※ザップさんがここ最近変な夢を見るそうです。

白い光のまぶしさに俺は思わず目を細めた。光だと思っていたそれは俺の好いている女で、何故か見慣れない服を着ている。少しずつ目が光に慣れていくとその服がただの服ではなくウェディングドレスだと気づく。ようく見れば俺も普段の服と雰囲気は違わねぇ真っ白なタキシードに身を包んでいて、場所は教会のようだった。神父みてえな格好のレオが「永遠の愛を誓えますか?」と愚問を問う。俺が迷いなく「たりめーだろ」と言えば、予想に反してナマエは泣き出した。

『何で泣くんだよ。』
『だってザップ、嘘をつくんだもの。』
『嘘?』
『だって、貴方は私以外にも大切なものがありすぎるもの』

そうナマエが告げた瞬間、彼女の姿は跡形もなく塵となって風に乗って消えていった。見渡せばいつのまにかレオの姿も、教会も何もなかった。振り返れば、先ほど見渡した時には居なかった女共が、金のシャワーにまみれてこっちよザップ、と呼んでいた。きっと昔の俺だったら疑問一つ抱えずに走り出していただろう。―――いつの間にか服装はいつものジャケットに戻っていて、手にはジッポが握られていた。オウ、こんな明晰夢もう止めにしよーぜ。俺は自分の血を首輪のように巻き付けて、そっと、火をつけて――――――。





「っは、っ………またこの夢かよ」

頬を伝う汗を手のひらでぐい、と拭い去る。なんて夢見の悪い日なんだ。ナマエのヤローと付き合いはじめてからしばしば見る夢だ。かつての欲から自ら去るまで夢は終わらない。彼女を泣かせたい訳じゃない。けれど、今までの生き方をそう簡単に変える事も難しい。それでも、少しずつ変わって来ていた。若干のセフレの関係が残っていても、ナマエ以外の女に好きだとは一度も言ってない。ギャンブルも止めた。(その分少しだけ喫煙量は増えた。)

「……チッ、あのアマ。」

これ以上、あと何をお前にやれば受け入れてくれたんだ?あの日のプロポーズを思い出してわずかに頬があつくなる。いくら考えても、クズの俺にはさっぱり答えが分からなかった。あーあー。

こたえをほしがる夜

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