「えー、今日の授業は少し特別な事をする。」
と、特別……!?
2年生に進級し、相澤先生が放った言葉に皆と共に動揺する。
「今日の授業は、サポート科と合同でやります。」
…………へ?
◇
「今回の授業は、サポート科の生徒が誰か1人ヒーロー科の生徒を担当し、その生徒に見合うサポートアイテムを話し合いながら作る。と言うのが内容だ。」
「サポート科としては、ヒーロー側が求める機能を搭載しつつ見た目や使い勝手の良さなど、求められたレベルへ達するサポートアイテムを製作する。というのが目的。」
「ヒーロー科としては、プロになればコスチュームの変更なんてざらにあるし、修理や改良なんてもっとある。その度サポート会社の人間と相談し、テストし、作り上げる。それらのコミュニケーションに慣れる。というのが目的だ。」
なるほど……将来的にお互い必ず通る道をここで実践するという訳か……。
「しかしながらサポート科は60名。それに対してヒーロー科は41名と人数が合ってない。なので基本的にはヒーロー科1人にサポート科1人だが、人気が偏った生徒のみ2人とする。」
「はーい!先生!」
「はい、だ。伸ばすな芦戸。どうした?」
「そのサポート科の人はこっちから指名しても良いんですか?それともヒーロー側は指名待ち?」
「いや、どちらから決めてもらっても良い。ただ誰とも組めなかったなんて事は無いようヒーロー科側は1人か2人と必ず組むようにすること。」
「「「はい!!」」」
「じゃあ相談、開始。」
サポート科かぁ……誰と組もうかな……やっぱり何度もアイテム作ってもらった発目さ…………あれ?
「緑谷くん!!私と組んでもらえないかな!?」
「いやいや俺と!!俺と組んで!!」
「黙っとけ!!俺と!俺と組んでくれませんか!??」
ひ、ひえぇ!!?気づけばサポート科の方々に囲まれてしまっていて身動きが取れない。な、なんでこんな事に。み、皆は……!?
そう思って周囲へ視線を向けると、同じく囲まれてしまっている轟くん。しかしながら彼は、
「いや、俺は苗字に……。」
やっぱりそうか、彼もまた普段からお世話になってる苗字さんに……
「苗字なら爆豪くんの所へ行ったよ?」
「………………え?」
かっちゃん!!?と言うか轟くんの呆然とした顔!!苗字さんなんでそんな裏切りを!?
という事は発目さんも僕ではない人の元へ行く可能性が高い……?嫌な予感が止まらない、と言ってもこの囲んでくる人達から抜け出せない!!
結局彼らも全く折れてくれなくて、僕は見知らぬサポート科の人と組むこととなった。
◇
「爆豪くん……ですか?」
「…あ?」
合ってる……よな?
昨年の体育祭で見たっきりだけど、恐らく合っていると思われる。
「私に担当させて頂けませんか!?」
「お前誰だよ。」
「サポート科、苗字名前と申します!」
「知らねぇよ。」
「実はですね、爆豪くんの個性から製作出来そうなサポートアイテムの案をいくつか考えてきたんです!」
「…………。」
「見ますか?」
「……見るなら、組めって事か?」
「はい!」
どうだろう、設計図程度じゃ動いてくれないかな。どうかな。とは言え彼は中々に凶暴な性格。他のサポート科の人間はあまり近づいてこない。
なので、ここでゴリ押しすれば私の一人勝ち。頼みます、設計図に惹かれてくれ!!
「……わかった、組んでやる。」
「本当ですか!!ありがとうございます!!」
「ただ俺の意見が最優先だ!無視したらぶっ飛ばすからな。」
「はい!!」
やったぁ!!彼の個性は前々からずっと気になっていた。高い攻撃力機動力。それらをアシスト出来るようなサポートアイテムを製作したかった!!
「……苗字!!」
まさかこんなにもあっさり承諾されるとは思わず、喜んでいると聞こえた声。
「轟くん!どうしたんですか?」
「……お前、爆豪と組むのか。」
「はい!承諾頂けました!」
「…………そっか。」
そう言うと悲しげに目を伏せた轟くん。え?
「ど、どうかしたんですか?」
「…………俺は、勝手にお前が来てくれるもんだと思ってた。」
「え!?」
「だってお前、俺の事担当してくれてたじゃねぇか……。」
そ、それは申し訳ない事をした……?
「す、すいません!轟くんにはもういくつか私の作ったベイビー使って頂けているので、こう言った機会でしか話せないような方と組みたくて……。」
「……わかった、ごめんな困らせて。」
「い、いえ!こちらこそ……あ、でも私の作ったもので改良や修理があったら関係無く言ってくださいね!」
あぁ、わかった。そう言って踵を返した轟くん。
なんとも寂しげな顔をしていたなぁ……罪悪感が……イケメンにあんな顔させちゃった……罪悪感……。