「いやぁ、忙しいですね!名前!!」
「そうだね、明ちゃん!!」
「いやいやお前らぐらいだよ、気づけばヒーロー科に担当持ってるのは。」
パワーローダー先生に呆れられたような口振りで言われる。
「良い事じゃないですか!それだけ私達のベイビー達が評価され、使われているということ!」
「そうだそうだー!」
「まぁそうなんだけどさ……お前らは2人とも企業に入っても売れっ子になりそうだな。」
「ふふふ、勿論そのつもりですよ!その為に今顧客を集めているんですから!」
え、そうなの!?明ちゃんの魂胆を初めて聞いてしまって驚く。
「え?名前は違うんですか?」
「ち、……がわないけど…………皆が皆プロになっても私達に頼んでくれるとは限らないし。」
「それは頼みたくなるような製作者だ、と思わせるんじゃないですか!今のうちに!!」
「な、なるほど……。」
私は体育祭で轟くんにそう言って貰えただけで、酷く嬉しかった訳だが、流石明ちゃん。明ちゃんは今担当してる皆さん全員これから先も顧客として繋がっていくつもりなんだ。
……負けてらんないなぁ。
「それにしてもお前ら忙しそうだな、コスチューム変更する奴ら被ってきたのか?」
「なんかこの間、ヒーロー科の授業で更に良くなるようにコスチュームを再考する、というものがあったらしくて。」
「その結果、実際に変更する方々が続出!私と名前は大忙し!という訳です!!」
「なるほどな……まぁ無理の無い程度に頑張れよ。」
「「はーい!!」」
◇
「むむ?それは轟くんのバングルですか?」
「うん、耐久度上げれるような設計出来たから今度やるね、って言ってたの。それと同時に轟くん発案の変更も含めて実践中。」
「なるほどなるほど!……轟くんと言えば、これ見ましたか?名前。」
「ん、なに?」
明ちゃんが見せてきたスマホ、の画面に映し出されたのはドアップの轟くん。
「うわっ!?」
横顔とはいえその端正な顔立ちがくっきりと映っている。
「これ、この間の体育祭での映像です!とある試合の後でして、こうして轟くんが話している状況だったのですが、その間ずっと全国で生放送されてまして!内容までは放送されてませんが、彼のこの綺麗なお顔が広まり今や1年の頃よりも更に人気が出ているそうですよ!」
「そ、そうなんだ……。」
「ちなみに、誰との試合だと思います?」
「えぇ……?試合の後に話したって事は……。」
…………………………あれ、待てよ?
「……め、明ちゃん?」
「はい!その顔が正解です!!じゃじゃーん!」
しゅ、と彼女が画面をスライドすると次に現れたのは轟くん、と向き合って笑う私。
「うわああああああ!!?!??」
「こんなお熱い2人を全国放送したんですよ……?面白いことこの上無いですね!!」
「ひ、ひぃぃぃ…………恥ずかしい……。」
何この映像、酷い。轟くんはもう王子様では?と思うほどにかっこいいと言うのに私と言ったら。私の芋っぷりと言ったら。同じ画面に入るな!!と石を投げつけられてもおかしくない。
「これ……拡散されてるの……?」
「はい!と言っても基本的には轟くんのファンが轟くんのご尊顔を拝む為に拡散してるので、名前の顔は切り取られてますよ!」
「それはそれで複雑だけど……まだマシか。」
凄いなぁ轟くん、まだ高校生なのにファンいるなんて。
……そんな彼が、プロになっても私の顧客でいてくれる。そう言ってくれたんだよなぁ。
「明ちゃん……私幸せ者だよ……。」
「……?そうですか!!良かったですね!!」