暴かれた気持ち
「ねぇねぇショート!!」
「何だ?」
声をかけてきた女子生徒に聞き返す。
一度講師として雄英に呼ばれてから、度々こうして呼ばれている。
俺としても、俺が母校に相澤先生に恩返し出来るのなら、喜んで手伝いたい。そんな気持ちでそれなりの頻度で雄英へとやって来ていた。
「ショートって、ヒーロー名の事好きでしょ。」
「………………………………。」
思わず後ずさる。な、何故。何故それを。
冷や汗がたらたらと流れているような気がしているが、それを気にしている暇なんて無い。
「その反応!やっぱりかぁ!!」
「そう思うと超わかりやすいね!!」
「あ、いや、その…………苗字には、」
数人の女子生徒に共有されてしまった俺の片想い。雄英で暴露でもされてみろ、恥でしかない。……恥で済むか?記事になる?…………嘘だろ。
青ざめながら慌てて頼みこもうとすると
「え?言うわけないじゃん!!そんな人の恋を笑う最低ヤローじゃないし。」
「そうそう、ウチらだけの秘密にしとくから!」
「た、…………助かる。」
良い子ばかりで助かった、肝が冷えた、心底冷えた。
「ね、ショート。その恋ウチら応援するよ!!」
「……え。」
「うんうん!!応援する!!」
協力出来そうなことがあったら、なんでも言って!!と心強いことを言ってくれる女子生徒達。
とても嬉しいことだが、どうしてそこまで。と疑問も浮かんだ。
「……ありがとな、でも、なんで。」
「なんで、……うーん。先生に幸せになってもらいたいからかなぁ。」
「え?」
「ほら、私達日頃からヒーロー名に甘えて保健室に入り浸ったり、世間話しに行ったり、相談とか愚痴とか聞いてもらったりしてるんだけど、」
「いつも困った顔して、それでも聞いてくれるんだぁヒーロー名って。」
「だから本当にお世話になってて。……それでね?いつだったか、また卒業式で大量に先輩たちをフッた後ぐらいに聞いたんだ、結婚とか興味無いの?って。」
「そしたらね、忘れられない人がいるって言ってたんだ。最初はどこの誰かも全然教えてくれなかったけど、何度も何度もしつこくしつこく聞いてみた!!」
「そしたらね、学生時代の同級生って事だけわかったんだよ!!」
学生時代の、同級生。
「……………私たちは、先生の忘れられない人ってショートの事だと思う。」
「…………な、んで。」
「だってね、ショートの話する時だけすっっごく優しい顔するの!!きっと大好きだよ、今でも。」
……そんなの、……そんなのは嘘だろ。出来すぎてる。
じゃあなんであの時、学生の時、卒業式の時。なんの素振りも見せなかった、…………俺に伝える気が無かった?
「だから、ショートが先生の事幸せにしてあげて欲しい。」
ふざけてなんかない、茶化してなんかない。
真剣な瞳で、目の前の生徒達は俺を見た。
…………それ程に、愛されているんだな。苗字は。
「…………正直、まだ飲み込めねぇ部分は大きいけど、…………約束する。」
必ず、俺が幸せにすると。