個性の使い時
「あんた、なんでもかんでも個性使えば良いってもんじゃないよ。」
「うっ……す、すいません……。」
「ほら、この程度の軽傷なら処置だけして自然治癒に任せるのが1番だ。」
そう言って生徒の怪我を見せてもらい、そしてリカバリーガールの判断や処置を学ばせてもらう。
今はインターン中だ、私はリカバリーガールの元で勉強中。
私はなんでもかんでも個性を使おうとするので、リカバリーガールに怒られてしまう。個性も体力を使うので自分が倒れたら元も子も無いと。
それもそうだけど、怪我している人を見るといても立ってもいられない。治せる個性を持っているのだから使わないと、と思ってしまう。
しかし、それを話したところリカバリーガールにはデコピンされてしまった。
「…………それは、適切な処置とは言えないよ。それにこれからどんな大きな怪我人が来るかわからない。それに対して自分が動けないリスクを考えな。」
わかったかい。と言われて、でも……と俯いたらまたデコピンされた。
◇
「轟くん!」
「苗字、おはよう。」
「お、おはよう!だ、大丈夫だった!?」
「何がだ?」
「インターン中、ヒーロー殺しと会ったんでしょ!?け、怪我は……。」
「あぁ、……だいぶ治った。俺は軽傷だったしな。」
その言葉に安堵する。先程飯田くんと緑谷くんにも聞いてきたが、2人とも元気そうで安心した。
「良かった…………皆大怪我負ったんじゃないかと。」
「いや、……心配かけて悪かったな。」
「ううん、無事で良かったよ。」
「お前はインターン、どこ行ったんだ?」
轟くんがその小さなお顔を傾げて聞いてくる。
「私はリカバリーガールの元で。校内の怪我人の治療に当たってたよ。」
「……なるほどな。」
「ほら、私の個性って治療しか出来ないから。外に出ても病院ぐらいしか行くとこなくて。」
それなら日頃お世話になっているプロヒーロー、リカバリーガールの元で勉強させて頂こうと思い、外へ出ること無くここでインターンを行った。
「…………苗字の個性は、どんな個性なんだ?」
「えっ?」
何度も使っているからわかっているものかと。
「いつも治してくれるけど、どうやって治してるのかとか知らねぇから。」
「な、なるほど…………私の個性は細胞操作だよ。怪我した部分の細胞を活性化させて、治療するんだ。」
「……そうなのか。…………そのグローブは?」
「あ、これ?……その人に触れた部分、衣類の上からでも個性発揮出来ちゃうから、誤って個性使うのを防ぐために。」
「なるほどな…………。」
ふむ。と何か考え込んでいる様子の轟くん。え、な、なんだろうか。
「何か、気になることでもあった……?」
「…………いや。何でもねぇよ。」
そう言っていつものおすまし顔に戻ったが、なんとも考え込む表情が頭に残った。