点と点

緑谷に言われて、思い出したお母さんとの会話。


どうして、ヒーローになりたいと思ったのか。


あいつに言われるがまま、あいつの道具としてじゃなくて。俺自身がどうしてヒーローになりたいと思ったのかを思い出した。


親父は憎い、許せない。それは変わらない。だけど


「君の、力じゃないか!!!」


あの言葉は、嘘偽りの無い事実だった。


◇


「いやぁ、凄かったね体育祭!」


「そう言えば苗字はあっさり敗退してたな。」


「傷口を広げなくていいんだよ切島くん。」


「お前何してたんだ?」


男気語っといて人の傷口広げに来るなんて、酷すぎる。男気とは。


「…………騎馬戦で気づけば敗退してた。」


「え!?騎馬戦で終わってたのかお前!!」


「うう、仕方ないじゃん。負けちゃったもんは。」


「いやそれはそうだけどよ…………お前だったら結構上まで行けたんじゃねぇかって思ったんだよ。」


ほら、お前推薦入学者だしよ!!なんて言って快活に笑った切島くんは褒めてるのか貶してんのかわかんない。


◇


「私の個性を発揮する間もなく終わってたよ…………あはは。」


遠い目をして笑う苗字。


…………?


胸が、ざわつく。


『私達、どこかで会ったことあるよね?』


この間言われた言葉に、更にざわつく。


どこか。


どこ、だ。


まだ忘れてることがあんのか、お母さんの事、俺自身のことの他に、


少しだけズキ。と頭が痛くなり頭を抑えるとすぐに引いた痛み。


………………あれ?


あの子は、誰だったか。


凄く緊張していて、胃も痛いって言ってて。


ズキ。


…………っいってぇ……あの子は、雄英受かったんだろうか。


ズキ。


また会える日を楽しみにしてるって、言った。俺は言った。


ズキ。


…………っあの子は……、誰も期待してないって……。


ズキ、ズキ。


…………違う、俺は期待した。


ズキ、


一緒に高校生活送れるかもしれねぇって、一緒に過ごしてみたいって思った、だからまた会える日を楽しみにしてる、なんて言葉、


ズキ


『私達、どこかで会ったことあるよね?』


ズキ


『あああ、あの、これ、お、お、落としましたか!!?』


……………………………………あぁ、そういう、事か。

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