「出水くんも柚宇さんもごめんなさい、時間作ってもらって」
『私は構わんよ〜?話に聞いてる新作、見てみたいし?』
「おれもおれもー。でも試運転なら射手相手より攻撃手相手の方が良いんじゃねーの?」
「うーんとそれがですねぇ……」
来るガロプラとの戦闘に備えていること、そしてその詳細を、出来るだけ迅さんに知られたくなかったのがまずひとつ。そして迅さんのここ暫くの活動範囲から考えて未来視に映りにくいのが、出水くん相手であり、そして此処トレーニングルームでの試運転だった。
「知られたくないのは分かったけど、なんでおれ?」
「ガロプラ接近予測期間に解説やる人の方が、戦場に立つ私が未来に映らないでしょ?」
「あーそいや次の玉狛第二の試合、解説なんだよなー何やらかしてくれるか楽しみだわ」
最近三雲くんが師事を願い出たとは聞いていたけれど、やるべき事を見つけたと言い、今は中断しているらしい。唯我くんが拗ねる姿が浮かぶようで思わず苦笑が漏れ出た。
『君たちそろそろ始めんか〜?人目につくと良くないんじゃろ〜?』
「そうでした!そしたら出水くんは換装してもらって、私はちょっと準備するね」
『これまたおっきな荷物だねぇ』
「ふふ、雷蔵さんに感謝しないとです」
カバンから取り出したのは見た目は孤月やイーグレットそのままの武器の数々。本来ならトリガーを起動してからトリオンを消費して武器を発現させるが、これらは事前に少しずつ蓄えた私のトリオンを元に形取っている。トリオンの献血みたいなものだ。トリガー起動に於いて、イメージすることはとても重要だ。なのではじめはこの制作は難航すると思っていたが、雷蔵さんが元戦闘員だったことが幸いして、想像を遥かに超え生み出された成果が、このカバンの中身というわけだ。
「改めて生身を鍛えておいて良かったと思うよ」
「孤月重いもんなぁ……」
『太刀川さんが二刀流してるから忘れがちだけど、そうだよね重いよねぇ』
「流石の私もトリオン体の時片手持ちは出来ても二刀流はまだ無理です」
こればかりは身体の成長を待つしかないだろう。今の小柄な自分では、2本も振り回したら遠心力に負けてしまう。黒トリガーで生成したものならば別だけれど、界境防衛機関規格のものは無理だ。
「っしゃ、じゃあ始めっか!市街地で良いか?」
「うん。柚宇さん、お願いします!」
『はいはーい、任せたまえ〜』
身体全身を包み込むほどに大きなローブを頭まですっぽり被り、私は通称・擬似孤月を握りしめる。何が何でも戦場に立つ。その為にやれることは全部やると決めたんだ。一瞬で、けれどひとつひとつ丁寧に引かれた弾に向かって私は構えたそれを振り下ろした。
:
「……あ〜、マジかぁ」
「迅、どうした?うどん伸びるぞ?」
ニコニコと人好きのする顔でどんぶりの中を指差す嵐山から視えた未来。そこにはとんでもないものが映り込んでいて、流石の俺も思わず手で目を覆った。何してるんだよ。零れた言葉に嵐山が迅?と怪訝そうに名前を呼ぶ。
「ナマエが次の作戦、生身で参戦するわ」
「あっはっは!それは大変だな」
「嵐山お前なぁ……」
「"いつもの光景"は変わらずあるんだろう?なら何も心配要らないじゃないか」
真っ直ぐすぎる言葉にため息が出た。それはそうだけど、そういうことではない。彼女の笑う未来が変わらず視えてたとして、それがイコール戦場に立つことを是とすることにはならない。こればかりは私情だが、少しぐらいの文句は言わせてほしい。上層部もよく了承したものだ。許可をもらうのはこれからかもしれないが、今から根回ししたところで分岐点はとうに過ぎていることは自分がよく分かっていた。
「どーして大人しく出来ないのかねアイツは」
「それは高校に行かなかった時から分かってたことだろう」
「それもそうか。まあその時は守備よく頼むよ、嵐山」
「ああ、任された」
『私は構わんよ〜?話に聞いてる新作、見てみたいし?』
「おれもおれもー。でも試運転なら射手相手より攻撃手相手の方が良いんじゃねーの?」
「うーんとそれがですねぇ……」
来るガロプラとの戦闘に備えていること、そしてその詳細を、出来るだけ迅さんに知られたくなかったのがまずひとつ。そして迅さんのここ暫くの活動範囲から考えて未来視に映りにくいのが、出水くん相手であり、そして此処トレーニングルームでの試運転だった。
「知られたくないのは分かったけど、なんでおれ?」
「ガロプラ接近予測期間に解説やる人の方が、戦場に立つ私が未来に映らないでしょ?」
「あーそいや次の玉狛第二の試合、解説なんだよなー何やらかしてくれるか楽しみだわ」
最近三雲くんが師事を願い出たとは聞いていたけれど、やるべき事を見つけたと言い、今は中断しているらしい。唯我くんが拗ねる姿が浮かぶようで思わず苦笑が漏れ出た。
『君たちそろそろ始めんか〜?人目につくと良くないんじゃろ〜?』
「そうでした!そしたら出水くんは換装してもらって、私はちょっと準備するね」
『これまたおっきな荷物だねぇ』
「ふふ、雷蔵さんに感謝しないとです」
カバンから取り出したのは見た目は孤月やイーグレットそのままの武器の数々。本来ならトリガーを起動してからトリオンを消費して武器を発現させるが、これらは事前に少しずつ蓄えた私のトリオンを元に形取っている。トリオンの献血みたいなものだ。トリガー起動に於いて、イメージすることはとても重要だ。なのではじめはこの制作は難航すると思っていたが、雷蔵さんが元戦闘員だったことが幸いして、想像を遥かに超え生み出された成果が、このカバンの中身というわけだ。
「改めて生身を鍛えておいて良かったと思うよ」
「孤月重いもんなぁ……」
『太刀川さんが二刀流してるから忘れがちだけど、そうだよね重いよねぇ』
「流石の私もトリオン体の時片手持ちは出来ても二刀流はまだ無理です」
こればかりは身体の成長を待つしかないだろう。今の小柄な自分では、2本も振り回したら遠心力に負けてしまう。黒トリガーで生成したものならば別だけれど、界境防衛機関規格のものは無理だ。
「っしゃ、じゃあ始めっか!市街地で良いか?」
「うん。柚宇さん、お願いします!」
『はいはーい、任せたまえ〜』
身体全身を包み込むほどに大きなローブを頭まですっぽり被り、私は通称・擬似孤月を握りしめる。何が何でも戦場に立つ。その為にやれることは全部やると決めたんだ。一瞬で、けれどひとつひとつ丁寧に引かれた弾に向かって私は構えたそれを振り下ろした。
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「……あ〜、マジかぁ」
「迅、どうした?うどん伸びるぞ?」
ニコニコと人好きのする顔でどんぶりの中を指差す嵐山から視えた未来。そこにはとんでもないものが映り込んでいて、流石の俺も思わず手で目を覆った。何してるんだよ。零れた言葉に嵐山が迅?と怪訝そうに名前を呼ぶ。
「ナマエが次の作戦、生身で参戦するわ」
「あっはっは!それは大変だな」
「嵐山お前なぁ……」
「"いつもの光景"は変わらずあるんだろう?なら何も心配要らないじゃないか」
真っ直ぐすぎる言葉にため息が出た。それはそうだけど、そういうことではない。彼女の笑う未来が変わらず視えてたとして、それがイコール戦場に立つことを是とすることにはならない。こればかりは私情だが、少しぐらいの文句は言わせてほしい。上層部もよく了承したものだ。許可をもらうのはこれからかもしれないが、今から根回ししたところで分岐点はとうに過ぎていることは自分がよく分かっていた。
「どーして大人しく出来ないのかねアイツは」
「それは高校に行かなかった時から分かってたことだろう」
「それもそうか。まあその時は守備よく頼むよ、嵐山」
「ああ、任された」