殴った東京殴られた宮城


「ツムツッムツムツッムぼくたーちはー」


「ずっとーツムツッム、人生ツムツッム」


「ツムッツムッツムッツムッツムッツムッ」


「人生詰んだー🎶」


「とりあえず聞くけど、それなんの歌なん?」


「宮侑の歌」


「いやそこは本名なんかい!!って違うわ!!なんやそのふざけた歌は!?張り倒すぞ?」


「っハーン?張り倒せるものなら張り倒してみなよツムツム。私を張り倒したら飛雄ちゃんが黙ってないんだからね」


「そうっすよ、名前さん傷つけられて黙ってられないっすよ俺」


「えぇ……流石に飛雄くんと殴り合うのは嫌やわぁ…」


「いや、やり返すのは名前さんっすけど」


「お前かい!!」


「ツムツム!!飛雄ちゃんの仇ぃ!!覚悟ぉおおお!!」


「いやなんで!?俺何もしとらんし、むしろ名誉毀損受けたんやけ………ぎゃああああ!!?」





「あ、翔陽!休憩そろそろ終わり?」


「はい!そうなんですけど……侑さん知らないですか?まだコートに戻ってきてなくて」


「今頃医務室でくたばってるよ」


「侑さぁあああん!?!?一体何が……とりあえず医務室行ってみます!!」


「いってらっしゃーい!」


「よーぉチビちゃん」


「木兎さん!……ちょ、重い!!」


デカくてゴツイくせして私に寄りかかってくる木兎さん。


重いんだよ!!こちとら小人だぞ!!舐めんなよ!!?


「まーた医務室送りしたのか?」


「はい、腹立ったんで。ボコボコにしました。」


「はっはっは!!相変わらずやんちゃしてんなぁ、保護者はどうしたんだ?」


「飛雄ちゃん?もうコート戻ったんじゃないですか?」


「野放しにして大丈夫かよ、こいつ」


苦笑いしながら言う木兎さん。私も大概だけど、あなたも中々ですよね!?


「俺はそろそろコート戻るぞ、チビちゃんも見学に戻ったらどうだ?」


「はい、もう始まりそうなんで戻ります!」





割とピンピンしているツムツムも戻ってきて、練習は再開された。


コートに戻ってきた瞬間こちらを睨みつけてきたツムツム。しかしこちらは2階にいるのだ、痛くも痒くも無いね!!


睨まれた代わりにあっかんべーしておいた。額に青筋が浮かんでいたのはたぶん幻覚じゃない。





日が落ちてきて、すっかり夕方になってしまった


そろそろ宮城へ帰らないといけない。明日からは私も仕事だ。


しかしながら練習は夜までやるので、休憩中の飛雄ちゃんに声をかける


「飛雄ちゃん!」


「?……あ、…時間っすか」


「うん、もうそろそろ帰るよ」


「おー、はよ珍獣の森へ帰れー」


「っ……名前さん、抑えてっ……っ」


「離せ飛雄ちゃん、あいつぶん殴らねぇと帰れない」


「侑さん、一応怪我人ですよ」


「大丈夫、傷の上書き保存してくるだけだから!!」


「何が大丈夫なん?苗字こそずっと頭怪我しとるよな、頭の病院行った方がええよ」


「ツムツムぅうううう!!!!」


「あ」


「ちょ!!飛雄く、いでででででて!!」




「飛雄ちゃん、そろそろ帰るね!」


「清々しい笑顔っすね」


「その代わりに侑さんは屍となりましたけどね……」


「侑さんは自業自得だ」


「今回も楽しかったー!!また来るね!」


「はい、待ってます」


ぎゅううっと飛雄ちゃんに抱きしめてもらう


いつも通りの飛雄ちゃんの匂いに落ち着いて離れがたくもなるが、ぱっと離れてばいばいする


「またね!!」


「はい、……また今度」


「苗字さん!また会いましょー!」


おーう!!と返事をして、私は練習所を後にした。





「研磨ぁああああ!!!」


「うるさいよ」


「帰りもありがとねぇ、駅までの行き方わからなかったから助かる!」


「だろうと思った……」


「東京は道が多すぎるしごちゃごちゃし過ぎて訳分からんもん」


「慣れてないだけじゃない?」


「かなぁ?あと1000回くらい来たら慣れるかな?」


「………そうだね」


「研磨?ビックリするぐらい目が合わないんだけど、どうした?」


「なんでもないよ…はい、着いた」


「ほんとだ!?いつの間に!!」


「(歩いてる時に周りの景色全く見てないから、覚えられないのも納得なんだよなぁ)」


「ありがとね!!お礼はまた今度するよ!」


「うん、宮城に行く日決めたら連絡する」


「おうよ!!じゃあね!」


「うん、またね苗字。」





「って感じでね、今回の東京も楽しかったよ!」


「とりあえず、宮侑は生きてんのか?」


「殺してはないよ!?殺人犯になりたくないし……」


「いや殺人犯の前にお前は暴行罪で捕まるぞ」


「そこは……まぁ……か弱い小人のフリをすればなんとか」


「パワーゴリラが何言ってるんですか」


「んだとゴルァアアア!?!?」


ツッキーに掴みかかる、お前のメガネは今日が命日だ!!!


「月島……なんでお前苗字がキレるって分かってて煽るんだよ…」


「っこの人っちゃんとっ煽られてっくれるんで」


「それに月島は大抵の苗字の攻撃は避けられるもんなぁ、高校生の時に得た経験で」


「スガさん、それも元を辿れば殴り掛かるあいつがおかしいんすよ」


「田中ぁ……?」


「あ、もう何人か殺してる目だわそれ」


「んだとぉおお!!?」


「いいなぁ月島、俺も苗字からの攻撃避けられるようになりてぇなー!」


「……なんのメリットも無いですけど?」


「いいじゃん!なんかかっこよくて!!苗字!俺に殴りかかってくれよ!!」


「!?嫌ですよ!」


「え、なんで?」


スガさんは私が知り得る人物の中で群を抜いたあたおか(頭おかしい)人物だ。要注意人物。


そんな人に殴りかかったら何が起こるかわからない……!


「なんでダメなんだ?俺にもわかるように教えてくれよー」


「え、えっと、スガさんはあたおかなんで駄目です!」


「お前馬鹿かよ」


「苗字さん終了のお知らせ」


ぎゃあああああああ!!!!

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