君との違い
「え……?あれってA組の、」
「轟くんだよね!?え!?なんで普通科に!?」
「てかかっこよ……!近くで見るとやばい!!イケメン過ぎ!」
なんてざわつく声に、え!?轟くん!?と教室の入口を見ると、見覚えのある赤と白。
「ほ、ほんとに轟くんだ……。」
「えぇ、何しに来たんだろ?……って言うか本当美形だねぇ。」
「うん、まぁそれは1年の時からだけど、」
「あ、そっか。名前同じ委員会なんだっけ。」
「うん、そう。だから顔はそれなりに見慣れて……。」
友達と彼について話していると、入口でキョロキョロしてた轟くんと目が合う。
そして彼は迷うこと無く私の元へと歩いて……え!?
「苗字。」
「と、轟くん!?」
「おお、元気そうだな。」
「げ、元気だけど……どうしたの?」
「……週末の事気になって、ちゃんと元気になってるか見に来た。」
週末の事、……ヴィランに襲われた日の事だろう。あの日だって轟くんが助けてくれて、寮に帰るまで震える私の手を握っていてくれたのに、後日またこうして様子を見に来てくれるなんて。
本当にどこまでも優しい人だ、もはや尊敬する。
「ありがとう、もう全然元気だよ!」
「ん、なら良かった。……なぁ俺何かおかしい事でもしたか。」
「え?なんで。」
「なんか…………このクラスの人達に、すげぇ見られてる気がする。」
「そ、それは……。」
あなたが有名人だから。そしてイケメンだから。そして実力者だから。…………って注目される理由が多すぎる。
「き、気にしないで。ヒーロー科の人が来るの珍しいだけだから!」
「そうなのか?まぁ用事ねぇもんな。…………それじゃクラス戻る、元気そうな顔見れて良かった。」
「うん、ありがとう。また委員会でね。」
「あぁ。」
真っ直ぐ扉へと向かっていき、廊下に帰って行った轟くんを見送って、一息つく。
「な、なんか意外だったな。」
「え?」
友達の言葉に首を傾げる。
「轟くんもっと冷たい印象だったけど、名前と普通に話してたね。」
「冷たい?……轟くんはむしろ逆だよ。凄く優しい人。」
「え!?そうなんだ、……モテる要素しかないじゃん。」
「いや本当にそれね……凄いよね、そんな人本当にいるんだってぐらいに思っちゃう。」
「凄いなぁ、イケメンは世界が違うなぁ。」
なんて話して友達と話す、そうだ。轟くんは世界が違う。生きてる世界も、見据える未来も。
もうすぐ卒業。卒業すれば、轟くんとはさよならだ。
少し寂しくも思うけど、たぶん大丈夫。だってすぐに彼は脚光を浴びて、多くの人を救う素晴らしいヒーローとしてテレビや雑誌に取り上げられるだろうから。
私はその時、彼をテレビ越しにでも見れたらそれで良い。そしていつか、この人と一緒の委員会だったんだって自慢するんだ。