肝試し

「さぁ!くじを引いて!!ペアを決めるよ!」


今日も一日個性伸ばしに奮闘したが、少しずつ体も慣れてきたのか。眠気は昨日より少しだけマシになっていた。


だがしかし、眠くないといえば嘘になる。


ピクシーボブに渡されたくじを引き、重たい瞼をなんとか開いたままペアを探すと、


「…………お、苗字。俺と同じじゃねぇか?」


「………………ほんとだ。」


一気に目ぇ覚めた。ありがとう神様……!!!轟くんと一緒に肝試し出来るなんて!!


あれか?よく少女漫画で見るような、怖くてボディタッチしちまったとか言うあれか!?やって良いチャンス!?!?


「それじゃあ順番通りに始めて行くよ!!」





「…………案外、……雰囲気あるね……。」


数刻前まで調子に乗っていた訳だが、いざ夜の森にほっぽり出されるとなんだろう、なんか、吐きそう。


「大丈夫か?」


「……………………うん。」


あんまり大丈夫じゃない、けど。今にも吐きそうなんだ。って言うのはちょっと違う気がする。


「……手繋いどくか?」


「え!!」


小首を傾げながら、私の前に大きな手を差し出す轟くん。


い、良いんですか……?緊急事態でも無いのに、助けて貰っても良いんですか……?


「それじゃあ……遠慮なく……!」


足を進めながら嬉々として彼の手に自分の手を乗せようとした時。


にゅ。


「おっ。」


「ひ、……………………ひぎゃあああ!!!」


「おおっ。」


生首生首!!!!え!!?なに!?!?どうなってんのあれ、なに、ちょ、こわ!!!


勢い余って手どころじゃなく、轟くん自身に抱きついてしまったが、それどころじゃない。ちょ、なんで、なんで動かないの、ちょ、え!!!


「ちょ、落ち着け苗字。」


「むりむりむりむり!!!み、見れない!!生首!!生首!!!!」


「ちょ、……わかったから。」


轟くんの肩に頭を押し付けるようにして縋りついてると、轟くんは私の体を掬いあげ、抱き上げた。


「見なくて良いからこのまま進むぞ。」


「びゃ…………。」


好き、かっこいい、優しい、好き。と言う感情と、生首生首いいいい!!と言う感情がてんやわんやでえらいこっちゃ。





「あれは、恐らく骨抜の個性だろ。」


「骨抜………………あぁ!!」


柔化か!!それなら痛くもなく埋まることができ……


「にしてもやり過ぎじゃないかなぁ!?!?」


「っふふ、苗字のビビり方やばかったもんな。」


「と……轟くんはビビらなさすぎだよ。」


私はあやうく色んなものを出してしまいそうだったって言うのに。上からも下からも。


「ほら、もうすぐ中間地点だぞ。」


「あ、ほんとだ…………ってかごめん!!重いよね、降ろして大丈夫だよ!」


「もうビビってねぇのか?大丈夫か?」


「ちょ、馬鹿にし過ぎ!」


「ふふ、あははは!!」


声を上げて笑っている轟くんに降ろしてもらう。もう、私だってヒーロー志望だぞ、生首では流石にびっくりしたけど…………そんな生半可なものではもうビビったりなんか


「やぁ!!中間地点だよ!!」


「ヒュッ。」


「おっ。」

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