今まで
「先輩!!大丈夫ですか!?」
「うん、なんとか……死ぬかと思った…………。」
「いや私もですよ!!絶対寿命縮みました!!と言うか先輩凄すぎません!?なんなんですかさっきの動き!?ヒーロー科だったとか!?」
「うるさい……それより、写真、抑えといてね……。」
「え?」
「あれ、かなりレアな状態…………ヒーロー多数、いるから、……抑えて…………。」
「りょ、了解です!!……って先輩は!?」
「病院行く……。」
「えぇ!?1人で大丈夫ですか!?」
「大丈夫、……近いとこに、夜間病院あるから……。」
頼んだ……と仕事魂を彼女に押し付けて私は病院へ向かった。
◇
「……あれ?苗字さんは?」
「いねぇ……。」
「え!?」
全員でボコボコにしたヴィランを警察に引き渡した後、うろうろと周囲を見渡す轟くんは、絶望的な表情で言った。
「い、いつの間に……。」
「わかんねぇ………………クソっ。」
「落ち着いて、轟ちゃん。怪我を負ってたわ、病院に行ったんじゃないかしら?」
「でも、どこの病院に行ったかなんてわかんねぇーしなぁ。」
「あ、あの……。」
すると一人の女性が僕達に話しかけてくる。
「どうしました?」
つい子供達への癖で、身を屈めて話を聞く。
「あ、あの、もしかして、違かったらあれなんですけど、」
「?はい。」
「先輩……苗字先輩を探してますか?」
「っ知ってるんですか!?」
「うわっ、しょ、ショート……!!は、はい。同じ会社で、さっき病院に行くって、ここから近い夜間病院って言ってました。……凄く歩くの遅かったから、たぶん近いと思います。」
「……!!ありがとう!!探してたんです!!」
「あ、い、いえ!!」
「やったね!ショート!!すぐに向かおう!!」
「あぁ……!!」
僕達は苗字さんの後輩と言う女性にお礼を言って、彼女も既に日が落ちて帰り道が危険と言う事もあり、一緒に病院へと向かった。
◇
治療を終えて、疲れから病院の待合室に座る。
いやぁ……折れてなくて良かった、ほんと良かった…………体づくり多少なりともしてて良かった……受身がちゃんと取れたんだ、ありがとう私の反射神経。
とはいえ包帯やらガーゼやらで覆われた自分は痛々しくて、この姿も久々だなぁ。と苦笑いを浮かべる。
さて、明日も仕事だ。と立ち上がるが、ふと過ぎった皆のことを考えてしまう。
なんとなく避けてしまったが、感じ悪かっただろうな。
…………でも、会わない方が良いと思う。彼らにとって私は負の存在。私が今民間人なのも、もしかしたら見ていて悲しみを生んでしまうかも。
……それなら、やっぱり、
「あ、先輩!!」
「…………あれ、なんでここに。帰ってて良かったのに。」
「心配だったんですよ!!あと、皆さんと一緒に来たんです!」
皆さん?
その言葉に首を傾げると、後輩ちゃんの後ろから現れた皆に口を開けてしまう。
「な、なんで…………。」
「なんでって、先輩のこと探してたので!!なんか知らないですけど、皆さんと知り合いだったんですね!?なんで言ってくれなかったんですかぁ!!」
いやぁぁ違うんだよ、言わなかったっていうか、言えなかったって言うか、
「あー…………あははは…………。」
うっわぁ……この空気、どうしたら、
「…………苗字くん!!」
「は、はい!!」
この声は、飯田くん、
「……色々と!!言いたいことはあるが!!」
「は、はい。」
「君が!!元気そうで良かった!!」
「いや、今この状態元気そうって言えんのか?」
「満身創痍だろ。」
「む、た、確かに!!」
何言ってんだよ、委員長ー!!なんて言葉に笑い声が響く。
その空気感がなんとも懐かしくて、温かくて、気づけば私も笑ってた。
「まぁー、俺達も色々聞きたいけど?」
「今日は流石に疲れたよな?だから日を改めねぇ?」
「確かに。今日会えたのは嬉しかったけど、色々話すには時間が足りないわ。」
「……そうだな、そうしよう!!後日、苗字くん、君も含めて同窓会を開催しようじゃないか!!」
「…………え、」
同窓会。卒業も、なんなら1年生も終えられなかったのに。
「あ、行きたくないとか無しだぞ?お前の話を聞く会なんだからな!!」
「今まで姿を現さなかったのには理由があるんだろうけど、……それも含めて僕達に話して欲しいな。」
緑谷くんが優しく笑いながら伝えてくれる。
「…………わ、わかった。」
「よし!!約束な!!じゃあ連絡先は、轟くん!!聞いておいてくれたまえ!!」
「あぁ。」
「えっ!?」
「それじゃああとは積もる話でもあるだろうから、とりあえず皆!!退くぞ!!」
「「「はーい!!」」」
「は、え、ちょ……!?」
飯田くんの声に、後輩ちゃんまで連れていかれて…………気づけば轟くんと2人きりにされていた。
…………えっ!?