ライブラでは非戦闘要員のナマエが、人手不足で久々に戦場に来たわけだが、俺が目を離したその一瞬を狙われてコイツは人質にされた。もちろん雑魚が人質を取ろうと雑魚には変わりねーから、ブチ切れた俺が綺麗にハーフアンドハーフにしてやった。
後処理も終わってあとは無事にコイツのことを事務所に送り返すだけ、ただそれだけだったはずなのにどうしてだ?どうしてコイツは今にも泣きそうな顔でナイフを腹に立ててるっていうんだ?
「お願いだから離して、ほっといてよ」
「バカ言ってねーでそっちこそ離せって」
腕を伝って床に滑り落ちた自分の血を見て、あ、俺今全然血法使えてねーわ、と思った。掌に確かに感じる痛みは、未だ継続的に痛みを伝えていて、多分それはコイツの腹もきっと同じで。お互い一歩も譲らないからどんどん手に食い込んでいく刃先に、焦りを通り越して恐怖を覚えた。
「死んで何が生まれるって言うんだよ」
「生み出すことが全てじゃないでしょ!私はもうこんなこと繰り返したくないの。だからもうほっといて」
こんなこと、とはつまり現状のことを指しているのだろう。元々戦闘要員じゃないナマエが、サポート役として戦場に出てきた。にも関わらず結果は足を引っ張っただけだ。(俺はそんなこと思ってねーけどな!コイツが思ってそーなことを言ってるだけだ!察しろ!)
でもだからって、死んでどーなるっていうんだ。
「お前が死んだぐれぇで変わるHLじゃねーって、解ってンだろ」
「それ、は、」
カラン、と音を立てて手から床へと滑り落ちた。ぽすんと俺の胸元に寄りかかったコイツに、どうしたら笑顔で明日を見せてやれたのだろうか。
「俺、は、テメェが居てくれるだけで、明日を生きていけるんだぞ」
もっと単純になれよ。そんでここまで、同じ所まで落ちて来い、ナマエ。