仮免
「コスチューム結構変えたんだな。」
「あ、うん!……ちゃんと自分の個性のことよく考えて。…………ちゃんと、戦えるように考え直した!」
仮免取得へ向けて必殺技を編んでいる日々、戦うことへのトラウマもゼロでは無いが、多少動けるようになり、
ヴィランに連れ去られた時は、以前の自分では有り得ないほど立ち向かえた。それらの経験を経て、やはり治療も大事だが戦うことにも重点を置こうと考え、コスチュームを大幅に変更した。
これまでのコスチュームは、薬品や応急処置用の包帯などを入れられるよう、ポケットやらなんやら沢山ついたコスチュームだった。
しかし大幅に変更した今は、
「…………だいぶ、布面積減ったな。」
「うっ…………そ、そうなんですよ……。」
八百万さんのようにボンッキュッボンッでも無いくせに何見せてんだ、という話である。誠に申し訳ない。
しかしながら彼女同様、私は肌面積が大事であって、この肌、皮膚が武器となるので露出するに超したことは無い。
そ、それに、彼女のように胸元まで開いてるとかじゃないから、その、…………貧乳でも許して欲しい。
「恥ずかしいけどね、まぁ、……個性を考えたら仕方が無くて……。」
「…………そうだな。あんま体冷やさないよう気をつけろよ。」
今日も優しい轟くん。元気に胸がぎゅぅんっ。と鳴いたよ。かっこよすぎて優しすぎて辛い……。
「ありがとう、……寒くなったら轟くんの左側に寄ろうかな。」
なんつって。やっべぇ調子乗って冗談とか言っちゃった、ちょ、轟くんぽかんってしてるし、あぁもおおお。
「……っふふ、わかった。いつでも空けとく。」
んんんんんんんんんん!!!!
◇
「夜嵐くん、だっけ。……なんか凄い迫力だったなぁ……。」
「ね、声でかかったね。元気ってレベルじゃないわ。」
響香ちゃんとつんざく耳を抑える。でも雄英の推薦入試1位ってことは、轟くんより実力は上って事だよなぁ……。
「…………やば。急にお腹痛くなってきた。」
「出たよ、豆腐メンタル。」
「だ、だって……!!轟くんでさえ神がかった強さなのに、その上を行く人がいるなんて……。」
「そんなヤツらばっかりな訳ないでしょーが!!」
「と、とは言っても……!!あぁどうしよう、私だけ落ちたりしたら、どうしよどうし」
「落ちたらどうしよう、じゃなくて合格してくるんだ必ず。」
「あ、相澤せんせ……。」
「いいな?」
「で、でも、」
「い い な ?」
「びゃっ……。」
泣きそうになるのを堪えながら先生に頷かされたが、そんな私を見て皆が和んでいたなんて。代わりに誰か私の緊張を解してくれよ。