早朝からザップさんに叩き起こされ連れてこられたのは病院。昨日の戦いで倒れたナマエさんの病室前で彼女の診察が終わるのを待つらしい。直接話したことはないけれど、クラウスさんいわく僕に似ていて、ザップさんいわく最低な口悪クソガキだそうだ。ザップさんの科白を聞いてクラウスさんが苦笑していたから、あながち外れた表現ではなかったのだと思う。
 一体彼女はどんなひとなんだろう。診察を終えて部屋に迎え入れてくれたのは、なんとも愛らしい容姿の人で、一瞬ミシェーラが脳裏を過った。

「レオナルド・ウォッチです。よろしくお願いします!」
「レオくんよろしく!兄さんから同い年って聞いてるから呼び捨てでいいよ」
「あ、うん。わかったよナマエ」

 ここ平均年齢高いんだよねというかザップは何なの?そのニヤニヤ顔は喧嘩売ってんの?しにたいの?とワンブレスで言い切った彼女は、話によるとクラウスさんの義妹さんらしい。幼い頃にクラウスさんに引き取られたのだそうだ。

「陰毛頭は俺の下僕だから手ェ出すなよ」
「いやザップは私の下僕だから結果的に二人とも私の下僕だろ舐めてんのか」

 あれさっきと口調も雰囲気も全然違うような……先程の礼儀正しく爽やかな笑顔が一気にドス黒くなったのは多分気のせいじゃない。
 どうやらナマエさんはザップさんにだけは手厳しいらしい。チェインさんも厳しいけど、それとはまた少し毛色の違う手厳しさだ。具体的にそれが何かと聞かれると困ってしまうのだが。

「大体何度も言うようだけど、別にザップに守られなくても私しなないから!戦えるから私!」
「バーカこないだも能力使って倒れたのはどこの誰だよ」
「それはお前が血を使い過ぎなんだよ万年発情猿!!」

 毛色の違いは説明出来ないけど、これだけは僕もソニックも理解した。こいつら相思相愛すぎる。

(お互い素直に下僕じゃなくてただ守りたいって言えばいいのに……)

あれが愛と云うんだって、

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