※ staynigth時空 ※
王が、ギルガメッシュが居ると気付いたのはいつだったか。はぁと外を見ながらため息をつく。
「ちょっと、ため息しないでよ」
「えー?ごめんごめん」
遠坂はむっ、とした顔でこちらを見る。彼女は気付いていないだろうが、私は彼女が魔術師なことを知っている。
彼女の側にいる霊体化しているサーヴァントの存在にも気付いているが、気にしないフリだ。
終わりのチャイムが鳴る、すぐさま席を立ち帰り支度をする。
「遠坂」
「……何よ」
「今日は早めに帰らないとね」
嫌な予感がする、いや……言葉を変えれば直感、というやつだろう。遠坂は「はぁ?」と言いたげな顔でこちらを見ていた。
***
あれから日が経ち、同級生がどんどん疲弊していくのを見た。正直苦笑した。こんなにも聖杯戦争って疲弊するもんなのか。
コートに袖を通して雪山へと足を進める、何。ただのきまぐれだ。
庭園を通ればホムンクルスが剣に刺されて活動を停止させている、一瞥して城の中へと足を進める。痛いほど感じる慣れ親しんだ魔力と、膨大な存在感。
息を殺してギルガメッシュとバーサーカーの戦いを見ている衛宮と遠坂を見つけ、気配を殺して近づく。
「よっ」
「!!!!!!!!!!!」
「!!!あ、あんた!」
「なんでいるのか、は愚問じゃない?」
イリヤスフィールを守らんとする英雄、バーサーカー。それと対峙するはギルガメッシュとは相性が悪い。
信じられないものを見る二人を無視してバーサーカーを見やる、ギルガメッシュから大きく飛び退いたと思えばひどく久々に見た、友の姿。天の鎖が姿を現した。
「あれ、は」
「天の鎖」
「天の、鎖……?」
「神に近ければその拘束力を強める、あの英霊の名前は?」
「えっ、ああ、ヘラクレス……ってさっき」
「ヘラクレス?あー、それじゃあ、抜けられないね」
柵に足をかけて飛び降りる、衛宮が大声を出しそうになっていたが遠坂が抑えた。
「この我が、許すものか」
ひとつの武器が顔を見せる、私は走りそこらへんに刺さっていた剣を手に取る。
ギルガメッシュの手の振りで、武器が 放たれる。
ガキィン!!!!
「ッ……貴様ァ!!!!!」
「おっも……あー剣折れちゃったじゃん」
「……だ、誰?」
「貴様……ッ!何故、ここにいる!いや、なぜ生を受けている!何故立ちはだかる!」
「きまぐれでここにいる。生を受けているのは、転生しているからかな」
ギルガメッシュの顔が酷く歪む、私の後ろではイリヤが私に視線を送っているのがわかる。
「……何故我に剣を向ける」
「このままこのバーサーカーを殺すのは面白くないと思ったから」
「我に、歯向かうのか」
「いいえ?その気はありませんよ、王。あくまで守護ですから」
足元に落ちた折れていない剣を手に取る。酷く苛立ったような顔をして舌打ちをするギルガメッシュは天の鎖を下げた。
「!バーサーカー!」
「ギルガメッシュ、私とちょっとお出かけしようよ」
「たわけ!この状況でそのようなことが言える貴様の神経を疑うわ!」
「えー?良いじゃん別に、ていうかギルガメッシュは受肉してるわけだし聖杯への願いなんてなくない?世界壊したいとか支配したいならその手でやろうよ」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ちなさい!あんた!な、何者なの!」
ギルガメッシュにはもう戦う気は無いようだ、むしろ私で興がが削がれたというか。
遠坂が慌てて降りてくる、ギルガメッシュは興味がない、と言ったような目で遠坂を見ていた。
「え?ただの一般人だよ」
「ハッ、貴様のような一般人がいてたまるか」
「ギル」
「教えてやろうそこな小娘、こいつ……リサは我の親友にして忠実な臣下、そして……いや、言うまい」
「は?」
「めちゃくちゃ端折ると前世でギルと親友しててそれを引きずったまま今世に生きています」
「そんなの、そんなのありなの……!!!」
へたりこんだ遠坂の後ろに慌ててやってくる衛宮、手に持っていた剣を空中に投げればバビロンの中に吸い込まれる。
「行くぞリサ、貴様には聞きたいことが山のようにある」
「はいはーい、あ。でも私遠坂と衛宮と同級生してるからさ、学校には行かせてね」
「なんだと?!では貴様……十六ではないか!」
「まぁそんくらいですね」
「……犯罪か?」
「初夜権は私に適用しないでください」
ぐわっ、とギルガメッシュに襟首を掴まれる。ちらりと顔色を伺えば酷く機嫌がいいじゃないか。
「じゃあね遠坂、衛宮また明日ー」
「あ、ああ……」
「また明日、じゃないわよ!バカーーー!!!!!!」