※圭視点で圭(クソデカ感情)→みたらし
「つまんない」
「あ、あはは……」
「てめえがつまんねえと思う理由はアレだろ」
「仕方ないですよね、体育委員ですから」
唇を尖らせて文句を垂れる、視線の先には他クラスの男子と話す梨沙ちゃん。
つっても?俺と葉流ちゃんとヤマちゃんも他クラスなんだけど?それはまた別枠じゃん?
呼ばれて行ったかと思えば帰ってこない、そりゃそうだ体育祭が近いからだ。
「梨沙ちゃん!帰ってきて〜!」
「?呼びに行けばいい」
「待ってね、清峰くん。網代さんは委員の仕事してるだけだから」
普通に何事も無かったかの様に呼びに行きそうな葉流ちゃんを見てそれもそうだ、呼んじゃえばいいよな。と思ったのはヤマちゃんに免じて言わない。
てか?智将も真顔で?見てるだけで?ちょっとこえーんだけど?
梨沙ちゃんは幼馴染だ、でも俺には記憶が無い。でも携帯の写真だったりアルバムを見てるといろんなところに葉流ちゃんと梨沙ちゃんが居て幼馴染なんだなぁ、と実感してる。
でも同性の葉流ちゃんと違って異性の梨沙ちゃんとはなんか、こう、壁がある気がする。俺はもっとマブというか、こう、親密になりたいワケ!
ああー、と項垂れる。おいおい誰だよあいつ、梨沙ちゃんと近えじゃねえか、クソー!俺も体育委員入れば良かった……?!
「ああー!!!」
「うるせえぞうんこ」
「そんなに気になるなら呼べばいいじゃないですか」
「今智将とどうしたらいいか話してるからちょっと待って」
「智将の無駄遣いやめろよ」
『時間を食い過ぎだ、用件のみならもう戻ってきてる頃合いだろ』
「だよね?!でもここで急に梨沙ちゃん呼びに行ったら何ヅラ?ってならねえ?」
『幼馴染面だろ……普通に用がある、と引っ張ってくればいいんじゃないか』
「うーんうーん!!」
ふと気づく、梨沙ちゃんが後ろ手で手をぐっぱ、とさせている。
それを見た智将は「あ、」と溢して 代わった。
「要くん?」
「後で戻る」
「……今の智将でしたね」
「網代さんが手開いたりしてるのと関係あるのかな」
「あれは梨沙が困ってる合図だ、俺たちの中で決めた」
「え」
「でも圭が行ったから大丈夫だ」
「……絡まれてんのか?」
***
「で、どうよ網代さん」
「あー……」
「すみません、ちょっと梨沙借りてもいいですか?」
「圭」
「今話してるんだけど」
「委員のお話は終わったと、思うんだが?」
するり、と梨沙の後ろ手に手を添え絡ます。ぎょ、とした梨沙の目線がやや下からくるが見ない振りだ。
他クラスの誰だか知らない奴を一瞥し、そのまま手を引っ張り歩く。しばらくしたところで梨沙が口を開いた。
「智将でしょ、この合図圭覚えてないもんね。助かった、ありがとう」
「お前な、トイレとか言って抜ければ良かっただろ」
「話止まんないんだもの、と言うか圭、もう手大丈夫だよ」
「……」
「おーい聞いてますか?」
「今日は暑いな」
「おいなんでだ」
離れようとする梨沙の手を握り締めそのまま野球部の元へと戻る、露骨に葉流火以外の3人の目線が手元に落ちるのが分かる。
「あー、えーっと、話長かったね?」
「なんか蘊蓄からの雑談に巻き込まれて急にデートプランとか言い始めて流石に困った」
「俺も行けば良かったか」
「ううん、圭が気づいたから。ありがと葉流ちゃん」
「ん」
「で、圭はいつこれ離してくれんのトイレにも行けないよ」
「ん?そうだな」
「出た、智将モードの話聞かないやつですね」
独占欲だ、梨沙は俺のものにもならないし誰のものにもならない。でも、少しくらい俺に寄ってくれてたら、良いなという独占欲。
俺も主人も今は野球しか見れないし、仮に俺のものになったとしても恋人らしいことは少なくとも高校生の間は出来ない。
『えーっていうかー、智将も梨沙ちゃんのこと好きなんじゃん!』
「当たり前だろ」
『えっ、怖……真顔なんだけど……』
「俺が眠れない時は一緒に寝たこともあったな」
『は?』
***
「ちょっと!おい!智将!!!」
「うわ、急に大声出さないでよ」
「アレ?!あいつ!!!!ねえ!梨沙ちゃん!俺と寝たことあるってホント?!」
「おいおいおいおいおい!」
「由々しき事態ですよ、これは」
「俺も梨沙と寝たことある」
「おいおいおいおい!」
「2人とも誤解招きまくるからやめて、本当に一緒に寝ただけだって。お泊まりみたいなもんだよ、ほら、小学校の時だし」
『中学の時も寝たぞ』
「ちょっと梨沙ちゃん、俺とお話しない?」
「いつになく要くんが真面目な顔をしている……」
「何かまた言われたんでしょうね、智将に」