レベルアップ!
「だぁーかぁーらぁー…………。」
「すいませんすいません!!もう軽傷で個性はつかわな、」
「そう言ってお前は何度使ったと思ってんだい!!」
バチーン!!!
そろそろデコに穴でも開くのでは?そう思うほどに怒られた1年生のインターン。
そして
◇
「……火傷と…………打撲ですね。治療するので横になってて下さい!」
治療しながら、怪我の具合をカルテに記入していく。
同時に処置後に塗る薬を目星をつけて探す。……今回は……どれだったっけ……。
あれから半年以上経過して、私のデコは今日も今日とて無事である。
流石に半年以上ここで定期的に扱かれた結果、怒られる回数も減っていき、今ではそれなりに満足できるほどにリカバリーガールのお手伝いが出来ていた。
処置が完了し、保健室から生徒が出ていったのを確認してカルテの確認をリカバリーガールにお願いする。
「……うん、大丈夫だよ。……そうだあんた、来週からはインターン週2に減らしな。」
「……えっ!?く、クビですか!?」
「違うよ。本当、よくそんな瞬時にネガティブ思考出来るね。」
「し、したくてしてる訳じゃ……。」
「あんた、戦闘訓練だいぶ受けれてないから。イレイザーが心配してたんだよ。せっかく身につけた力の使い方、ちゃんと訓練しておいで。」
「あ、そういう…………わかりました。」
確かに最近は学校に来る日の半分以上はここにいて、休みの日も患者が出たら向かうようにしていた。
戦闘訓練も、皆より受けれていないかもしれない。とはいえ皆インターンへ行ってるのでいたりいなかったりする訳だが。
私は恩師の言葉に頷いた。
◇
「あれ?月曜日に教室いるの珍しいじゃん。」
「今週から週2に減らされてね。だから今までより響香ちゃんと沢山一緒にいられるよ!」
「え、何。クビにされたの?」
「なんで私と同じ発想するかな。」
そう言うと吹き出すように笑った響香ちゃん。
「ごめんごめん、何?単位足りないとか?」
「んー……まぁ、そんな感じ!皆に置いてかれるからって事で。……もう既にね、皆と戦闘訓練したらボコボコにされるんじゃないかってガタブルだよ。」
「いやぁもう名前はボコボコにされちゃうかなぁ。皆インターンで相当レベルアップしてきてるし。」
「………………嘘でしょ。」
あまりに絶望的な顔でもしてしまったのか、また楽しそうに響香ちゃんは笑った。
「あはははは!!う、嘘嘘。そんなボコボコとまでは…………でも皆レベルアップしてるのは事実だよ、ほんと負けてられない。」
そう言った響香ちゃん。……うん、私も。私だって負けられない。けど、も。
「……………………だからってこれは……。」
「?どうかしたか。」
対人戦闘訓練。割と久々に人相手の訓練だな、なんて思っていたらその組み合わせに絶句する。
目の前でほけっ、と首を傾げている轟くん。いやいやいやいや、謙遜とかじゃなく本当に勝てる気がしない。
「それじゃあ始めるぞ。」
先生の言葉にビビり上がる。昨年は今頃。今頃になってやっと戦えるようになった、トラウマを越えられた。
あれから1年。たぶん、強くなった。でも、
轟くんはもっと強くなった。日々魅せられる練り上げられた技。
勝てる気がしない、けど。
「……………………負けないよ!!」
「っふふ、……あぁ、俺だって。」
負けたくないって思うのは、あなたの隣に並びたいから。