似てる

｢おす！！翔陽！！｣


｢おはざっす！苗字さん！｣


｢朝から外が騒がしかったんですけど、苗字さんがいたからっすか？｣


｢ん？かな？私はさっき飛雄セコムとして排除対象に制裁を加えてきた所だよ？｣


｢侑さぁああん！？！？ち、ちなみに何を…？｣


｢バックドロップ。流石に練習に支障きたすと皆さんに申し訳ないから手加減して頭かち割るのはやめといた｣


｢…よく持ち上げられましたね｣


｢ほんとやで翔陽くん！！｣


｢あ！侑さん！元気そうで良かった！｣


｢良くないで！？マジで痛かったわぁ……こんな小人な癖して俺持ち上げるってどんなパワーゴリラなん？｣


｢次は一撃で仕留める｣


｢ちょぉっ！？と、飛雄くん！？ちゃんと子守りしといてや！？｣


｢怒らせる侑さんが悪いんじゃないっすか……それに子守りって言っても油断したらこっちがやられるんで、結構大変なんすよ｣


｢飛雄くん、本当に彼女可愛いって思っとる？？実はゴリラだって思っとらん？？｣


｢………ゴリラな部分もあるし、可愛い部分もあります｣


｢流石飛雄ちゃん！！好き！！｣


｢俺もです｣


｢え？苗字はそれでええの？ゴリラを認められてそれでええのか……？俺がおかしいん？｣


｢侑さん、苗字さんを常識的に考えてる時点で負けてます｣


｢翔陽くん、君も仮にも高校の先輩に向かって中々やな？？｣


｢色々、見てきたんで……月島ほどじゃ無いですよ、俺なんて｣


｢翔陽くん？？？大丈夫？？？どんなトラウマ植え付けられたん？あいつに｣


｢月島は部活に顔出した瞬間に飛びつかれて、半分以上言ってることがわからなくて、挙句の果てにパワー強いから何度も命の危機を感じたって言ってました………｣


｢今メガネくんちゃんと生きとる？｣


｢生きてますよ！？でも月島、それだけ怒らせたら面倒だってわかってるのに煽るのは辞めなかったんですよね……職人でした｣


｢いやそれ職人ちゃうで翔陽くん、ただの命知らずって言うんやで｣


｢命知らずはおめぇだろツムツム｣


｢あれさっきまで飛雄くんとイチャコラしとったのになんで戻ってきてん｣


｢トイレ行っちゃったからその間だけツムツム構ったろうかなと｣


｢別に構わんでええんやけど？？この面倒事の塊が｣


｢んだとゴルァ！？この万年滑り人でなし芸人！！！｣


｢ひどぉ！？酷すぎん！？何その罵詈雑言、どこでそんな言葉覚えてきた！？｣


｢サムサム｣


｢サムぅううううう！？次会ったらどつき回す……｣


｢サムサムと同じ顔してる癖になんでこんなツムツムはムカつくの？｣


｢お前は俺を腹立たせるプロやな｣


｢やんのか？？お？？やんのか？？｣


｢やりませんよ、あんまり侑さんといちゃつかないで下さい｣


｢イチャついてないよ？誰がこんなエセ関西弁と。｣


｢エセじゃないわボケェエエ！！正真正銘本家本元の関西弁や！！馬鹿にしとんのか！｣


｢……？バカにしてる以外無くない？｣


｢無いっすね。｣


｢嘘や、撤回する。カップルで俺を腹立たせるプロや、天才や。｣


｢侑さん……！そんなに腹立つなら会話するのを辞めたらどうですか…｣


｢あかん、それは負けた気がするからあかんねん。｣


｢(なんだかんだ似てるんだよなぁ…苗字さんと侑さん)｣

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