今まで

「先輩!!大丈夫ですか!?」


「うん、なんとか……死ぬかと思った…………。」


「いや私もですよ!!絶対寿命縮みました!!と言うか先輩凄すぎません!?なんなんですかさっきの動き!?ヒーロー科だったとか!?」


「うるさい……それより、写真、抑えといてね……。」


「え?」


「あれ、かなりレアな状態…………ヒーロー多数、いるから、……抑えて…………。」


「りょ、了解です!!……って先輩は!?」


「病院行く……。」


「えぇ!?1人で大丈夫ですか!?」


「大丈夫、……近いとこに、夜間病院あるから……。」


頼んだ……と仕事魂を彼女に押し付けて私は病院へ向かった。





「……あれ?苗字さんは?」


「いねぇ……。」


「え!?」


全員でボコボコにしたヴィランを警察に引き渡した後、うろうろと周囲を見渡す轟くんは、絶望的な表情で言った。


「い、いつの間に……。」


「わかんねぇ………………クソっ。」


「落ち着いて、轟ちゃん。怪我を負ってたわ、病院に行ったんじゃないかしら?」


「でも、どこの病院に行ったかなんてわかんねぇーしなぁ。」


「あ、あの……。」


すると一人の女性が僕達に話しかけてくる。


「どうしました?」


つい子供達への癖で、身を屈めて話を聞く。


「あ、あの、もしかして、違かったらあれなんですけど、」


「?はい。」


「先輩……苗字先輩を探してますか?」


「っ知ってるんですか!?」


「うわっ、しょ、ショート……!!は、はい。同じ会社で、さっき病院に行くって、ここから近い夜間病院って言ってました。……凄く歩くの遅かったから、たぶん近いと思います。」


「……!!ありがとう!!探してたんです!!」


「あ、い、いえ!!」


「やったね!ショート!!すぐに向かおう!!」


「あぁ……!!」


僕達は苗字さんの後輩と言う女性にお礼を言って、彼女も既に日が落ちて帰り道が危険と言う事もあり、一緒に病院へと向かった。





治療を終えて、疲れから病院の待合室に座る。


いやぁ……折れてなくて良かった、ほんと良かった…………体づくり多少なりともしてて良かった……受身がちゃんと取れたんだ、ありがとう私の反射神経。


とはいえ包帯やらガーゼやらで覆われた自分は痛々しくて、この姿も久々だなぁ。と苦笑いを浮かべる。


さて、明日も仕事だ。と立ち上がるが、ふと過ぎった皆のことを考えてしまう。


なんとなく避けてしまったが、感じ悪かっただろうな。


…………でも、会わない方が良いと思う。彼らにとって私は負の存在。私が今民間人なのも、もしかしたら見ていて悲しみを生んでしまうかも。


……それなら、やっぱり、


「あ、先輩!!」


「…………あれ、なんでここに。帰ってて良かったのに。」


「心配だったんですよ!!あと、皆さんと一緒に来たんです!」


皆さん?


その言葉に首を傾げると、後輩ちゃんの後ろから現れた皆に口を開けてしまう。


「な、なんで…………。」


「なんでって、先輩のこと探してたので!!なんか知らないですけど、皆さんと知り合いだったんですね!?なんで言ってくれなかったんですかぁ!!」


いやぁぁ違うんだよ、言わなかったっていうか、言えなかったって言うか、


「あー…………あははは…………。」


うっわぁ……この空気、どうしたら、


「…………苗字くん!!」


「は、はい!!」


この声は、飯田くん、


「……色々と!!言いたいことはあるが!!」


「は、はい。」


「君が!!元気そうで良かった!!」


「いや、今この状態元気そうって言えんのか?」


「満身創痍だろ。」


「む、た、確かに!!」


何言ってんだよ、委員長ー!!なんて言葉に笑い声が響く。


その空気感がなんとも懐かしくて、温かくて、気づけば私も笑ってた。


「まぁー、俺達も色々聞きたいけど?」


「今日は流石に疲れたよな?だから日を改めねぇ?」


「確かに。今日会えたのは嬉しかったけど、色々話すには時間が足りないわ。」


「……そうだな、そうしよう!!後日、苗字くん、君も含めて同窓会を開催しようじゃないか!!」


「…………え、」


同窓会。卒業も、なんなら1年生も終えられなかったのに。


「あ、行きたくないとか無しだぞ?お前の話を聞く会なんだからな!!」


「今まで姿を現さなかったのには理由があるんだろうけど、……それも含めて僕達に話して欲しいな。」


緑谷くんが優しく笑いながら伝えてくれる。


「…………わ、わかった。」


「よし!!約束な!!じゃあ連絡先は、轟くん!!聞いておいてくれたまえ!!」


「あぁ。」


「えっ!?」


「それじゃああとは積もる話でもあるだろうから、とりあえず皆!!退くぞ!!」


「「「はーい!!」」」


「は、え、ちょ……!?」


飯田くんの声に、後輩ちゃんまで連れていかれて…………気づけば轟くんと2人きりにされていた。


…………えっ!?

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