引くほど通じない


「ねぇ田中」


「お?なんだ?」


「飛雄ちゃんって日本代表に近いんだよね?」


「…まぁそうだな。代表候補までは行ってるから近いな。」


「もしね?飛雄ちゃんが日本代表になったらさ、私世界の影山飛雄の尻触ったことあるぜ!!って自慢出来るってこと?」


「絶対にやめろ??しかも触った事ねぇだろ、盛るなよ」


「卒業するまでには触る予定だから。……何したら触らせてくれるかな?」


「なんで諦めねぇかなこいつ」





「飛雄ちゃん!!」


「!!」


「うぎゃああ!?」


いつもの如く木登りのように背後から飛びつこうとしたら、私の声を聞いた飛雄ちゃんが瞬時に正面を向き、真っ向から抱きしめてきた、し、しぬ。顔が良くてしぬ。


「ぎゃっちょ、離して飛雄ちゃん!!!」


「これに懲りたら飛びつくの辞めますか?」


「辞めません!!」


「……。」


「うわ!こっち、見るなぁあああ!!」


「……苗字さん」


「なにいいいい!!!」


「約束してください」


「なにをおおおお!?!?」


まず離してくれないかな!?恥ずかし過ぎて顔が木っ端微塵になりそう


「苗字さんが卒業するまでに、俺に慣れるって」


「いや無理ゲええええええ!!!」


「努力しましょう、まだあと1年以上あるから」


「ちょ、まずは降ろせやボケえええ!!!」


力任せに飛雄ちゃんを振り切り、床に着地した


なんなんだ飛雄ちゃん、びっくりするぐらい話聞かないじゃん??


「…ぜぇ、ぜぇ…どしたの?そんな約束したいなんて」


「……言いません」


「は!?なんじゃそれ!!そもそも卒業したら飛雄ちゃんと関わる機会なんて全然無いでしょ」


「わからないじゃないっすか」


「えぇ!?私そんな日本代表と関わる職業に就く予定じゃないんだけど…?」


「それでも、関わるかもしれないですよ」


「??バレー部のメンツでは卒業しても会いたいけど、…そういう事?」


「……とにかく、慣れてください」


いや急に理不尽じゃん


「ど、努力はする。でも無理な時は無理よ?」


「はい、それでいいです」


それだけ言うと翔陽の元へと行ってしまった飛雄ちゃん


なんなんだ、……はっ、もしや田中との会話を聞かれた…?


日本代表になってから、尻を触らせてくれるという事か…!?


はーーいい男だなまじ影山飛雄。


無理だとは思うが、頑張ってみよう。彼の素敵なフォルムのおしりは是非触らせて頂きたい。


…いや待てよ、そこまでに彼女出来てたら駄目じゃん触れないじゃん


??そもそも飛雄ちゃんって恋愛感情あるのかな?バレー以外に好きの対象あるのかな

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