待てができないのはどっち

文化祭と体育祭という大きなイベントも終わり、いよいよ目前に迫った春校予選に一本に集中し、練習漬けの毎日を送っていた。
しかしそれも、つい先日までの話で、青城バレー部は男女共に予選敗退し、3年生は引退を迎えることとなった。

そうして3年生を待ち受けているのは、受験という現実のみである。
高校1年の頃はまだ少し先の話だからと軽い気持ちでいたが、流石に高校2年、3年と年月を重ねていくと、その壁はズンズンと近づき、大きくなっていく。

高校3年のこの時期ともなれば、いくら部活に打ち込んでいようとも、受験勉強をしていないという生徒は流石にいない。
しかし、部活が無くなり急に時間ができても、部活をしていた時の感覚がまだ抜けきっていないのか、あまり実感は湧かない。
もしかして、現実逃避というものなのだろうか。
そんなことを考えながら、帰りのHRを終え荷物をまとめていると、視界の端で教室に及川が入って来るところが見えた。
そうして及川は、足早に岩泉の席まで寄って行く。

「今日岩ちゃん家行ってもいい?」
「用事あるから来んな、家帰って勉強してろ」

カバンを肩にかけ、岩泉は面倒くさそう及川を突っぱねる。
岩泉は「勉強をしてろ」なんて及川に言っているが、及川はいくつかの大学にうちに来ないかと声をかけられているらしい。
多くの生徒が受ける年明けの試験は受けるものの、それを利用せずとも行ける大学はあるだろうし、恐らく及川も今声をかけてもらっている大学へ行くつもりだろう。
岩泉も似たようなもので、今月県内の大学を推薦で受けるのだが、合格はほぼ確定に近いらしい。

スポーツ関係の学部に進むわけではない静香は、高校時代の部活動の成績が推薦などの受験に上手く使えるわけではないので、地道に勉強して試験を受けるというスタンダードな受験スタイルである。
羨ましいとは思うが、岩泉も及川もバレーに心血を注ぎ努力した結果の賜物なのだ。

及川と教室を出て行こうとする岩泉を認めて、静香も慌てて席を立った。

「あ、待って岩泉」
「ん?」

立ち止まった岩泉につられて、及川も動かした足を止める。
あまり他人にこの話を聞かれたくないのだが、及川ならまぁいいかと、静香は今日持って来た中くらいの紙袋を差し出した。

「この前、おばさんがサンドイッチくれたでしょ。これお礼にどうぞ」

丁度この前、家族で少し遠出をした先で買ったお土産である。
大した物では無いが、体育祭の後に貰った岩泉のお母さん特製のサンドイッチは本当に美味しかった。
いつぞや素麺もごちそうになっているし、こんなもので申し訳ないのだが、感謝の気持ちを伝えたい。

「別に、気ィつかわなくてもいいのに…」
「本当は私が直接持って行きたかったところなんだけど…」

岩泉は今日用事があるようだし、家に直接行くのは諦めた方がいいだろう。
そう言ってお土産の袋を差し出した静香だったが、岩泉はそれを受け取らず、ポケットに手を入れた。

「今日うちに来ても構わねぇぞ」
「え?…でも、今日用事あるって…」
「及川がうち来ると面倒くせぇから、テキトーに言っただけ」
「えっ…岩ちゃん酷くない?」

何も俺の目の前でそんなこと言わなくてもいいじゃん…!と喚く及川を無視し、岩泉は静香に「母さんもお前に会いたがってたし、来いよ」と誘う。
「俺と栗原ちゃんの扱いの差どうなのこれ」とぶつくさ言っていた及川だったが、下駄箱へ向かう途中の廊下で花巻に声をかけられ、「これからカラオケ行くんだけどお前も行く?」という遊びの誘いに上機嫌で乗って行った。
なんて切り替えの早さ、そして大丈夫なのか受験生。
そんなことを思いながら、岩泉と静香は及川達を見送った。



学校から歩いて5分程。
岩泉の家に着いて早々に、岩泉が「あれ」と言葉を漏らした。

「どうしたの?」
「いや…母さん居ないっぽい」

自宅の駐車場に車が無いのを確認して、岩泉はカバンに手を突っ込んで自宅の鍵を取り出した。
ガチャリと家の鍵を開け、閉まるドアを背中で押さえて、静香に中に入るように促す。

岩泉のさり気ない気遣いにお礼を言って、静香は岩泉の家に足を踏み入れた。
ここに来るのは3回目で、それなりに慣れた静香は靴を脱ぎ、岩泉についてリビングに入る。
以前夕飯や素麺をごちそうになった食卓の上には一枚のメモが残されており、「買い物へ行きます、すぐに戻ります 母」と書いてあった。

「タイミング悪ぃな…。どうする、待つか?」
「岩泉が迷惑じゃなかったら、待たせて貰っても良い?」
「俺は構わねぇよ」

それじゃ、お茶か何か準備するから俺の部屋先に上がってろ。
そう言ってキッチンの方へ歩いて行く岩泉に一言謝り、2階にある岩泉の部屋へ向かうために階段を登る。
勝手知ったるように岩泉の部屋に入り、そこで見慣れた岩泉の部屋を眺めて静香は改めて思う。

「なんか彼女みたい…」

思わず口にしてしまったが、静香の感想はまさしくそれだった。
彼氏の部屋に手慣れたように入れるようになるなんて、自分達の関係も随分と進展したものだ。

「いや、彼女だろ」

感慨深く思っていた静香の後方から、不意に声が落とされる。
何言ってんだ?と言いたげな岩泉がすぐ後ろに立っていたものだから、静香は驚いて飛び退いた。
お茶を入れて来ると言っていたはずだが、随分と早くないだろうか。

「悪い、スポドリしかなかった」

青いパッケージのペットボトルを渡され、静香は心の中で「あぁ」と納得した。
これなら冷蔵庫から取って来るだけだから、準備なんていらないはずだ。

岩泉が早々に部屋にやって来た理由が解決した辺りで、静香は部屋の中心にある小さめの机の傍に腰を下ろした。
岩泉も自分の勉強机の上にカバンを置き、ベッドにぎしと腰掛ける。

「まぁ、すぐ帰ってくるだろ」
「ごめんね、迷惑かけちゃって」
「気にすんなっつったろ、それに…」

不意に岩泉が言い淀んだので、静香はテーブルに腕を置いて、ベッドに座る岩泉を見上げる。
言い辛そうに言葉を濁した後、「やっぱなんでもねぇ」と視線を逸らされると気になってしまう。
何々?と静香がしつこく尋ねると、岩泉はあー…と唸った後、半ば自棄になって質問に答えた。

「お前と話できるから、別にいいっつー事だよ!」

言わせんな恥ずかしい、とそっぽを向いた岩泉だが、それはこちらセリフである。

「言われたこっちもこっちで恥ずかしいんだけど…」
「知らん」

フン、と鼻を鳴らして、岩泉はベッドの枕元に転がしていた英単語帳を手に取った。
いくつか付箋の貼られたそれをベラベラと捲りながら、適当な英単語を選び、その意味を静香に尋ねて来る。
どうやら岩泉が問題を出題してくれるらしく、それに対して静香は英単語の意味を答えていく。

「お前、結構覚えてんな」
「英単語だけね」
「ふーん…」

静香の返答にニッと笑った岩泉は、英単語帳の後半の方のページを開く。
ああ、後半の辺りに載っている英単語はなんだか小難しい意味のものばかりだったな、と静香は思い当たる。
案の定、岩泉が出題して来た英単語は、日常生活で絶対に使わないだろうという意味のものばかりである。
何問かは静香も答えを口にできたが、後に出された何問かは連続で答える事ができなかった。

「ああ…昨日覚えたつもりだったんだけど、付け焼き刃じゃやっぱり頭に入ってないなぁ」
「いやでも、良く覚えてんな…お前」

すげぇわ、と素直に感心する岩泉に静香はじとりと視線を向ける。

岩泉はかなりの確率で、県内の某大学に入る事ができるだろう。
それに対し、静香の志望校も県内ではあるものの、第一志望の大学の方が、岩泉の行く大学に近いのだ。
勿論、勉強したい分野があるために静香は第一志望の大学を目指しているのだが、大学が違えども、岩泉と会う機会が多くなりそうなところへ行きたいのだ。
そのために、部活もあった中、わりと勉強も頑張っているつもりである。

静香が英単語を一生懸命覚えている理由の一端が自分であると、きっと岩泉は分かっていない。
その当の本人は、手に持っていた英単語帳の後半部分に付箋を貼り直し、それを静香に手渡した。

「今から時間やるから、この範囲の英単語覚えてみろよ」
「え?」
「時間が経ったら、俺が問題を出す」

テストだテスト、と口にし、岩泉は自身の膝に肘をついて、座る静香を見下ろした。

「その範囲から10問出す。全部答えられたら何かいいもんやるよ」
「いいもの…?」
「ま、ご褒美ってやつだ」

それならやる気出るだろ?と言う岩泉の意見には、静香も同意である。
岩泉から英単語帳を受け取り、英単語とその意味の日本語に目を走らせ、頭に覚えさせて行く。
気合いを入れて指定範囲のページに目を落とし、2分が経過した頃、静香はふと思い至った疑問を口にした。

「ご褒美に何くれるの?」
「…いや、実はまだ思いついてねぇんだよ」

自分から提案しておいて、岩泉は何も考えていなかったらしい。
母さんの醤油煎餅なら家にあるんだけど、それじゃ駄目か?と言う岩泉に、静香は苦笑いを浮かべる。

それお母さんが後で困るじゃないか、と指摘すると「後で買い直せばバレねーだろ」と真顔で言って退けた。
それもなんだか悪いなぁ、と静香は頭の中で妥協案を探す。
そしてフッと思いついた内容に、静香はニヤーと笑みを浮かべたが、生憎岩泉は気づかなかった。

「じゃあ…私からお願いしてもいい?」
「ん、まぁやれるもんなら何でもいいけど」
「ハグして欲しい」

ぴたりと体を固まらせた岩泉は、確認の意味も込めて「ハグ…?」と静香に聞き返す。
「ハグ」と静香が力強く頷くと、岩泉は無言になった。

「………」
「駄目?」
「いや…駄目じゃねぇけど…」

ぎこちないが、駄目だとは言わなかった岩泉の答えに、静香は俄然やる気を出す。
再び英単語帳に集中し始めた自身の恋人を眺めて、岩泉は照れくさく感じながらもフッと穏やかに笑った。

そうして10分程が過ぎ、静香が「覚えた!」と岩泉に報告したことで、岩泉による英単語テストが始まった。
しかし、岩泉が出題する問題はピンポイントでややこしかったり、難しかったりと静香は中々に苦戦する。
そんなに私にハグしたくないのか?と心の隅で思ってしまうくらいに、静香の記憶が曖昧な辺りを絶妙についてくる。

それでも何とか英単語の意味を答え続け、最後の1問目に差し掛かったところで、岩泉は肩を震わせ始めた。

「…何で笑ってるの?」
「いや……お前、すげぇ必死だなって…」

そんなに抱きしめて欲しいのか?とストレートに尋ねて来る岩泉に、流石の静香も動揺する。
英単帳で口元を隠して、クスクスと笑っている岩泉をなんとか睨んでみるも、静香の頭に浮かんだのは「ああ、かっこいいなぁ」という感想なので収集がつかない。

誤摩化すように「次の問題は?」と岩泉に出題を急かすと、岩泉は楽しそうに最後の問題を口にした。
最後に出題された問題は、案外簡単なものだった。
さらりと覚えた意味を答えた後で、静香も首を傾げるくらいである。

「なんだか、最後の問題だけ易しいね」
「そうか?俺この単語の意味日本語で言われてもわかんねーわ」

結局これどういう意味?と日本語の意味を聞かれたものだから、静香は若干笑いながら簡単な日本語で岩泉に英単語の意味を説明する。
それを聞いて「へぇ」と反応を示した岩泉だが、恐らく良く分かっていないだろう。


何はともあれ、岩泉による英単語テスト10問連続正解を成し遂げることができた。
静香が機嫌良く立ち上がると、岩泉はベッドに座ったままの状態で静香を見上げる。

フローリングに立ったまま、緩く両手を広げて岩泉からの抱擁を待つ静香を見て、岩泉は可笑しそうに笑った。

可愛い奴、とボソリと呟いて岩泉もベッドから腰を上げる。
そしてゆったりとした動作で静香の前に移動し、静香を優しく岩泉の元に引き寄せた。
ボスリと岩泉の鎖骨辺りに顔を埋めて、温かな体温を感じながら岩泉の背中に腕を回す。
すり、と岩泉の首元に頬を寄せると、岩泉が穏やかに耳元で囁いた。

「なんか、犬みたいだなお前」
「…犬?」
「そうそう。ずっと待てをされてて、今やっとエサ貰った子犬」
「……じゃあエサは岩泉だね」
「はは、それもそうだな」

クスクスと笑い合い、そのまま岩泉の部屋の中央辺りで抱き合ったまま、二人で体温を分かち合う。
岩泉の硬い筋肉に覆われた背中に添えた手を、その硬さを確かめるようにするりと滑らせる。
自分とは全く体の作りが違う男の体というものを、静香は岩泉しか知らない。
ああでも、なんて落ち着くのだろう。

はぁ、と静香が安堵したように息をつくと、不意に背中に回っていた岩泉の腕が腰まで移動した。
それを特に疑問に思わなかった静香は、自身の頭に頬を寄せている岩泉の目がギラついたことに気づかなかった。

「静香」
「…何?」
「俺も、お前に問題出したんだから、何かご褒美をくれよ」
「ご褒美かぁ……」

家庭教師代のようなものだろうか。
そんな呑気な事を考えて、静香の脳裏に浮かんだのはカバンの中に入っている飴だった。
あれじゃお礼にならないな…などと考えながら、この状況で岩泉がそんな事を口にした事を疑問に思った。

もしかして、キスしたいとか、そういうものだろうか。
やや頬を染めた静香は、昼下がりのお花畑のイメージを脳内で遊ばせながら「何が良い?」と岩泉に尋ねた。

しかし岩泉の口から出た言葉は、静香のふわふわしたお花畑を一瞬で塗り変えた。


「お前に触りたい」

一瞬、何を言われたのか理解出来なかった。
触りたいって、もう抱きしめ合ってるんだから触ってるじゃん、などと言う軽口など叩けなかったのは、耳元で囁かれた岩泉の声色が明らかに変わったからだった。
抱きしめる力がぐっと強くなり、まるで逃がさないと雄弁に語る抱擁に、静香はみるみる紅潮していく。

触りたい。触りたいって、どういう意味で?などと自問自答するも、答えなんてはじめから出ているようなものだった。

「…駄目か?」

落ち着いた声色の中に、切なさを含んだ言葉に、静香はごくりと息を飲んだ。
これまでの人生の中で、トップレベルで顔も体も熱い。
先程、静香が岩泉にハグをしてとお願いした時と同じセリフを口にする岩泉に、「ああ、ずるいなぁ」と心の中でぼやく。
そんなの、断れるわけがないじゃないか。

は、と熱い息を吐いて、赤くなった顔を隠すように岩泉の肩に顔を埋めた後、背伸びをして岩泉の耳元に口を寄せる。

「いいよ」

仄かな熱を乗せた、吐息のような返事は岩泉に届いただろう。
短く芯の通った岩泉の髪から覗く耳は赤い。きっと、静香もそうなのだろう。

目を閉じ、静香は体を岩泉に委ねた。
それを合図に、まるで差し出すかのように力の抜かれた静香の体を這うように、岩泉の手が滑る。
腰から背中を撫で、制服の下にある下着の線をなぞり、そして再び腰まで大きな手が移動する。
腰から移動した手は、スカートの上から太腿を伝い、そしてスカートから覗く素足に到達する。
足に触れる岩泉の手の感触にゴクリと息を飲んだ静香だったが、首筋を這う生暖かい感触を感じ取った瞬間、意識を全てそちらに持って行かれた。

「い…わいずみ」

自身の首に顔を埋める岩泉に縋るように、静香は目の前の男の首に腕を回す。
くすぐったい、というのが正直な感想ではあったが、雰囲気に飲まれてしまい妙な気分になってしまう。
足の力がだんだんと抜けていき、岩泉の腕の中でふらつくと、それを察した岩泉は、静香を抱えたままゆっくりと移動していく。

トン、と岩泉の部屋のドアに背中を押しやられた静香は、ドアを体の支えにしてなんとか立った姿勢を維持する。
首筋に唇を這わせている岩泉の手は、再び太腿を滑って上昇し、静香の脇腹を通過し、服をゆるく押し上げている膨らみに到達する。
ぎゅ、と感触を確かめるように柔く揉まれ、静香は思わず目を閉じる。
胸を触られるのってこんな感じなんだ、と見当違いの事を考えながら、静香は思わずくすくすと笑った。


「…岩泉も、犬みたい」
「……そうだな」

やや沈黙があったが、静香の発言に岩泉もクスリと笑う。

「俺の方は、我慢がきかねーみたいだけど」

そう呟いて、静香の胸元に顔を埋めた岩泉の頭を、静香がぎゅっと掻き抱いた時だった。


「ただいまー!」

1階の玄関辺りから、元気な女の人の声が響いた。
これには流石の岩泉も動きを止め、静香のスカートをやや捲り上げていた手も同時に静止する。
静香も静香で、岩泉の頭を抱えたまま無言で壁越しに声のした方に視線を向ける。

「はじめー。もしかして、静香ちゃん来てるー?」

恐らく玄関に並ぶローファーを見たのだろう。
リビングに明かりがついていないから、岩泉の部屋に二人がいると判断した岩泉母は、1階の階段あたりからそう呼びかける。

ぐ…と呻いた岩泉は、静香をドアに押し付けたままため息をついた。
静香もここでやっと、今日岩泉の家にやって来た当初の目的を思い出した。

「はじめー?」
「…あぁ、今から降りる!」

静香を自身に引き寄せドアを少し開けてから、岩泉は自棄気味に声を張り、母親に返事をする。
くそ…と言いたげな顔をする岩泉と目を合わせること数秒、お互いにさっきまで何をやっていたのか思い出し、ボッと茹だったように顔を染める。

「わ、悪い…」
「い、いや…うん…」
「………」
「………」

気恥ずかしい空気が二人を包み込む中、1階のリビング辺りで聞こえる岩泉母がの足音が部屋に伝わる。
岩泉の部屋の中の沈黙に耐えきれず、「降りる…?」と提案した静香に、岩泉もこくりと頷く。

二人してぎこちなく階段を下り、静香は持参した旅先のお土産を岩泉母に手渡す。
「まぁ、ありがとう!」と喜んでくれた岩泉母にホッとしたのもつかの間、「なんだか静香ちゃん赤いけど、熱あるんじゃない?」と心配され、岩泉も静香もガチリと固まった。


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