部屋に備え付けの電話が鳴る、寝ぼけたまま慌てて取った。ねむい。

「リサさんですか?ロビーでポケモンが貴方の名前が書かれたタオルを持って座っているのでお迎えにお願いしますね」
「えっ?」

ピッ、と切れたが理解が追いつかない。
ピジョンには聞こえていたらしく布団からぽてっ、と落ちた状態のまま疑問符を浮かべていた。一方カメールは今起きた。おはよう今は8時だよ。
とりあえず着替えるだけ着替えてロビーに行ってみる、するとタオルをぎゅっと握ったままこくりこくり船を漕いでいるケーシィがいた。よくポケセンまできたね?!

「おはようございます、明け方にやってきてタオルを見せてくれたんですよ。リサさんのポケモンですか?」
「あっ、いや、野生の筈なんですけど……」
「えっ?そうなんですか?とても人に慣れているように思えたので……」

ジョーイさんの声に驚愕する、わざわざタオルを持って来てくれたというのか。
つんつん、とケーシィを揺らせばハッとしたようで顔を上げた。

「ケシ!」
「あ、タオルどうも……寒くなかった?」
「ケシ」
「そ、そっか……ええと、君トレーナーとかいるの?」
「ケシ??」
「あ、居ないのか……えーと、じゃあ良ければ、なんだけれど私と一緒に旅をしない?」
「ケシー!」
「あ、嬉しそう。じゃあちょっとお部屋においで、お仲間を紹介しよう!」

部屋に戻ればポケモンフーズをもりもり食べていたカメールとピジョンが顔を上げた。

「まってね、モンスターボール……あった」

ぽち、とケーシィの額に押し当てればボールに入り揺れが収まる。ケーシィゲットだぜ。

「おいで、ケーシィ。えっと知ってると思うけどケーシィです。よろしくね」
「ケシー」
「カメ!」
「ピジョ」

挨拶を済ませたらしくまた再びご飯を食べる作業に戻っていた、ケーシィもご飯たべるよね、と思い前にフーズを出せばもりもり食べていた。
私もおにぎりを買って食べつつハナダのマップを見る。ハナダの岬ねえ……。まあ行ってみようか。

「ジムには午後1時で予約してあるので、それまで岬行ってみよう!」

ポケセンを出て岬へ向かおうとした橋でトレーナーに捕まりまくった、どうやらここは名物らしくて知らずに通ってしまった。
ケーシィのレベル上げも兼ねて通らせてもらった、もちろん全部勝った。
岬に行く途中で家を見つけた、看板はポケモン愛好家マサキ、と。

「すいませーん」
「ああ、ちょっとまってな……はいはい!なんの御用で!」
「あ、用って訳でもないんですけど愛好家、と書いてあったので……」
「見た所トレーナーさんやんな?わいはマサキ!ポケモン愛好家や!せやせや、ポケセンのボックス機能使うた事あるか?」
「あ、まだ無いんです」
「そーかそーか!あれな、わいが作ったんやで!もし使うことあればよろしゅうな!あ、わいの電話番号教えたる」
「えっすごい、ありがとうございます!」

挨拶もままに、マサキさんに「気つけやー!」と見送られ岬を後にした、時間も丁度いいジムに行こう。
ジムに入れば一面プール、どうやら水タイプを使うジムの様だ。同じタイプのカメールは出番が無いかもしれない。

「私はジムリーダーのカスミ!見ての通り水タイプを愛するジムよ!」
「あ、私はリサです!宜しくお願いします!」
「早速だけど始めちゃうわね!いけ!ヒトデマン!」
「ケーシィ行こう!」
「たいあたり!」
「ケーシィバリアー!」
「それじゃあ真上からみずでっぽう!」
「横に避けて!かみなりパンチ!」

いつもの眠たげな、ゆっくりとしたうごきのケーシィから想像出来ないほどの早さの拳が飛ぶ、一か八かでいったが流石に私もびっくりした。

「あっやだ!ずるい!そんなの覚えてたの!まだ行けるわね?ヒトデマン、たいあたり!」
「もう一度かみなりパンチ!」
「あー!もう!お疲れさま、ヒトデマン!」

ヒトデマンが倒れたと同時にケーシィが光る、そして次の瞬間にはユンゲラーになっていた。

「昨日今日で進化をみるの2回目よ!ま、成長をこの目で見られて嬉しいのだけれど。行け!スターミー!」
「ユンゲラーそのままお願い、ねんりき!」
「避けてみずでっぽう!」
「かなしばり!からのかみなりパンチ!」
「かたくなる!っと、危なかったわ……。バブルこうせん!」
「ッ、ねんりき!」
「バブルこうせん!」
「バブルこうせんをねんりきで跳ね返して!」
「あー!お疲れさま、スターミー。まさか最後にバブルこうせんを跳ね返されるとは思ってなかったわ。はい、ブルーバッチ」

ダメもとで跳ね返して、と言ったもののユンゲラーは見事に跳ね返してくれた、誇らしげにどうだ、という顔をしている。えらいえらい。
カスミさんからバッチを受け取る、そして番号も教えてもらった、時間が合えば再戦もしてくれる様だ。うれしい。

「ユンゲラーおつかれ!そして2つ目のバッチゲットー!えーと、次は……クチバかぁ、すこし遠いんだよね。シオンタウン経由しなきゃ……」
「ユゲ……」
「どうしたの?……ああ、シオンタウン。おばけが出るって話だもんねえ……でもポケモンタワーに用はないから行くだけだよ」

そうしてハナダを後にした。とりあえずイワヤマトンネルへと向かおう。
時間的にシオンにつく頃には夜になっていそうだ、うう、あの町で夜って怖過ぎ……。
予想は的中してしまった、イワヤマトンネルを抜ければそこは闇。日は落ちて所々にある街頭のみとなっていた。正直怖い。のでポケモンを全出しして歩く事にした、小心者でも構わない!

「いいよねえ、ピジョンはノーマルもあるからゴーストタイプの攻撃効かないし」
「ピジョ」
「こわいもんねー」
「ユン……」
「カメ……」

先頭をピジョン、両手をカメールとユンゲラーとつないで歩く姿は異様である。
そのままシオンタウンについてポケセンに入ったらジョーイさんに笑われてしまった。
部屋を取り、食事風呂を済ませればいつもの作戦会議時間。

「あ、やっぱりポケモンタワーに行っていいかな?このゴース、ってポケモン捕まえたいんだ」
「ピジョ?」
「ピジョンは攻撃効かないし、ユンゲラーは不安だし……カメールに手伝ってもらいたいんだ、いい?」
「カメ!」
「よーし!明日はゴースを捕まえて、クチバまで行く!そうと決まれば早寝です!みんな寝るよー!」

パチ、と電気を消せばベットにもぞもぞ潜り込む面々。うん……やっぱりこれ1つのベット狭いよ……。今度から一緒に寝るポケモンは順々にしようかな……。


***


ポケギアにセットしたアラームが鳴り響く、ピジョンはその音で目が覚めたようだ。
いつもの通り顔をあらって歯磨きをして髪を整えて、着替える。するとカメールも起きたようでユンゲラーを起こしていた。進化してもねぼすけなのね。

朝食を食べながら鞄の整理をする。うーん、きずぐすりが減って来ている。そしてなぜかボールが10個以上もある、そんなに捕まえないと思うのだがグリーンあたりに押し付けたい。
ポケセンを出る頃には野生のポッポがそこらへんで日向ぼっこしている時間になった。

「よし、ピジョンとユンゲラーはちょっとボール待機ね。カメール行こう」

ポケモンタワーに足を踏み入れる、やはりポケモンの墓地、とだけあって雰囲気はどんよりしている。
すると目の前を1体のゴースが通過する。

「あ!カメール捕まえて!」
「ゴ、ゴス?!」
「私は君を捕まえたいです!そのために弱らせます!いいね?!」
「ゴ、ゴス」
「カメ……」

ゴースが動揺し、カメールが困惑している図は傍からみて不思議極まりないだろう。
ゴースはあまり抵抗する気もなかったのかカメールのあわで弱らせれば素直にボールに入ってくれた。

「ごめんねゴース、こんな変なトレーナーに捕まってしまって……よろしくね」
「ゴス」

いかにもいたずら好きの様な顔立ちをしているも、このゴースはおとなしい性格の様だ。さらにごめんね……。
ゴースを回復させて手持ちの数を見る、もう4体か。全員出して歩くのにはキツいものがあるな。

「みんな大きくなりました」
「カメ」
「手持ちも増えました」
「ピジョ」
「という訳で移動するときは交替で1体づつとさせていただきます」
「ユゲー!」
「仕方ないの!みんなこれからさらに大きくなるし……妥協案です!」

本人もさらに大きくなるということは理解しているようで、渋々だが了解してくれた。

クチバヘ向かっている途中でゴースはゴーストに進化した。
たしかユンゲラーとゴーストって通信で進化だったような……。マサキさんに聞いてみるか。

『はいはいどちらさん?』
「マサキさんですか?リサです」
『お、なんやリサちゃんか!どないしたん?』
「ゴーストとユンゲラーって交換で進化でしたよね?2体とも手持ちにいるんですが、どうしたらいいかと思いまして……」
『あー、なるほどな。っしゃ、わいが手伝ったるさかい、ポケセンに着いたらまた連絡し!』
「わかりました、有難うございます!」

マサキさんとの電話を切ればクチバはすぐそこだ。どうやら自分が進化できるらしいと聞いてユンゲラーとゴーストはうきうきしているようだ。

ポケセンに着き、パソコンと向かい合いながら電話をかける。

『お、着いたか!』
「はい、無事に」
『パソコンに通信輸送機能ってあるやろ?そこ選択し、マサキっちゅー名前探してな。したら下からボール置き出るやろ?そこに進化させたいやつを置いてな』
「……はい、ユンゲラー置きました」
『そしたらわいはイーブイ一旦送るから、次のゴーストまた置き』
「うわ、ボールが吸い込まれた」
『すごいやろ?これ考えたんもわいやで』
「えっすごいですね?マサキさん舐めてました!あ、イーブイ来ました。ゴースト送ります」
『なんかナチュラルに傷ついたわー!ユンゲラー、じゃなかったわ。フーディン戻すなぁ』
「来ました来ました、じゃあイーブイ戻せばいいんですね?」
『せやせや、じゃゲンガー送るなぁ』
「……有難うございます!来ました!お友達居ないんでこういう時助かります……!」
『なんや……めっちゃ悲しいで……わいで良ければ協力するから泣かせんといて!』
「えっ」

こうして手持ちにゲンガーとフーディンが増えた。増えた?いや、なった?まぁそういうことだ。
今は昼過ぎの夕方前、という微妙な時間だ。
クチバは海の所とだけあってカメールがうきうきしている、遊ばせてあげよう。
ゲンガーを出しておんぶしてもらう、透けるのかと思えばしっかりしていてゲンガーにおんぶのまま行動してもらった。介護かな。

「ゲンゲンッ」
「あ、意外とノリノリなのね」
「カメー」
「ピジョー」

カメールとピジョンが水浴びしつつフーディンはベンチに座ってうたた寝していた、進化しても性格は変わらないよね。
フーディンの横に座り、ゲンガーを私の横に座らせる。
ゲンガーはミックスオレが好きなようでごくごく飲んでいた、可愛い。
すると後ろから影がかかる、ふと顔を上げれば逆光で見にくい。

「?どちら様で……」
「俺だよ、グリーン」
「グリーン!久々!ってほどでもないね」
「お前ジムは行ったのか?」
「まだ、明日行こうと思ってて。グリーンは……行ったんだね」
「おう、昨日な」

ストン、とゲンガーの横に座るグリーン。ゲンガーは私の知り合いだということを理解してか顔を上げてまた再びミックスオレを飲んでいた。

「つか手持ち全部か?」
「今のところ。あと2匹迷ってるんだよね。炎タイプがいないし……」
「ガーディはどうだ?かわいいぞ、出てこいガーディ」
「ガウ!」
「あー!グリーン持ってるんだ、可愛いなぁ……悩む……」
「ま、すぐに決めろってわけじゃねえしな。って言うかこのフーディンもリサのだよな?すげえ寝てるよな」
「ケーシィの時からそうなんだよ、一概に警戒心が強いって思えなくなったよ……」
「確かに。俺は夜に出てくるポケモン狙いつつタマムシに行くわ。またな」
「うん、あ!まって、ポケギア」
「……あー!忘れてた、っとじゃあな」
「うん、気をつけて」

後ろ手にひらひらと手を振るグリーンに向かって手を振る。ゲンガーも真似をしてか手を振っている。

「じゃ、そろそろポケセン戻ろうか。いくよカメール、ピジョン」
「カメ!」
「ピジョ」

フーディンも寝起きのままゲンガーに引っ張られてポケセンに移動する。とりあえずカメール達は風呂に入らないとベタベタだよ。
お風呂に入ったカメールとピジョンを拭きつつフーディンとゲンガーをお風呂に入れる。ゲンガーと一緒だとしっかり見ててくれるのでポケモンだけでも安心できる。
ゲンガーとフーディンが上がって来た、と同時に思い出した。

「今日から寝るのも交代制です!ベットがぎゅうぎゅうになって来たし、みんな大きくなって来たから……」
「カメ?!」
「お布団気持ちいいの分かる!でも流石に大部屋とれるほど余裕は無いんだ!ごめんね!」

しょぼーんとするポケモンを見て罪悪感を得る、でも仕方ないんだ……。
今日はカメールがベットで寝る様だ、どうやらポケモン達で話し合いしてるらしい。うんうん、いいね。



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