11話

皆さんが荷物を片付けているだろうあいだに、私は自室に戻りノートを出すと、一枚ずつちぎり、その一枚一枚に彼らの名前を書いていった。

彼らのものが混ざらない用にするためだ

名前を書き間違わないように丁寧に書くと、それを買ってきた折り畳み式のカラーボックスに貼るのだ。

次は折り畳み式のカラーボックスを組み立てねば


『…ふう』


しばらくひとりで作業していると、疲れてきた


その時、こんこんとノックがした


『はい、どうぞ』


扉を開けて入ってきたのは、なんと…


「邪魔するぜ」


『…左馬刻様』


思わず口に出ていた


「…なんだ、それを組み立ててんのか」


『…あ、はい』


なぜ、どうして、なんていう思考の海からなんとか思考回路をひきもどし、左馬刻様に答える。


「…貸せ」


『え…?』


流石は左馬刻様。


私が組み立てるのに苦労していたカラーボックスをあっという間に組み立ててしまった


『…すごい』


「…ふん、こんぐらいできなくてどうする」


『すみません…』


「謝るな」


何故かわしゃわしゃと頭を撫でられた


『…あ、そういえば何か用事があって来たのでは?』


「ん?…あぁ、銃兎のヤローがお前を呼んでこいってうるせえからよぉ…」


『すみません、お手数お掛けして…』


「だから謝んなって」


『すみま…あ』


「お前はあのリーマンか」


『私は独歩じゃないです…』


なんてやり取りをしながらリビングに戻った












ガチャ…


「おい、連れてきたぞ」


「おや、ご苦労様です。すみませんね、ご足労させてしまって」


『あ、いえ…』


部屋の中を見渡すと、全員荷物を片付け終ったようである


『皆さん荷物を片付け終ったみたいですね。じゃあ、私の部屋にあるカラーボックスをここに持ってくるので、それにしまってください』


と言って踵を返そうとすると、え、という皆さんの声が聞こえた


『?どうかしましたか?』


「…まさか、貴女が運ぶんじゃありませんよね?」


『え、ダメですか?』


そういうと、全員驚いた顔になった


「ダメじゃないですけど…重いですよ?」


『だって空ですよ?』


「…はぁ。空でもその物自体の重さはあるでしょう。私達が運びます。帝統、乱数、手伝いなさい」


「おう、わかった」


「はいはーい!頑張っちゃうよーん!」


『え!?』


オロオロする私を横目に、夢野先生は、いきますよ、と笑った







男女の差

(あんまり目の前にすることってないんですよね…)