傍から見たら

「文化祭!きいた!!」


「え、聞いたの!?そ、そっかぁ……楽しみ?」


「……うーん、ちょっとわからないけど、りんご飴気になる。」


りんご飴かぁ…………あるのかな。


病室にて先生同伴でのお見舞い。あの日以来度々通っていて、エリちゃんは日に日によく笑うようになっている。


私の他にもインターン組や、通形先輩が来ているからだろう。それに相澤先生もその度一緒に来てるから、色んな人とお話して、表情も豊かになってきた。


「エリちゃんも来るよって話昨日聞いたからまだ知らないと思ってたんだぁ。」


「文化祭の話は、そもそも緑谷の提案だ。」


「え、そうだったんですか!?」


「あぁ、あいつがエリちゃん連れてったら喜ぶんじゃ。と言っててな。それで校長先生に掛け合ってみた。」


なるほど、そんな事情が……。


「ヒーロー名さんも来る?」


「うん、来るよー?なんなら踊るよ?」


「おどる!?」


「踊る!!……ま、まだ下手っぴだけどね……。」


うちのクラスはダンスやバンド演奏によるステージに出し物が決まったが、特に演出などにも携われないし楽器も触ったことの無い私は、ダンス隊に決まった。


しかしながら、そう言ったものに全く触れてこなかったので、なんともまぁ、体が動かない。


なので日々芦戸さんの厳しい指導の元ひいひい言いながら奮闘中である。


「デクさんも?」


「デク…………そうだね!デクも!踊るよ、今練習頑張ってる。」


「お前も練習しないとまずいんじゃねぇのか。」


「うぐっ。」


「…………そろそろ帰るぞ。」


「あ、もうそんな時間…………それじゃあまたね、エリちゃん!」


「う、うん…………次ヒーロー名さんいつ来る?」


可愛い…………か、可愛い…………。


「次……次いつ来れますかね?」


「……次会うとしたら来る、ってより文化祭じゃないか?」


「確かに!もう割と日数無いし……エリちゃん!」


ベッドに座るエリちゃんの手を握る。


「今度は雄英で会おうね、待ってるよ!!」


「…………うん!!」


最後にエリちゃんの満面の笑みも見れたことだし、私は先生と共に学校へと帰った。





「……あ。」


「あっ。」


「…………あ??」


ばったり。そんな音が似合いそうな出会い方。


寮に戻ってくると、同じく車から降りてきた轟くんと爆豪くん。


「2人ともおかえり、仮免補講?」


「あぁ、そうだ。……苗字は病院か?」


「そう!エリちゃんとこ行ってきたんだ。」


「そっか…………段々元気になってるって緑谷喜んでたけど。」


「そうなんだよ!最近よく笑うようになってて、本当に嬉しくて!」


「……ふふ、良かったな。」


「うん、やっぱり笑ってくれるとうれし…………って、爆豪くん?」


3人で横並びになって寮までの道を歩いていたのに、1人抜けて早足で行ってしまう爆豪くん。


「どうした爆豪、トイレか。」


「ちっげぇよ!!テメェらの乳繰り合いに耐えられなくなったんだわ!!」


…………乳繰り合い。


ぼっ。


「ちちちち、違うよ!!?そ、そんな、いちゃついたとかじゃ、」


「はぁ!?どこ見て言ってんだ細胞野郎!!2人してデレデレしやがって、サブイボ立つわ!!」


「で、デレデレなんかしてな!!」


「じゃあ寮戻って鏡でも見てみんだな!!」


フンっ!!と大股で行ってしまった爆豪くん。


そ、そんなデレデレとか…………私はたぶんしてるけど…………轟くんはしてるわけないのに…………。


「…………な、なんなんだろうね爆豪くんってば。」


あはははー……と乾いた笑いをすると、ふふ。と息を漏らすように笑った轟くん。


「デレデレか。……言われてみりゃそうかもしんねぇ。」


「………………ん?」


「俺がお前と話してる時、顔が緩んでるって事だろ?いつも苗字と話すと楽しいから、緩んじまうのは仕方ねぇな。」


「…………………………。」


い、いけしゃあしゃあと爆弾落とされたような気がする。


「苗字も俺と話してると楽しいか?」


とりあえず、脳内が大爆発を繰り返しているが、


「……楽しいよ!!!」


ちゃんとこれは友達、としての意味だと理解しなければ。理解しなければ勘違いで、それこそとんでもない事になる。


とはいえ結局、真っ赤になった顔はどうしようも無くて。寮の明かりでそれが晒けだす前に、私は響香ちゃんに抱きついた。

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