ただいま

「あ!!苗字さん!!」


緑谷くんの声に皆が集まってくる。


「退院おめでとう!!体の方は大丈夫?」


「うん、もう傷もほとんど塞がって元気だよ!」


「心配だったわ、元気そうでよかった。」


「ごめんね、心配かけて。ありがとう梅雨ちゃん!」


他にも皆それぞれ声をかけてくれて、改めてクラスメイトに恵まれたと実感した。


「苗字、荷物部屋に置いておいていいか?」


「あ、ありがとう!……えっと、私の部屋ってどこかな。」


「こっち。着いてこい。」


「うん、じゃあまた後で!」


皆に手を振り、病院から荷物を運ぶのを手伝ってくれた轟くんの後を追った。





それにしてもなんと良い寮なんだ、贅沢空間。


若干学費の事がチラついたが、まぁヒーローになったら頑張って返していこう……と胃がキリキリと痛んだ。


大して荷物の無かった私の荷解きはあっという間に終わった。先生に聞いたところ私の住んでた家の解約まで済ませてくれたらしく、何から何まで……と頭を下げた。


さて、皆のいる1階に戻ろうかな。なんて思っているとコンコン、ノックが聞こえ返事をすると


「…………よぉ。」


歩く爆弾さんが入ってきて、


「ひえええ!?」


「うっせぇ!!顔見ただけでビビってんじゃねぇよ!!」


「ち、違う!!顔見たというか、私の部屋に来る人なんてもっと、女の子達か精々轟くん、緑谷くんぐらいだと思ったんだもん!!」


まさか爆殺王が来るとは誰も思わないでしょう!?


「………………怪我、どうだよ。」


「…………え?あ、か、肩?だいぶ良くなったけど……。」


「そーかよ、精々鉄分でも取っとけ氷野郎。」


そう言い残してバァン!!と扉を閉められた。こ、壊れる……。


なんだったんだ今のは、精々鉄分…………血を作れって?……え、も、もしかして心配……?


………………考えるのは辞めよう。彼が意外と優しい人物って言うのはなんとなくわかった、けど、これで心配してくれたんだ!とるんるんで彼の前に現れた時私の人生は終わらされそうなので、平常心平常心。


コンコン、するとまたしても鳴ったドア。今度は恐る恐る返事をすると


「荷解き、終わったか。」


「と、轟くん……!」


「お。どうした。」


今度は轟くんで安堵した。


「さっき爆豪くんが来てね……微妙に心配されつつキレられつつ扉を壊さん勢いで帰っていったの。」


「なんだそれ。」


ふは、と軽く笑った轟くんに私も笑う。本当になんだったんだろうね。


「1階に皆いる、お前のこと皆心配してたからちゃんと話した方がいいんじゃねぇか?」


「そうだね!今から行こうかな。」


腰掛けていたベッドから立ち上がり、轟くんの方へと向かうが


「う、お、」


「っ!」


本調子では無いのは事実で、くらり足元が掬われるような感覚。


しかし私の体は轟くんによって引き寄せられ、なんとか床にごっつんする事は無かった。


「気をつけろ、まだ本調子じゃねぇんだろ。」


「う、うん。すいません。」


そして至近距離で香った轟くんの匂いと体温に、私の体温は上昇した。

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