一次試験
「皆!!固まって戦おう!!」
緑谷くんの言葉に、爆豪くん達や轟くんは抜けて行ってしまった。
わ、私もここにいて大丈夫なのかな。でも皆ここにいるし、いや、でも。
もし私が個性使って、クラスの誰かに当ててしまったら。そう思ったら人の足を引っ張るどころじゃなく、痛みまで与えてしまう!!と恐怖し、
「わ、私も離れて戦うよ……!!」
「え、ちょ、名前!?」
「苗字さん!?」
「自信は無いけど、み、皆の足は引っ張りたくないから!」
「どういう意味!?」
◇
とは言って離れてみたものの、やはり正解だったかもしれん。
雄英潰し。体育祭で個性がバレてしまっているが故に、こうして集中狙いがされるとは。
私があんな状態の中にいたら、パニクって皆を痛めつけまくっていたかもしれない。……危ないところだった、自分がポンコツなのちゃんとわかってて良かった……。
「……おい、こいつ!!」
「あ!!雄英の!!」
「……っと……個性は…………あぁ、あれだ。わかんねぇやつだ。」
個性がわかんねぇやつ。とは。
目の前に現れた複数人に首を傾げるが、そうだった。体育祭はろくに個性も使わず、普通科や経営科の子達同様第1種目で落ちたんだった。
そりゃわからないよな、ならば彼らにとって私はイレギュラーか。私にとって彼らも個性がわからなくてやりにくいけれど。
「まぁ、とりあえず……数で押し切るか!!」
数は、4人。刃物、炎、水、巨大化。
……いやどれも接近戦やりにくそうじゃないか!!
誰を狙ってもボコボコにされそうで泣きそうになる、やっぱり皆のところに…………いやいや、味方をボコるよりよっぽどマシ……だけども!!
「とりあえずボコって、ボール当てさせてもらうぜ!!」
そう言ってこちらに迫る4人。どうしよう、どうしよう。焦燥感ばかりが増す中で、私の中に響くのは
《最強のヒーローにならなければならないんだ!!》
…………憎たらしい、なんで、あいつの声なんかで。
私の体は動くようになってしまうのか。
腕を刃のように尖らせた1人を避けて、腕を破壊。
呻き声を聞きながら、2人目、炎を体から出してるやつの足元を払って、転ばせた上で足と肩を破壊。
苦痛に呻く声が響くが、ごめんなさいごめんなさい。と呟きながら3人目、拳を大きくしてこちらへ殴りかかってくるが、こちらから向かっていき、その拳を破壊。個性が解けたところを顔面を蹴り飛ばして気絶。
4人目。と振り返ったが、
「んだよあいつ……!!1人で相手してられねぇよ!!」
…………に、逃げてしまった。
と言うか…………よかったぁぁ…………ちゃんと動けた、戦えた。やはりコスチュームの変更が効いた、触れさせた部分全て攻撃範囲になるのは大きい。
動けたことと、コスチュームが効いたことにほくほくと喜びながら、倒れた彼らにボールを当てた。