理性に乗っ取られんなよ


「んっ、あ…」

目の前で苦悶の表情を浮かべるマリノを見て、背筋がぞくりと粟立った。

誰にも渡したくない、自分だけのものにしたい。
そんな思いのままにマリノを抱いて、少しずつ楔を打ち込んだのはついさっき。
自身を全て受け入れたマリノが落ち着くまでと今は大人しくしているけれど、本当は今にでも、己の欲望を打ち付けたくて仕方なかった。

「はっ……っ?!」

マリノの呼吸が整ったところで、俺はゆっくりと腰を動かし始めた。
驚き目を見張るマリノはぐっと俺の肩を掴み力を込める。

「お、オーガストっ…まって、ま…あぁっ!」

静止をかけるマリノを無視して突き上げると、ある一点に触れた途端に高く嬌声を上げた。

「ここか?」
「あっ、やぁっ…んっ」

わざとらしく聞きながら、同じ場所を何度も突く。
その度に体をビクビクと震わせて、マリノは甘い声を零した。

初めてっぽいし、本当はもっとゆっくり、優しくしてやる方がいいんだろう。
だが俺は我慢強い方じゃない。
初めての快感に身を震わせながらぎゅうぎゅうと締め付けられては、抑えるなんて出来るわけがないのだ。

「うぁっ、んっ…あぁっ」

いいところばかり執拗に攻める。
早くイってしまえと追い立てるように。

「や、なんか、へんっ…こわいっ……あっ!」

今まで一度も感じた事のない絶頂を恐れ、マリノはいやいやと首を振る。
そんなマリノの耳元に口を寄せ、俺はそっと囁いた。



理性に乗っ取られんなよ


本能のままに俺を感じろ
その体に、心に、全て刻み込むように…