※付き合ってる 

警察庁の地下駐車場に止めっぱなしの自分の車の後部座席に乗り込むとすぐに横になった。
景光から連絡があったのは先刻、時間取れる?と言われたから少しなら。と車で待ち合わせすることにした。
よかったー、さっきシャワー浴びといて。

コツ、と革靴の音がする。
私の車は広い駐車場の中でも端に止められていて確か監視カメラの死角にもなっていたような気がする、多分。弄ったような弄ってないような、そこらへんは覚えていない。

コン、と車が軽く叩かれる。ちらりと目線だけ窓に寄越せば景光だった。
後部座席から前へと手を伸ばして開いてるよ、と手でジェスチャー。すると後部座席の扉が空いたので体を起こし、かけた。

「梨沙」
「どしたのひ……?!」

起き上がろうとする私を抑えてそのまま上に覆いかぶさる景光に目が点になる。緩やかに後部座席の扉が、閉まった。

「ひ、景光さん?」
「梨沙お風呂入ったんだ、良い匂いする」
「景光さん?!」

するり、と髪に指が通る。不慣れな感覚に背中がぞわぞわとしていくのが分かる。

「梨沙に会いたくて連絡したんだ」
「へ」

潜入などがある景光は忙しいし目立つ行動は出来ない、私はサイバー局に缶詰なことが多いし中々会えない。……前に会ったのは何ヶ月前だったか。
そんな景光の言葉に体が硬直している、あの、嫌な予感なんですが景光さん目がギラついていませんか。

「景光、寝てる?」
「一昨日寝たよ」
「ね、寝よう。ほら後部座席倒せば広いから、ね」
「うん、そうだね」

パタン、と後部座席の背もたれを倒せば広いスペースが出来上がる。
ね、と言いながら景光を寝かせる。睡眠不足は正常な判断ができないんだぞ。

「キスしていい?」
「え」
「ごめんオレがしたいからするね」

反応する暇も無く景光の啄むようなキスが降ってくる、景光がこういうモードに入るとこっちの拒否権は割と、無い。

「ちょ、ひろ」
「ごめん止まんない」

無意識に薄く開いた口に舌が捻じ込まれる。
威張ることでもないが、私はこういったものは不慣れで息継ぎも下手くそだ。
はく、と息を吸おうと口を開ければ端からどちらのものか分からない唾液が垂れる。

「ッ、ま……!」

れ、と首から口へと景光の舌がなぞる。軽く酸欠で涙目になった私は景光を見ると上体を起こして自分の唇を舐めていた。
その姿が酷く、官能的で胸元が、……下腹部が、ぐにゅりと自分の意思に反して動くのがわかった。

「ひ、景光!あの、あのね」
「ん」
「……ちょっと、流石に、ここで最後までやるのは、恥ずかしすぎる」
「……それもそうだよね、ごめんがっついた」

私の口元を指で拭ってくれる景光、その顔は申し訳なさそうにしていた。
自分の車で、しかも職場で。さすがに次乗るときに意識せざる得なくなる。

「次、また潜入なんだ」
「うえ、また?」
「しばらく梨沙と離れるから、……嫌で」
「うっ、可愛い」

ちゅ、と頬にわざとらしく音を立ててキスしてくる景光に体を捩る。こっぱずかしいのだ。

「景光」
「ん?」
「ちょっと、寝転んで」
「?いいけど……」

よいしょ、と寝転ぶ景光の上に跨がる。先ほどとは体勢が逆だ。
自分の上に跨った私を見て目をぱち、とさせる景光、可愛すぎる。……ちょっと、当たってるのは、可愛くないけど。

「ひ、景光」
「生理現象だよ」
「……う、うん」

景光の首元へ顔を寄せる、鎖骨あたりに顔を埋めると上から景光の戸惑った声が聞こえた。
舌先で景光の肌を撫でる、そのまま唇を寄せてちゅう、と強めに吸う。そうすると景光の肌に赤い模様が浮き上がった。

「……景光には、私が居るよって……感じの、あはは」
「……やっぱり最後までやっていい?我慢出来ないよ、これ」
「次私が車乗るときに思い出しちゃうからダメ……ちょ、景光!」

形勢逆転、馬乗りになっていた私を緩やかに押し倒したと思えばワイシャツを脱ぎ始めた。私は直視が!出来ず!顔をとっさにそらした!
……というか、すごい、あの、当たっていて。私も久しぶりに景光に会えたし、でもゆっくり出来ないし、ちょっと……スイッチ入ったし……。うーん!とぐるぐる考えているといつの間にか耳元に顔を寄せられていて。

「梨沙」
「ッ」
「ね、脱がして良い?」

正直に言います、もう景光と最後までしたいです。その、濡れてるし。
景光の声に反抗する意思はもう無くて熱い顔を押さえながら頷くしかなかった。


***


「あれ、網代またシャワー浴びるんか?」
「……ちょっと寝過ぎてヨダレ垂らしてたみたいで」
「疲れすぎだろ!」


***


「あれ?諸伏ちゃんなんかご機嫌じゃん」
「うん、梨沙に会って来た」
「…………あー、ちょっと待って、諸伏ちゃん首元ちゃんと閉めたほうがいいよ」
「可愛いよな、これ」
「いいなー!俺も彼女ほしーーーーー!!!」



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