授業が終わり、足取り軽く工房へと向かう途中。
「……あ!!轟くん!!」
「お、……苗字。」
「バングル使ってみました?どうでした!?」
ささっ、と鞄からノートを出して感想を聞く。
「あぁ、すげぇ良かった。大雑把にしかコントロール出来なかった……特に左側がサポートアイテムでコントロール効くようになった。」
「そうでしょう!!良かった!ちゃんと機能出来ているようで!……ちなみにバングル今持ってますか?」
「あぁ、持ってる。」
「見せてもらっても良いですか?轟くんの高温低温に耐えられているかどうか確認したくて。」
「わかった、教室にあるからちょっと待っててくれ。」
「はい!」
来た道を戻り、A組へ。すると見知った方々が目に入りあ!苗字さんだー!と声をかけられる。
「どうしたの?何か用事?」
きょとん、とした様子で耳郎さんが私の元まで来る。
「はい!轟くんに渡したバングル、使ってみて頂けたようなのでダメージやコントロール計にブレが生じてないか、など確認したくて!」
「へぇ、轟のも作るようになったんだ?」
「はい、A組の皆さんのサポートアイテムこんなにも私のベイビーを採用して貰えて嬉しい限りです!」
「そんな。苗字が凄いの作ってるからじゃん。」
「……へへ、ありがとうございます!」
嬉しい、本当に嬉しい。
ヒーローを志す立派で優秀なヒーロー科の皆さん。そんな彼らのお手伝いをさせて貰えてるだけでも有難いのに、
私の提案を聞いてもらったり、ベイビーをコスチュームとして使ってくれたり。日頃から思っているがサポート科冥利につきまくりだ。
「悪ぃ、待たせた。」
「お、来たね。それじゃあまたね苗字。」
「はい、また!」
「……耳郎と話してたのか?」
「はい。耳郎さんのコスチュームもお手伝いさせて貰っている関係で、仲良くして貰っています!」
「……そっか。ほら、これ。今日1回ずつ右も左も最大威力で使ってみたけど、特に変わりねぇよ。」
そう言われながら渡された第72子。…………確かに、熱にも耐えられているようだ、コントロール計も……うん、問題無い。でも少しばかり轟くんのコスチュームに似合っていないな。ビジュアル面をもう少し改良したい。
「あの、もう少し手を加えても良いですか?」
「え?」
「轟くんのコスチューム姿で想像した時に、少しばかり系統として合っていないような気がして。機能性や使用方法については手を加えません、ビジュアル面のみ……駄目でしょうか?」
本人は気にしていなさそうだけど、私が気になってしまうのだ。完全に私の自己満足。……どうだろうか。
「……そういう事なら、全然。頼んだ。俺はその、ビジュアル面とかよくわかんねぇから。」
「ありがとうございます!3日もあればすぐに改良出来ますので、こちらに持ってきますね!」
「あ、いや。俺が工房に取りに行くよ。」
「それでは!!」
「あっ…………。」
私のベイビーが彼の火力に耐えられた、それだけでも嬉しい限り!そしてその上でより良いサポートアイテムとして改良を許された。これは腕が鳴るぞ!!
一旦返却して頂いた第16子を抱えて、私は工房へと走った。