「好きだよ、なまえ」
それは目が合った時に必ず言ってくれる言葉。彼の思いがぎゅって詰まったもの。ありきたりな言葉かもしれないけれど、豪炎寺くんが言ってくれたって思うだけで私の心はたちまち満ちていくの。
ふとおっきくてあたたかい手が頬に触れた。私はそっと視線を上げる。
「なあ、なまえは?」
黒目がちな瞳にはいつも以上に甘さが含まれていて、その目と対峙しているともうくらくらしてきちゃう。豪炎寺くんの1つ1つの動作に、言葉に彼なりの愛情を感じる。ああもう、しあわせすぎて溶けちゃうかも。
そんな彼に伝えたい私の思いは…えっとね、うーん…そうだなあ。
待ってて、今『好き』以上の
『愛してる』以上の言葉を探してる
だけど上手いものが見つからなくて、そうなるのはもう目に見えていたから。代わりに私の精一杯の力と気持ちと愛を込めて、ぎゅっとあなたに抱きつくので許して?
仕方ないなって笑いながらもいとおしそうに抱き止めてくれた彼に言いようのない思いが再び溢れてきたのはもういうまでもないのかなあ。