじゃあ1週間後くらいに戻りますねー!」
『じいさん俺休めねえんだけど』
『お前はジムリーダー枠じゃからいいんじゃ』
『じゃ、梨沙1週間後にね』
「うん、ああそうだグリーンとレッド、格好良い大人になったね!」
『おま』
「じゃ!また」

ロトムにひらひらと手を振り合図を送る。「通話終了したロト!」と声が上がったので電話は切れたようだ。まぁ切ったけど。

「君は、人たらしかなにかなのか?」
「えっ何」
「いやなんでもないぜ!しかし弾丸で帰るのを決めたがまた戻ってくるのか?」
「うん、今のところガラルで生活してるしねえ。お土産何が良い?」
「そうだな、オマンジュウっていうのがあるんだろう?それが良いな」
「ジョウトならイカリまんじゅうあるだろうしオッケー任せて」

もう一度ロトムを呼び寄せサイトを開く、目的は航空券だ。



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