朝寝坊した、起きたら10時だったのだ。3匹は寝かせてあげようという慈悲の目で放っておいてくれたらしいのだがすっごい慌てた。おかげでポケセンを出るのが昼になってしまった。
「す、すみません、ジム、空いてます?」
「空いてるよ、そんなに急がなくても大丈夫さ。バッチが5つ目あたりからは挑戦者もあまり居なくてね。キョウさんに聞いて来るよ」
息を整えている間にトレーナーの人が聞いて来てくれるらしい、正直今回はレベルを上げすぎた自信があるのでごり押しでもいけると思っている。
思うだけです。
「今から大丈夫だって、名前は?」
「リサです」
「どうぞ、がんばってね」
「よく来たな、挑戦者」
「初めましてリサです、宜しくお願いします」
「うむ、俺の名前はキョウ。セキチクジムは毒タイプを使う、覚悟はいいか!」
「はい!」
「いけ!ドガース」
「……ハクリュー!」
「ほう、ドラゴンタイプで来るか。ドガースえんまく」
「ハクリューたつまきで払って、たたきつける」
「……相当レベルを上げたと見る、ドガースヘドロこうげき」
「高速移動で回避、からのりゅうのいかり!」
ドガースは地に伏せた、キョウさんはボールにドガースを戻しもう一体のドガースを出す。もう一体もハクリューで無事倒し、ベトベトンを繰り出した。
「ハクリューおつかれ、フーディン」
「どくガス」
「サイコカッターで払って、めいそう」
「ちいさくなる!」
「もう一度めいそう!」
「ヘドロこうげき」
「最大火力のサイコショック!」
「ふむ、流石だ。行けマタドガス 」
「フーディンいけるね?」
キョウさんのポケモンはあと1体、相性的には有利だ。
「フーディン、サイコキネシス!」
「ッ、耐えたか。こうなっては……じばく」
「!フーディン!」
めいそうで特攻を上げたとはいえ一撃では倒せず、じばくを食らった。がフーディンは倒れることなく、踏ん張ってくれていた。
「俺の負けだ、勝利の証ピンクバッチだ」
「有難うございます!」
「ふ、最近リーグでも名前をよく聞く。レッド、グリーンと共にな」
「えっ、そうなんですか!はずかしいやら……」
キョウさんにポケギアの番号を聞いた。気難しい人かと思えば意外と親しみやすい人だった。
1度ポケセンに戻り、次の目的地はどこか、とマップを見る。
「見る限り、ヤマブキだね……ん?」
ポケセンで流れるニュース、ヤマブキにあるシルフカンパニーという会社がロケット団に乗っ取られている、という内容だった。
隣でマップを共に見ていたカメックスは私が言わずとも何をしたいか悟った、その目は闘志を燃やしていた。
***
ピジョットでヤマブキの外れに降り立つ。ピジョットに乗っている時から気づいてはいたが街に人がいない、封鎖されているようだ。
ポケモンをボールの中に戻し、シルフカンパニーのビルを伺う。
どうやら見張りがいるようだ、がそれも談笑しておりザル。
手元にあった石を適当な方向に投げれば「なんだ?」と見に行っている間にビルに入る。
ビルの中は静かで、異様さを醸し出している。
「ゲンガー、とっても野蛮なこと言っていいかな」
「ゲン」
「出会ったロケット団全て倒していこう」
「ゲン!」
賛成だ!と言わんばかりに手を上げるゲンガーが可愛くてよしよしした。
何人のロケット団員と戦ったか分からない、おかげで皆のレベルが45以上になってしまった。強いのはいいことだけれど!!
あともう少しでミニリュウもカイリューに進化出来る。
今ここが何階なのか分からない、ほどぐるぐる回ったしそろそろ帰ろうかなって気分にもなりつつある。
ふと顔を上げれば狭まっている通路に出た、と目の前には見覚えのある後ろ姿。
「あれ?レッド?」
「!……リサ?なんでここに?」
「は?なんでリサもいんの?」
「グリーンも居たんだ、っていうか何?バトルしたの?壁煤けてるんだけど」
「会ったらバトルだろ!」
「こんな場所でもやんのねー、ていうか2人がいるなら帰ろうかゲンガー」
「ゲン」
「あー、待て待て。俺も帰る。どうせレッドはトップと戦うんだろ?俺顔知らねーし」
「まあ、うん。シルフカンパニーとかはどうでもいいんだけどさ、ロケット団が嫌いだから」
「私も嫌いなんだけどね、あ、レッド。回復するよ」
「……ありがと」
レッドとグリーンが戦った後らしく部屋の壁、床は煤けていたり少し壊れていたりした。
誰か先にいるとは思っていなくて驚いた、が見知った顔だったのでほっとした面もある。
レッドのポケモンを回復してここはレッドに任せる事にしてグリーンとシルフカンパニーを出た。
「っあー、疲れたー」
「なんでリサがここにいたんだよ」
「実を言うとこの子がロケット団が虐められてるっていうか、圧力かけられてた?んだよね、ゲットする前に」
「へえ、ハクリュー……ミニリュウの時にか?」
「うん、完全個人的な恨みでロケット団倒してやろうって思ってさ。出会ってくロケット団全部倒したよー」
「人ごとだけど相手がかわいそうに思えたわ、そういえばヤマブキのジムは行ったか?」
「まだ、なんだけどこの状態じゃレッドが倒してくれる迄挑戦出来ないよねー」
「ま、俺はもうジム突破したけどな!」
「はー、本当むかつくー」
そう言いながらドヤ顔をしてくるグリーンの肩をバシッと叩く。「いて」と言いつつもそんなに痛そうな顔をしないから慣れてるんだろ、うんうん。
「じゃあこれからグレンに?」
「いや、セキチクかマサラに戻って明日行こうと思うんだよ。だけどよ、どっちルートで行くべきか悩んでて」
「うーん、ふたごじまに用事あるならセキチクの方が良いよね。でもマサラ……戻ると博士に拘束されそうですネ」
「それなんだよ!うーん、セキチクいくか。じゃまたな」
グリーンは腰につけたボールからピジョットを出し背中に乗って飛び立って行った。様になるなぁと見えなくなる迄見送り、ポケセンへと足を進めた。
「すみません、部屋空いてますか?」
「状況が状況でスカスカですよ、大部屋にしますか?」
「あー、じゃあそうします」
私はいまいちピンとこなかったが状況が状況か、大部屋に着けば全員出しても構わないだろうという広さで全員出した、多分この部屋は大人数で泊まるという時に使うんだと思う……。
カメックス、ハクリューをお風呂に入れているうちに明日の作戦を考える。
ヤマブキはエスパーだ、割と誰でもいけるな……と考えながら就寝した。