小姑

「うへぇ……こりゃまた派手にやりましたね……?」


「うるせぇよ、気づいたらこうなってた。」


「なんてこった……。」


ダイナマイト、こと爆豪くんから見せられたベイビーは見るも無惨な姿になっていて。


「これを機に改造考えてぇ、加えたい機能があんだけど。」


「……了解です、どう言った機能でしょうか?」


タブレットとペン片手に彼を見つめる。


彼も彼で学生時代は別段顔の善し悪しなどは気にしていなかったが、こうして大人になってから見ると中々に整った顔立ちをしている。


現にイケメン若手ヒーロー、の括りに大体ショートと共に組み込まれている。


「……………………。」


「え?爆豪くん?」


待ち構えていると言うのに、中々に話出さない爆豪くん。


何事かと思って見つめ返せば私を怪訝な顔して見つめる彼。


「……お前、また痩せてねぇか。」


「はい!?」


「あと栄養偏ってる。」


「んん!?」


謎に見抜かれた私の食生活。何故。


「飯抜いてる時あんだろ、んで食べてるもんはコンビニ弁当ばっかり。脂質に偏りすぎてニキビ出来てる。」


「わ、わざわざ指摘しなくても……!?」


さっ、と顎に現れてしまったニキビを隠す。知ってますよ、口周りのニキビは食生活だって。いやでもだって!


「ちゃんと自炊して三食食べろ、っつったよなぁ?」


「うっ……。」


半年ほど前だっただろうか、爆豪くんと話していた際自炊がびっくりするほど出来ない、なんて話をしてしまった。そう、してしまったのだ。


すると彼は小姑の如く怒り出して、自炊ぐらいやれ!!と怒鳴られた。


わ、わかりましたああ!!と料理本を買って調理器具を集めるとこまでは頑張ったのだ、そしてちゃんと作ってもみた。3日だけ。


見事な三日坊主を成し遂げた私は、コンビニ生活へと逆戻り。最近は忙しさからご飯も食べず寝てしまう事もある。それを私の顔や体を見ただけでわかる爆豪くんはやっぱり小姑だと思う。


「だ、だって……自炊面倒くさ」


「んな事言って倒れてみろ……?俺のコスチューム誰が直すんだ?あぁ!!?」


「ひいぃ……。」


小姑、小姑を怒らせてしまった。困った。


「……お前でも作れそうなレシピ送りつける。」


「え?」


「だから必ず作って証拠写真送れ。」


「えぇ!?」


め、……めんどくさ……じゃなくて!!


「なんで爆豪くんがそこまで……!!?」


「お前に倒れられたら俺が困るからに決まってんだろうが!!」


「だ、だからって……レシピはまだしも証拠写真送るなんて……。」


「てめぇの事信用してねぇからな。」


酷い!!そしてみみっちぃ!!


「良いか?作らずに放置でもしてみろ。お前の家爆破しに行くからな。」


「ひ、ヒーローとは思えぬ言動……。」


「わかったか!!」


「は、はいい!!!」


こうして私は毎日爆豪くんから送られるレシピに挑戦する事となってしまった。


だがそう簡単に生活を変えることも、面倒臭がりな私の性格を変えることもできるわけが無い。なので何度か作り忘れて写真も送れなかった日は。


流石に家を爆破まではされなかったけれど、朝から爆豪くんが会社に来て、俺に言うことは?と仁王立ちして待っている。地獄。


それに対して私が皆の前で土下座するまでがワンパターンだ。……パターン化するまでやらかした私がいけないのだろうが。


細すぎる、みみっちぃ爆豪くんにも少しは非がある。と彼を目の前にして言える人間ならどれだけ良かっただろうか。少なくとも私には出来る気がしない。

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