殴った東京殴られた宮城
「ツムツッムツムツッムぼくたーちはー」
「ずっとーツムツッム、人生ツムツッム」
「ツムッツムッツムッツムッツムッツムッ」
「人生詰んだー🎶」
「とりあえず聞くけど、それなんの歌なん?」
「宮侑の歌」
「いやそこは本名なんかい!!って違うわ!!なんやそのふざけた歌は!?張り倒すぞ?」
「っハーン?張り倒せるものなら張り倒してみなよツムツム。私を張り倒したら飛雄ちゃんが黙ってないんだからね」
「そうっすよ、名前さん傷つけられて黙ってられないっすよ俺」
「えぇ……流石に飛雄くんと殴り合うのは嫌やわぁ…」
「いや、やり返すのは名前さんっすけど」
「お前かい!!」
「ツムツム!!飛雄ちゃんの仇ぃ!!覚悟ぉおおお!!」
「いやなんで!?俺何もしとらんし、むしろ名誉毀損受けたんやけ………ぎゃああああ!!?」
◇
「あ、翔陽!休憩そろそろ終わり?」
「はい!そうなんですけど……侑さん知らないですか?まだコートに戻ってきてなくて」
「今頃医務室でくたばってるよ」
「侑さぁあああん!?!?一体何が……とりあえず医務室行ってみます!!」
「いってらっしゃーい!」
「よーぉチビちゃん」
「木兎さん!……ちょ、重い!!」
デカくてゴツイくせして私に寄りかかってくる木兎さん。
重いんだよ!!こちとら小人だぞ!!舐めんなよ!!?
「まーた医務室送りしたのか?」
「はい、腹立ったんで。ボコボコにしました。」
「はっはっは!!相変わらずやんちゃしてんなぁ、保護者はどうしたんだ?」
「飛雄ちゃん?もうコート戻ったんじゃないですか?」
「野放しにして大丈夫かよ、こいつ」
苦笑いしながら言う木兎さん。私も大概だけど、あなたも中々ですよね!?
「俺はそろそろコート戻るぞ、チビちゃんも見学に戻ったらどうだ?」
「はい、もう始まりそうなんで戻ります!」
◇
割とピンピンしているツムツムも戻ってきて、練習は再開された。
コートに戻ってきた瞬間こちらを睨みつけてきたツムツム。しかしこちらは2階にいるのだ、痛くも痒くも無いね!!
睨まれた代わりにあっかんべーしておいた。額に青筋が浮かんでいたのはたぶん幻覚じゃない。
◇
日が落ちてきて、すっかり夕方になってしまった
そろそろ宮城へ帰らないといけない。明日からは私も仕事だ。
しかしながら練習は夜までやるので、休憩中の飛雄ちゃんに声をかける
「飛雄ちゃん!」
「?……あ、…時間っすか」
「うん、もうそろそろ帰るよ」
「おー、はよ珍獣の森へ帰れー」
「っ……名前さん、抑えてっ……っ」
「離せ飛雄ちゃん、あいつぶん殴らねぇと帰れない」
「侑さん、一応怪我人ですよ」
「大丈夫、傷の上書き保存してくるだけだから!!」
「何が大丈夫なん?苗字こそずっと頭怪我しとるよな、頭の病院行った方がええよ」
「ツムツムぅうううう!!!!」
「あ」
「ちょ!!飛雄く、いでででででて!!」
◇
「飛雄ちゃん、そろそろ帰るね!」
「清々しい笑顔っすね」
「その代わりに侑さんは屍となりましたけどね……」
「侑さんは自業自得だ」
「今回も楽しかったー!!また来るね!」
「はい、待ってます」
ぎゅううっと飛雄ちゃんに抱きしめてもらう
いつも通りの飛雄ちゃんの匂いに落ち着いて離れがたくもなるが、ぱっと離れてばいばいする
「またね!!」
「はい、……また今度」
「苗字さん!また会いましょー!」
おーう!!と返事をして、私は練習所を後にした。
◇
「研磨ぁああああ!!!」
「うるさいよ」
「帰りもありがとねぇ、駅までの行き方わからなかったから助かる!」
「だろうと思った……」
「東京は道が多すぎるしごちゃごちゃし過ぎて訳分からんもん」
「慣れてないだけじゃない?」
「かなぁ?あと1000回くらい来たら慣れるかな?」
「………そうだね」
「研磨?ビックリするぐらい目が合わないんだけど、どうした?」
「なんでもないよ…はい、着いた」
「ほんとだ!?いつの間に!!」
「(歩いてる時に周りの景色全く見てないから、覚えられないのも納得なんだよなぁ)」
「ありがとね!!お礼はまた今度するよ!」
「うん、宮城に行く日決めたら連絡する」
「おうよ!!じゃあね!」
「うん、またね苗字。」
◇
「って感じでね、今回の東京も楽しかったよ!」
「とりあえず、宮侑は生きてんのか?」
「殺してはないよ!?殺人犯になりたくないし……」
「いや殺人犯の前にお前は暴行罪で捕まるぞ」
「そこは……まぁ……か弱い小人のフリをすればなんとか」
「パワーゴリラが何言ってるんですか」
「んだとゴルァアアア!?!?」
ツッキーに掴みかかる、お前のメガネは今日が命日だ!!!
「月島……なんでお前苗字がキレるって分かってて煽るんだよ…」
「っこの人っちゃんとっ煽られてっくれるんで」
「それに月島は大抵の苗字の攻撃は避けられるもんなぁ、高校生の時に得た経験で」
「スガさん、それも元を辿れば殴り掛かるあいつがおかしいんすよ」
「田中ぁ……?」
「あ、もう何人か殺してる目だわそれ」
「んだとぉおお!!?」
「いいなぁ月島、俺も苗字からの攻撃避けられるようになりてぇなー!」
「……なんのメリットも無いですけど?」
「いいじゃん!なんかかっこよくて!!苗字!俺に殴りかかってくれよ!!」
「!?嫌ですよ!」
「え、なんで?」
スガさんは私が知り得る人物の中で群を抜いたあたおか(頭おかしい)人物だ。要注意人物。
そんな人に殴りかかったら何が起こるかわからない……!
「なんでダメなんだ?俺にもわかるように教えてくれよー」
「え、えっと、スガさんはあたおかなんで駄目です!」
「お前馬鹿かよ」
「苗字さん終了のお知らせ」
ぎゃあああああああ!!!!
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