すい、すい、とスクロールした画面は次々にガラパゴスケータイの画面を直撮りした写真を流してゆく。別機種の携帯電話が幾つか映り込んでいるが、目的はあくまで写真に映る携帯電話たちの画面に映るものである。データ移行が叶わなかった苦肉の策ではあるが、多少の見辛さこそあれど見返せるなら十二分だと思っていた。
画面の中では白髪を揺らして楽しげに笑う彼の姿と、時折隣には同じく長身の黒髪が一緒にはしゃいでいた。懐かしさに目を細めた刹那、呪力の揺れを感じてスマホ画面から視線を上げた。どうやら生徒たちが"釣り"に成功したらしい。
「さて、と。今日も働きますかね。」
スマホをウエストポーチに仕舞って、軽やかな足取りで音のする方へと向かう。着いた頃には片がついてるだろうか。私はふと過った記憶に引き戻されるように「あの日」を思い出していった。
『私は私に出来ることをやるよ』
『俺の分も見届けてくれる?』
『お前は……ナマエだけは生きて。もう旧友の解剖なんてまっぴらごめんだ』
『姫彼岸の血筋、なんてくだらん術式だ』
ああ、あの日の空は何色だっただろうか。