「轟くーーん!!!」
ピシャァン!!と言う音と共に教室の扉を開いたのは苗字さん。今日も元気そうだ、そして段々と発目さんっぽくなってるのが悲しい今日この頃。
「うるせぇぞ、苗字!!」
「すいません爆豪くん!!轟くんいますか!?」
「知るか!!」
「俺ならここにいるぞ。」
「轟くん!この間話していたバングル強化完了しました!今日の授業にでも使ってください!」
にっこり笑って轟くんにサポートアイテムを渡す苗字さん、に対して
「あぁ、ありがとな。」
あくまで普段通りの声色でお礼を言っているが、何故だろう。ぶんぶんと激しく揺れる尻尾が見えそうだ。
もはやクラス全員に知れ渡っている轟くんの恋心。彼女がA組に襲来する度、僕達……と言うより彼の恋を全力応援している女子達は祈るようにして苗字さんとの動向を見守る。
「若干傷ついていたり、摩耗していた部品もあったので交換しました!着脱時に少しだけ留め具が固くなっているかもしれませんが、何度か使っていけば元通りになるので気にしないでください。」
「わかった、……いつも思うけど細かい所までよく気づくよな。」
「自分が作ったベイビーなので!」
「そっか。」
「いつだって、より良いアイテムにして皆さんには返したいと思っています。なので点検も改良もいつだって全力ですよ!」
「……そう言うとこ、好きだぞ。」
えっっっっっ!!!??
ガタッ、ガターン!!と教室中の至る所から椅子やらなんやらが蹴っ倒される音が聞こえる。が、それ程の衝撃。
い、今…………好きって言った……?轟くん好きって……!!?
「ちょちょちょちょデクくん、つつつつついにとととと轟くん、」
「おお、おち、落ち着いて!!おちつ、落ち着いて麗日さん!!」
「みみ、緑谷くんも落ち着きたまえ!!」
動揺が止まらない、他のクラスメイト達を見ても顔を赤くさせて、甘い言葉を吐いている轟くんを見つめる女子や、わくわくと言わんばかりに彼らを見つめる男子など。
少なくとも多くの視線を浴びている苗字さんだったが、
「え?ありがとうございます!お褒めに預かり光栄です!」
……………………うん!!
「それでは私そろそろ戻りますね、また何かあったら言ってください!」
「……あぁ。」
たったかたーと教室から去ってしまった苗字さん。
轟くんは彼女から受け取ったアイテムを見つめ、……見つめに見つめ…………そしてゆっくりとこちらを振り返った。
「お……お疲れ!!」
「お疲れ轟!!頑張ったな!!」
「もう少しだよ!!押してこ押してこ!!」
慌てて皆で彼を慰める、皆に頑張れ!と言われた轟くんは、静かにこくん。と頷いた。