人生ツムツム


夜が明け、飛雄ちゃんと手を繋いで練習所へ向かう


「お、おはようさん。朝から仲良しやなぁ」


「おはよう!ツムツム!人生ツムツム!!」


「おん、それは笑えんぞ?人生詰んどったら笑えんぞ?朝から煽っとんのか?お?」


「おはようございます、侑さん」


「おはよう、飛雄くん。彼女頭おかしくない?大丈夫?」


「元からです」


「元からて!!!」


「やんのかゴルァ!?!?」


「出会った時にはっ既にっ手遅れでしたね」


「その苗字の迷いのない拳を避けられないと彼氏なんてやっとれんなぁ……大変やなぁ飛雄くん」


「それでも好きなんで」


「ズギュン!!!」


「急に惚気!!!……確かに仲良いよなぁ、いつも一緒に来る時手繋いどるし」


「あぁ、これは仲いいって言うか。大体常に腹減ってる名前さんが飲食店を襲わないようにする対策っすね」


「!?初耳だけど!?」


そんな襲ったりしないよ!!基本自分で食糧持ってるし!!


「ヒーーーっ!!!腹痛いわ!!」


「まずはツムツム、お前からだ。その後飛雄ちゃんもボコボコにする」


「やれるもんならやってみ??まずはその飛雄くんの手を離さないと始まらんけどなぁ?」


「飛雄ちゃん、離して?ツムツムボコるから」


「うす」


ぱっと飛雄ちゃんはあっさり手を離した


「いやなんで!?!?」


「歯ァ食いしばれ?」


ぐわっと飛び上がった所で、


「朝から騒がしいな、お前たちは」


「牛島さん、おはようございます」


「おはざっす!!騒がしい元凶は大体こいつです」


「おはざっす!!!牛島さん!!」


「今日の分だ」


「ありがとうございます!!」


今日もお菓子をくれた。やったぁ!!


今日はチョコレート!これも美味しくて有名なやつだ、流石バレーボール選手、お金持ち!!


「いつもすいません、名前さんに菓子用意してもらって」


「いやいい、俺がやりたくてやってるんだ」


「(餌付けをやりたいってこの人も変わってんなぁ……)」


「そう言えば苗字、昨日言い忘れてたが」


「??ひゃんでひゅ?」


「名前さん、手洗いました?」


「ウエットティッシュで拭いた!」


「天童がまた会いたがってたぞ」


「なんと!じゃあまた行きますとお伝えください!!……あ、でも天童さんのチョコレートの試食はちょっと……その、庶民舌過ぎて違いがわからないんでうめぇ!!しか言えないので遠慮したいんですけど……」


「それはわかってるらしい。何回食べさせてもうまいしか言わないから笑いすぎて腹痛かったと言ってたぞ。」


「申し訳ねぇっ!!」


「普通に遊びに来て欲しいらしい。道がわからなければ俺も行こう。」


「いいんですか!?またお願いします!」


「ちょっと飛雄くん、ええの?違う男と出かけたり会いに行く約束目の前でしとるけど」


「あぁ、牛島さんは特別枠なんで」


「特別枠!?なんやそれ!?」


「まるで小せぇ子供と接してるみたいに名前さんと話すんで。牛島さん本人に確認しても恋愛感情自体が存在しないらしいんで、いいっす」


「なるほどなぁ……それにしても、自分は庶民舌だってよぉ自分で言えるなぁ?俺やったら庶民舌だから違いもわからんだろうしショコラティエのチョコレート食べんでええって言われたらショックやなー」


「??ツムツムだってわかんないでしょ?」


「ほんと今日もしっかり腹立つな?お前」


「そっくりそのまま返すけど??」


「辞めてください、喧嘩して侑さんの腕もいだらどうするんですか」


「ごめんって謝る」


「そうですね、ちゃんと謝りましょう」


「???え?ツッコミ不在過ぎんか??お前ら高校生の時誰も突っ込まなかったん??」


「ツッキーがかろうじて?」


「あのメガネくんか……可哀想に、こんな頭おかしいカップルに付き合わされて」


「しょうがないな、ツムツムの商売道具である片腕1本で手を打とう」


「何の話!?」


「散々侮辱しておいて無傷で帰すとでも???ツムツムゥ!!覚悟ぉおおお!!!!」


びょーんと私はツムツムに飛びかかった

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