重ねる日々

今日も今日とて綺麗なお顔。


だがしかし、その顔面目掛けて蹴りを繰り出すが、即座に現れた氷の壁に弾き飛ばされる。


……やっぱり強い。接近戦に持ち込むだけで精一杯だ。


でも、必ず隙は生まれる。離れたままだと炎熱で攻撃される。


足は常に動かして、付け入る隙を狙って。


氷結の壁をすり抜けて、なんとか彼の側へ。


拳を握り、改良したグローブでその右腕を殴りつける。


破壊を瞬時に!!


痛みを起こすと同時に、患部を殴りつける。


ただ細胞破壊するよりも、ずっとずっと


「っつぅ…………。」


余裕の崩れた表情にぞくぞくする。


通用してる、私の力が轟くんに届いてる!!


このままの勢いでもう片腕も……!と思い近づくと


「っえ……!?」


長い長い足で肩を押されて、そのまま氷結。


や、やらかした………………。


反省してももう遅い。私の体は氷漬けにされ、戦闘不能となってしまった。





「………………1回ぐらい轟くんに勝つ。」


「お。……宣戦布告か?」


「宣戦布告!卒業するまでに1回ぐらい勝つ!!」


思っていたより悔しくて。彼の腕を治療しながら、宣戦布告してみる。


「っふふ、……負けねぇよ。」


「次こそは………………いや、次の次……いや更に次……。」


「ははは!!どれだけ負ける予定なんだよ。」


「だ、だって!!轟くんに簡単に勝てるなんて思えない。何度も何度も負けてから、……1回ぐらい勝ちたい。」


その1回だけでも、きっと私の自信に繋がるだろうから。





なーんていって話していたのに。


「…………また勝てなかった……っ!!」


「また勝っちまった。」


グラウンドに足元を氷漬けにされたまま大の字で転がる。


待て待て待て、もうだいぶ時間無いんだけどな。


「……轟くん、今って何月だっけ。」


「10月。」


「ひゃあ…………あと半年ぐらいで卒業じゃん……!!」


「ふふ、間に合うか?」


今日も私を負かして楽しそうに笑っている轟くん。


私も胡座をかいてる訳じゃないのにな。私が頑張っても、その分。いや更に轟くんは努力していて差が縮まらない。


「……轟くんが強いのは充分にわかったけど、…………1回ぐらい勝って自信つけて卒業したいのに……!」


「……お前だって強いよ。」


「……………………1回も負けてないくせによく言うよ。」


「っふふ、拗ねんなよ。」


轟くんは私の足の氷を溶かしながら、私は彼の傷を治しながら言葉を交わす。


いつもの事だ、こうして手を合わせてからはお互い労いながら、話をする。


「でも、本当に強い。……いや、強くなったと思うぞ苗字。」


「…………本当?」


「あぁ。最初こそ戦うことにトラウマを抱えていて、守ってやらねぇと。なんて思ってた。でも、ちゃんとお前は向き合って、…………どんどん強くなって。今日だってもう片足やられてたら負けてた。」


「だから、強くなった。…………毎回今回こそ負けるかもしれねぇ。と思わされる。」


「……ふふ。次こそは絶対勝つよ。」


「……負けねぇ。」


いつから彼に向かってこんな大口叩けるようになったのか。それとも自分に対する鼓舞なのか。


でも好きだったんだ。普段の轟くんも好きだけど、こうして私が挑戦する時の顔が。


どうかその瞳の中にいつまでもいさせて欲しくて。あなたの視界に入っていたくて、今日もまた手を伸ばす。

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